テーマ:社交ダンス(8308)
カテゴリ:映画のはなし
ニューヨークの公立小学校では,社交ダンスを教えているんですね。
情操教育の一環として始められた社交ダンスのプログラム。60校以上、6,000人の生徒たちが10週間のコースに取り組み、なんと履修後にはテストならぬ競技会があるんです。 これは、優勝目指して真剣に社交ダンスに打ち込むニューヨークの小学生たちの姿を追ったドキュメンタリー映画。 種目はメレンゲ、ルンバ、スイング、タンゴ、スローフォックストロットで、各学校からそれぞれの種目を担当する5組の代表選手と補欠の計6組が選抜され、予選会に出場します。 ダンスが好きな子,嫌いな子、宗教上の理由で踊る事が禁じられている子、移住して来たばかりで英語は出来ないけどダンスにはキラリと光る才能を表す子。 実に興味深いです。 無邪気な子供たちの口から、私達ダンスをやっている大人が言いそうな言葉が出て来るので思わず笑ってしまいます。 <女の子の言い分> 「リードとか出来ない男の子と踊りたくないのよね。」 「わたしのリーダーなんて全然練習熱心じゃないのよ。」 <男の子の言い分> 「女ってさ、みんな自分が一番偉いと思ってるんだよ。」 「女子だって足間違えて反対に行っちゃう子いるじゃん。」 子供たちは練習を通して様々な事を学んで行きます。 手のつけられない悪ガキだった生徒が、ダンスで頭角を現し皆の憧れとなる事で普段の生活でも模範的な態度を取るようになったり、社交ダンスから紳士・淑女の礼儀を身に付けて行ったり。 レッスン風景から始まり、学校代表の選抜、予選会から決勝まで、主に3つの学校に光を当てて成長ぶりを追って行きます。 一番トロフィーにこだわっているのはどうやら先生方のようで、『どうしても大賞をとりたい。』という、大人のエゴが明らかに見て取れます。ちょっと興ざめ。 大賞を取れるのは1校だけですから、とれなかった場合の生徒達への対処も非常に重要なポイントです。 「先生の言った通りに踊ったし,全然間違えたりしなかったのに何で負けたんだ。」 みんな泣いてます。 「審判が見てなかったんだよ。」 「先生が悪いんだ。」 子供でもそう思うんですよね。 「あなた達は負けたんじゃない。3番目に上手かったのよ。」 次に進めなかった子達にはこんな説明がされていました。 「この頑張って来た経験はこれからの人生できっと役に立つ。」と。 子供のころから競争にさらすのはどうかという意見もありますが、子供たちが社交ダンスを知り、コンテストでの勝利を目指して奮闘しながらさまざまな表情を見せるのは、社交ダンス愛好家はもちろん,そうでない人たちにも驚きと感動を与えると思います。 最後に、子供たちへのレッスンで先生が言われていたセリフを3つご紹介しましょう。私達にも役に立つかもしれないです。 「彼女の目の色は何色だった?ラテンはきちんと相手の目を見て踊るんだよ。」 「二階の人を起こしちゃいけないよ。そう,上半身は静かに保って。」 「笑顔だよ。『なんてやな女。』そう思っても、俺は笑顔。」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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