うららかな休日(その1)
首都高速から見える、皇居のお堀端には、満開の桜の下を歩くたくさんの人々。まるで冬の呪縛から解き放たれたかのように、一日で咲きそろった満開の桜は、うすい桃色に東京の町を染めていました。金曜日の夜のダンス教室でお会いしたTさんも、この週末、山梨大会に行かれるとのことで、いろいろお話ししているうちに、ある重要な情報を教えていただきました。「信玄公祭りで、道路規制があるらしいよ。」武田信玄と騎馬部隊、総勢1,600人による時代行列やパフォーマンス等が展開される、年に一度の大祭で、4月8日から10日のあいだは、甲府駅前を中心に通行止めが予定されているというのです。私たちが、宿泊予定していたのは、甲府駅前のビジネスホテルで、静岡大会の時と同じ、Y家の夫婦が車を出してくれて、4人で一緒に山梨に出かけることになっていました。彼らは土曜日の昼過ぎまで仕事なので、2時半頃待ち合わせをして、ゆっくり出かける予定でした。信玄公祭りのことなど、このときまで全く頭になかったので、念のために調べてもらうと、どうやら私たちの泊まるホテルは、信玄公祭りの真っ只中に位置しているらしく、「駅周辺は全面通行止めだから、4時までにホテルに来て下さい、って言われちゃったよ。どうする?」私は、バックにダンス音楽の流れる教室から電話して、一緒に行くY家の方々と話し合い、交通規制が解除されるまで、近郊のスパでゆっくりするということで話がまとまりました。ユーミンの「中央フリーウェイ」の歌の通り、右に府中競馬場、左にビール工場を見ながら、東京を西に向かって走っていくと、杉林の三多摩地区。Cちゃんと私は花粉症なので、花粉の濃度が上がってきたのに敏感に反応します。「なんか、空が黄色くない?」「こんなところで、車の外に出たくないよね。」妖怪雨降らしのCちゃんも、花粉大攻撃にはなすすべもなく、空には薄日が差して、うららかな土曜日。塩コショウコンビのMさんが運転する車に乗せてもらって、私たちは、窓に広がる春景色をゆったりと眺めていました。(つづく)