カテゴリ:アート
「みやこじ・はなか」と読むのだとばかり思っていたら「つじ・ かこう」と読むのだと知った。 美術館の一階の半分は大観の「生々流転」の展示スペースに 取られてしまい、前期後期と分けての展覧会になったのだろう。 東京展は、この達磨のチラシのせいで人気が今ひとつだが、私 はこの達磨、好きだ。隣に展示してあった「寿仙図」もいい。 マンガのようなとぼけた絵は親近感に溢れている。 白鷺城もいい。下部の白いもやもやは帝展に出展した際に塗り つけられた墨を隠したもの。なるほど、それで上下に切られた ため、揮毫が2箇所あるのか。 初期の作品では「水底遊魚」がいい。六曲一双の屏風の左隻は、 「海底」、右隻は「湖底(あるいは川底)」となっている。双方 とも左上に岸壁になっている同じような構図。海水魚と淡水魚 が泳ぎ、水中植物がそよぐ。かすれたブルーの色調で幻想的な 絵だ。 やはり、初期の六曲一双の屏風「濤声」。鮮やかな金屏風の金色 にはじかれた青い絵の具の波。白い波しぶきが飛び、いきなり 黒い大鷲が現れてびっくり。 あまりにも画風が変わっていくので、真面目さを大切にする日 本画壇では、高い評価がなされなかったのかもしれないと勝手 に思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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