カテゴリ:アート
はるかはるか昔。池袋や渋谷のパルコが元気だったころ、 この画家のポスターが使われており、一世を風靡したこと と思う。若かりし自分の潜在意識に刷り込まれていた。 こうして30年ぶりに出会い、はじめてレンピッカという 画家について知ることができた。 キュビズム的な構成。広い色面。光り輝く色彩。なめらか な表現。絶頂期の30才前後に描かれた数々の絵は、圧倒 的な魅力にあふれている。 「初めて聖体を拝領する少女」。白い交響曲と呼ばれている そうであるが、その白く輝く衣装には、目を奪われるばかり であり、しばらく絵の前を立ち去りがたかった。 また、人物像の背景に見られるキュビズム的な表現。特に 摩天楼の光景などが、都会の憂愁の中で生きる主人公という ような演出のように感じられ、味わい深い。 その後、うつ病に苦しむようになってからの宗教的な絵 や貧困を描いたショッキングな作品もよかったのであるが、 作品数は少なかった。このあたりの宗教画はどことなく 晩年のフジタの絵と似ているなぁと感じた。 アメリカに移住してからの作品もシュルレアリスムっぽい 作品や伝統的な静物画など幅広作風が見れれるが、それは この画家がもはや忘れ去られた存在になってしまったとい う現実でもあるのだろう。 70年代に再評価されてからは、かつて絶頂期だったころ の自分の絵の模写をしたり、抽象画を描いたりもしている。 天はニ物を与えずというが、美貌と才能を兼ね備えたレン ピッカ。同性愛にも走り、私生活はいろいろと賑やかであ ったようだが、長寿を過ごすことができ、晩年の顔つきは 風格にあふれていた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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