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つまずく石も縁の端くれ

つまずく石も縁の端くれ

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2007年08月10日
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カテゴリ:アート
麻田浩展.jpg

memeさんのブログで初めて知った画家。新潮文庫の松本清張
「ゼロの焦点」の表紙を描いた画家ということで愛着を感じた
こともあって、出かけてみた。

びっくりした。この人の絵をどう表現したらいいのだろう。初
期の作品こそ、まったくの抽象画であるが、その後の大部分の
作品は、対象はリアルに描かれ、何が描かれているのかよく分
かる。シュルレアリスムっぽくもあるが、それぞれの絵の全体
像は分かりやすい。

水滴、羽、糸、網、リボン、虫、針、ウズラの卵・・・・など
が記憶に残る。ホームページの解説を読むと「絵画による造形
詩というべき静謐な心象風景世界」を描いたとあるが、なるほ
ど、どの絵の前にたたずんでも、そこでは時間と音が止まった
空間であった。私がこれらの絵の前で連想したのは、先日亡く
なった太田省吾の「水の駅」という無言劇であった。

まず、入り口前の「地・洪水のあと」。これは、通り過ぎても、
また戻って眺めたくなる。変な例えだが、のどに魚の骨が刺さ
って、気になって仕方がないというような感覚。見ていると、
心臓がカサカサとしてきて、しばらく軽い痛みというか痒さと
いうようなものが残っているような感覚にとらわれる。Meme
さんは、「荒廃した世界の中、地中に沈んでいくような感覚」と
表現されていたが、まさにその通り。

東京オペラシティーアートギャラリー蔵の「御滝図(兄に)」は、
那智の滝のように見える。日本画家の兄、麻田鷹司の没後に捧
げた絵らしい。写真のようにも、または日本画のようにも見え
る。応挙の掛軸のようなダイナミックさを感じる。それでいて、
一瞬、音が止まった静寂さを感じる。この滝の絵も印象にずっ
と残るだろう。

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近代美術館の4階のコレクションギャラリーでは、父麻田辨自
・兄麻田鷹司の日本画が展示されていて興味深かった。

もうひとつ、なんと目前のフィラデルフィア美術館展で眺めた
ばかりの、マティスの「青いドレスの女」の別バージョンであ
る「鏡の前の青いドレス」があって、びっくり。思わぬ収穫で
あった。





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最終更新日  2007年08月13日 07時05分43秒
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