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つまずく石も縁の端くれ

つまずく石も縁の端くれ

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2009年04月29日
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カテゴリ:アート
浮世絵 ベルギーロイヤルコレクション展.jpg

やっとベルギーロイヤルコレクションが戻ってきた。
昨年の太田記念美術館で見たものもいくつか
かぶっているが、太田で買った手元の図録を引き
出して見ると、ほとんどの作品が初見。

どうもこの手の浮世絵を見ると、東博の常設展の
作品が見劣りする。

特に今回一番感じたのは、国芳の水滸伝のシリーズ。
水滸伝はあちこちで見ているのだが、経年劣化の
ため、色がくすんで見づらく、多くの人が言うよう
には素晴らしく思えなかった。ところが、今回の
5枚の作品。いましばらく前に摺られたような
色の美しさ。だから、描かれているものが細部まで
よくわかる。水中の争いや太い木の幹をこん棒で
たたき割る様子など迫力満点。これで納得。

「忠義重命軽」はよくぞ描いたというべき作品だ。
忠臣蔵の四十七士が「忠義」の文字を担ぎ、「命」の
文字をつまんでいる。この素晴らしき反骨精神。

今回もまた、擬人化された金魚の愛らしい姿に
和まされる。

歌麿もすばらしい。「夏衣裳当世美人・伊豆蔵仕入の
もやう向キ」の朱の萩の柄の着物を着た美人が
いちばん。足元に輪になっている着物がよいアク
セントなって、画面がうまくまとまっている。

次は、「風流式の遊・水無月水売」。水売りの男と
母子。この三人のそれぞれの表情が何とも言えない。

そして、王立図書館の「高名美人見たて忠臣蔵」の
十一段目は必見。朝日新書の「歌麿・抵抗の美人
画」でも取り上げられていた歌麿の自画像を見る
ことができる。羽織の歌麿の紋に注目したい。

勝川春章の「真田与一・俣野五郎組討」は漆黒の
地面に赤と緑のよろい姿の男。二人のいかつい
表情が何と生き生きとしていることか。

そのほか、魚屋北渓の色摺り絵をじっくり見ると、
金銀の模様が浮き出て見える。

鳥文斎栄之の「藤棚下由良之介遊興」の三枚続き。
提灯のかかった富士棚の下、美人たちと本当に
楽しげに遊んでいる由良之介がうらやましいくらい。

写楽の世界唯一の「とら屋虎丸」もよい。

春信を忘れていた。最初に展示されていた「やつ
しかきつばた」の八橋図から、もう圧倒されっ
ぱなし。

会期は5月11日までと短いが、連休中もう一度
出かけなくてはならない。





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最終更新日  2009年04月29日 22時17分21秒
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