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つまずく石も縁の端くれ

つまずく石も縁の端くれ

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2009年08月02日
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カテゴリ:アート
花咲ける妻有
花咲ける妻有 posted by (C)一村雨

越後湯沢からレンタカーを借りて、この土日の二日間、
越後妻有トリエンナーレの各会場を回ってきた。といっても、
たった二日間では、そのごく一部しか行けなかったのだが。

今回は、空家・廃校プロジェクトの会場をメインに回る
心づもりで、辺鄙な場所を中心にでかけた。

しかし、この地域は空家はもとより、廃校が多いことには
驚いた。鉄筋造りで、しっかりした学校も多い。なかでも
平成5年に建てられて、昨年度廃校になった旧清津小学校は、
わずか15年。最後は、たった3人の子どもしかいなかった
そうだ。まだまだ新しい現代的な開放感のある校舎を今後
どう使うのか。その反面、郷愁を誘う昔ながらの木造校舎の
学校もある。地域のコミュニティの核だった学校が無くなる
のは哀しい。

いくつか、印象に残った作品について記す。

最後の教室
最後の教室 posted by (C)一村雨

クリスチャン・ボルタンスキー+ジャン・カルマンの「最
後の教室」。わらの敷き詰められた体育館に無数の裸電球が
垂れ下がっている。蛍のようでもあり、人魂のようでもある。
わらの匂いが強烈だ。校舎の暗い廊下を歩くと、壁には何
やら黒いパネルが飾ってある。不気味な雰囲気。階段を
上がると理科室では、心臓の鼓動に合わせて裸電球が明滅
する。教室には棺桶を連想させるオブジェが多数。積み重
ねられた子どもの衣装が、かつて人がいたことを思い起こ
させる。

枯木又プロジェクト
枯木又プロジェクト posted by (C)一村雨

京都精華大学の学生たちの「枯木又プロジェクト」。こちらは、
昔ながらの木造校舎の分校跡。小さな体育館にこの学校の
ミニチュアが吊り下げられている。その下にはトラクターが
ある。ほのぼのとする展示がとても心に滲みた。

旧清津小学校
旧清津小学校 posted by (C)一村雨

真新しいまま昨年廃校になった小学校を舞台にした「富山
妙子の全仕事展1950~2009」。この画家は知らない方だっ
たのだが、教室を回るたびに驚きの連続。日本の戦争責任
などをテーマにした強烈なメッセージと、鮮やかな民話
的・風俗的な絵画表現にぐさっと心をえぐられた。今年88歳に
なられるとのことだが、精力的に活躍されているそう。
まったくもって、ぶれない一貫とした姿勢には感服。
しばらくこの人の衝撃から立ち直れそうにない。

脱皮する家
脱皮する家 posted by (C)一村雨

廃屋をアート空間にした展示も多い。日大芸術学部彫刻
コースの作った「脱皮する家」はスゴイ。建物の柱から
床から壁から梁から、いたるところすべて、彫刻刀で削ら
れている。手で触るとノミの跡が心地よい肌触り。床の
一か所に最後に収れんされていく彫跡が素敵だ。学生の
パワーは素晴らしい。

みしゃぐち
みしゃぐち posted by (C)一村雨

古郡弘の「胞衣 - みしゃぐち」という建物。インドか東南
アジアの小屋を思い起こす不思議な空間。胞衣(えな)とは
胎児を守る胎盤を意味するようだが、宗教的儀式のために
作られたもののようでもある。日本の農家の集落のはずれに
このような建物があること自体がミステリーっぽくって
楽しい。あいにくの天気だったので、長居できなかっのが
残念。何だかわからない空間にぼうっとたたずんでいた
かった。

途中で出会った老夫婦。ひょっと覗くとパスポートの300
か所、ほぼいっぱいにチェックしてあった。若者の力と
ともに高齢者の力も実感。大地の芸術祭、この夏、最高の
思い出。





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最終更新日  2009年08月03日 21時06分35秒
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