カテゴリ:アート
ちょうど渋谷に用事があったので、初日に観覧することができ
ました。展覧会のネーミングからカップルばかりかなぁと恐れ ていたのですが、逆にカップルなぞほとんど見かけず、男女問 わずひとりで見に来ている人が多かったようです。そしてかな り空いていました。 展覧会は、第1章「出会う前のふたり」→第2章「出会いと同 棲の始まり」→第3章「ニースへの旅立ち」→第4章「永遠の 沈黙」と、まさにふたりの出会いと悲劇そのまんまの構成内容 となっています。 「20世紀絵画史上最大の悲劇」などのキャプションはありま したが、心配していたように芸能ニュース的薄っぺらさはなく、 全体的にはふたりの創作過程を追う真摯な展示となっていて、 好感を持ちました。 モディリアーニの多くの人物画の作品を見ることができ、大満 足でした。特に「大きな帽子をかぶったジャンヌ・エピュデル ヌ」には、感動を覚えました。彼にとって、ジャンヌは聖母マ リアなのだと実感できます。 ジャンヌ・エピュデルヌは、画学生だったということは知って いたのですが、これだけまとまった作品をはじめて見ました。 多くはデッサンですが、キュビズムっぽい作品や幻想的な作品 があって楽しめました。情緒感たっぷりのモディリアーニの油 彩と比べてしまうと、かわいそうなのですが、鮮烈な色彩で描 かれた作品など目を見張るものもありました。 そして、やはりラストの悲劇になるわけです。ジャンヌの描い た「病床のモディリアーニ」のデッサンなど、身体を丸めて苦 しんでいるモディリアーニを見ていると胸が痛くなります。 会場の最後に展示されていたのは、ジャンヌの描いた4枚の水 彩画です。この作品がいつの時点で描かれたのかは分かりませ んが、(モディの死後、ジャンヌの自殺までの48時間の間かど うか)、衝撃的な作品でこの展覧会は終わります。 そのなかの1点「モディリアーニとジャンヌ・エピュデルヌ、 ニースにて」。↓ Bunkamuraの宣伝紙には、「ニースでの幸福なシーンを描いた ジャンヌの作品。瞳を青く描いたモディリアーニの影響が至る ところに感じられる一作だ」と紹介されています。ところが、 展覧会場でのキャプションによると、この絵の中には「死」の 暗示がいくつか描かれているとのこと。それが何なのかは、実 際に展覧会に行って確認してください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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