カテゴリ:アニメのはなし
一時期ビジネス書に凝って、それ系の本ばかり読んでいたことがありました。
こういったノウハウ本は、買って読むだけじゃ意味がないんですよね。ましてや買っただけで積んでおいても何にもなりません。 大抵その道で成功した人がどうしたらそうなれるかということを書いていることが多いですから、自分がこうなりたいと思っている人が書いている本を読んでそのとおり自分も実践してみる必要があるでしょう。 書かれた時代背景や国の経済状態、自分の立場や目標が異なっているので、全く同じことをするのは難いかもしれません。 でもそのエッセンスを応用することは出来るはずです。 今日ご紹介するのはマネジメントのバイブルと呼ばれるピーター・ドラッカーのビジネス書をきちんと読んで実践した女子高生の話し。 もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだらという長いタイトルのアニメで『もしドラ』と略されています。 高校のとき自分はバスケ部だったんですが、マネージャーの仕事といったら試合をセットアップするとか、試合のときに選手のタオルや飲み物を用意するくらいしか思ってなかったんですけどこのお話のマネージャーは全く違いましたね。 まるで会社の管理職みたいにチームを組織としてまとめあげ、夏の甲子園という大きな目標に向かって選手たちを導く凄腕社長のような女子高生マネージャーでした。 でも最初からそんな凄いことするつもりはなかったみたい。 野球部のマネージャーだった親友が入院してその代わりに渋々引き受けたものの、何をしたら良いのか分からずとりあえず本屋で買った参考書がピーター・ドラッカーの『マネジメント』だったんです。 開いてみたらとんでもなく専門的ビジネス書でしたが、マネージャーとして一番大切でもとから備わっていなくてはならない資質が一つだけあるというところでこの本につかまります。 それは『真摯さ』と訳されていましたが、オリジナルでは『integrity』です。 辞書には『高潔な人, 人格者』のように書かれています。 ドラッカーもこの言葉の定義は難しいと書いていますが、彼が言うにはintegrityが欠如した人の例は以下の通りだそうです。 人の強みではなく、弱みに焦点を合わせる者、冷笑家、「何が正しいか」よりも、「だれが正しいか」に関心をもつ者、人格よりも頭脳を重視する者、有能な部下を恐れる者、自らの仕事に高い基準を定めない者。 こういう人は上に立てないという話しみたいですが、ハードル高いですね。私はマネージャにはなれそうもありません。 さてお話に戻ると、主人公の川島みなみはこの本を読み進むうちに、野球部の改革に使えると思いつくんですね。 モチベーションの上がらない野球部員の現状をなんとか打破し、監督とエース選手との確執を取り払い、適材適所人材を抜擢、目標に向かうプログラムを組み立てて、他の部とWin-Winの関係で協力し合い、いままでの高校野球になかったイノベーションまで起こすのに成功します。 確かにマネージャが誠実でまじめで熱意がないとこういった改革は実践できないでしょうね。 でもそれだけじゃなくて、主人公は頭いいんですよ。 この物語に出てくる学校は、甲子園なんかとは縁がないような進学校で、部員も監督もみんな頭良いみたいなんですね。名前は程高なんていう程々な名前でしたけど。 一番すごいなと思ったのは、彼女が監督までマネージメントして才能を引き出すところですね。監督って先生ですから普通と立場逆です。 それに野球部のことを気にしながら入院していた親友にも『お見舞い面談』と称して部員の本音を聞き出す重要な役割を依頼し、それによって不満因子を除きよりモチベーションが上がる方向へと導く方法はまさに適材適所の神髄。 チームプレーの場合、一部の選手だけが突っ走ってもだめで、皆が同じ方向に向かって考えながら努力することで個々の才能がプラスの方向に積算され、成果が加速されてくると思うんです。 このアニメは勉強になりました。 やっぱりいい本はいい、というのと、どんな場面でも応用力さえあれば先人の知恵を活かすことが出来るという意味で。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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