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鋼の錬金術師外伝 共鳴の錬金術師駅を出てエドワードはつぶやいた。 「何で俺はここにいるんだ」 兄の同情を求めるような細い声を聞き、弟のアルフォンスは呆れ、おどけた声で応えた。 「査定でしょ」 そんな事は俺でも分かっている。 アルの言葉でエドの顔はみるみる修羅のように変貌していった。しかし引き金を引いたのはアルではない。 「・・・あの大佐・・・!」 エドは急に歩きだした。一つ遅れてアルが後を追う。 向かうは東方司令部である。 数日前、軍のホテルにいたエドに一通の封書が届いた。宛名には自身の名と、二つ名の鋼が記してあった。差出人の署名は無い。 その嫌味な程美しい字と、鋼の文字を見て、封を開けるのを躊躇われた。 しかし、軍関係であることは見て取れたので開けない訳にはいかない。そのろうはパンドラの蓋のようにも思えた。しかし災いは封書を受け取った瞬間からエドに照準を合わせていたようだ。 アルが見護る中、物々しく封は切られた。その中からは、三つ折りにされた一枚の紙以外何も出てこなかった。 紙を開いてみると、何も書かれていないのと勘違いする程、その内容は簡潔であった。 新品のノートから破いてきたような真っ白な紙の中央に一言だけ記してあった。 「査定報告書紛失。早急に私のところに来い。」 大佐からだ。 見覚えのある字だ。 先月、東方司令部には査定に赴いた。その時の報告書のことだろう。 本来、各司令部で行なわれた国家錬金術師の査定については、即座に報告書が大総統府に送られ承認されなければ資格が剥奪されてしまう。査定を行なうのは術師の義務である。 エドも当然査定を受けた。結果が認められればこの1年は国家錬金術師として、活動出来、研究資金が与えられる。 勿論エドには落ち度無く査定を終えた。 つまり、報告書を失われるのは国家錬金術師にとって由々しき事態であるのは当然である。 そんな事態が起こった。と、この手紙は言っている。 エドは考えた。 大佐がこんな凡ミスをするだろうか。勿論一番の被害者はエド自身だが、これは大佐の評価に影響し、ゆくゆくは昇進の障害になりかねない。 紛失が事実ならば査定そのものを無かったこととし、ミスをもみ消してしまうのが彼にとっての得策であるはずだ。 それをわざわざ連絡をよこしたということは、何か裏がある。 エドは結論に至った。 To Be Continued... 小説トップ ホーム |