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LOOK 595 ULTRA

 
  
 2007 LOOK 595 ULTRA(BK)
 
  

購入までの軌跡

すでに(入門用とは言え)ビアンキを持っていて、何ゆえもう一台ロードを買ってしまったのか。なんというか、ヤケ酒ならぬ「ヤケ買い」ってやつである。何にヤケを起こしたかというと、二年続けてホノルルセンチュリーライドに参加できなかったことだ。仕事の都合とはいえ、今年こそはと胸に秘めていただけに憤懣やる方なく、しばらくヤケジュースをあおる日々が続いた(エンゾーは下戸)。

そんな時ヤフオクに出ていたのが、このLOOK 595 ULTRAである。デュラエースにキシリウムSLまでアッセンブルされている割に、ありえないような安値が設定されていた。エンゾーの手元には、渡航費用が丸々残っている。危険な状態だ。
この時、出品された方のコメントは次のようなものだった。

「どうしても欲しくて買ったものだったのですが、いざ手に入れてみると盗難が怖くてコンビニにも乗っていけないので、諦めます」

出たばかり&買ったばかりのハイエンドモデルを、ほとんど乗らないままいきなり売り払ってしまう人がいることに驚きを禁じ得なかったが、その時は「LOOKのハイエンドなんて、俺には猫に小判だろ」と自分に言い聞かせ、鋼の意思で入札を見送った。決戦用と嘯いてみたところで、ホビーレースであるセンチュリーライドに分不相応なバイクを持って行く必要性は皆無である。

ところが、話はこれで終わらなかった。大きな物欲の波を乗り切って少しガッカリ安心したのも束の間。わずか一週間後、予想だにしない事が起こる。なんと、くだんのLOOKを落札した方が電撃的に再出品したのだ。曰く、
「フレームを傷つけるのが怖く、前のオーナー様のお宅から私の家までの帰り道しか実際乗車しておりませんので私は10km程度しか走っておりません」

一体何が起こっているんだ?このLOOKはオーナーたちを次々に弄んでは捨てて行くではないか。とんだジャジャ馬である。どうやら高嶺の花は、手に入れたその後も、所有者にプレッシャーを与え続けるようだ。こんなものに手を出したら、きっと使いこなせない自分に怒り、嘆き、自信を喪失し、ついには自分も同じ轍を踏むのではないかと恐れおののいた。

実のところ、オークションでLOOKに目が止まったのにはもう一つ理由がある。アルミ全盛時代から引き続いている、極太チューブを使用した剛性最優先のデザインが、エンゾーはいまひとつ好きになれなかった。残念なことに、それは所有するビアンキとて例外ではなかった。
そこへ行くと、TIMEやLOOKが細いチューブを使って生み出す繊細な三角形は、贅肉を極限まで削ぎ落としたデザインで、とても魅力的だったのである。

結局、ついに2度目の物欲の波には逆らえず、晴れてエンゾーはLOOKの落札を果たした。


さて、このLOOKには、中古であるがゆえにいくつか問題があった。まず、初代オーナーは(残念ながら)エンゾーよりもほんの少し足が長かったらしく、そのままではシートの位置がベストポジションよりも2cmほど高かった。さらにオーナーは生真面目な方だったようで、フォークコラムがギリギリまで切り詰められていたため、ハンドルの位置が低く、やたらと前傾がきつかった。

だったらシートポストを下げればいいのだが、595はインテグレーテッドシートポストを採用している。つまり、オーナーの足の長さに合わせて不要な部分を切断しなければならない。ところが、595を新品で買うと必ずセットでついてくるはずの「ソーガイド」と呼ばれる切断補助工具が同梱されていなかったので、ポストを切りたくても切れないという事態に陥ったのである。

めぼしいショップに片っ端から電話を掛けたが、ソーガイドなしで595のポストを切ってくれと言うとどこも尻込みし、「ウチでは出来ません」と断られまくった。やはり自力で何とかするしかない…。
結局、二ヶ月ほど悩んで無い知恵を絞った挙句、L字型の鋼板2個を互い違いに組んだ間にシートポストを挟み、それをCクランプで固定してソーガイド代わりにしてノコギリで切るという荒技を思いつき、なんとか無事に切断することが出来た。切り終わったときには、背中と手のひらに嫌な汗をかいていた。
まあ最悪、595には2cm分のエクステンションがオマケで付いてくるので、たとえ切り過ぎても伸ばす方は簡単だ。

      
      これがホームセンターで用意したモノ。しめて800円。

      
      恐怖の切断作業。よくポストが割れなかったものだ。二度とやりたくない。

一番の問題点が解決したので、ついでにハンドルをデフォルトのクラシックタイプからDEDAニュートンのアナトミックに変更、ステムを100mmから80mmに短縮して、より乗りやすく改良した。

こうしてようやくポジションを出すことが出来たわけだが、乗ってみると、やはり595ULTRAは超戦闘的なフレームであることが良く分かった。路面から伝わってくる情報がストレートで、やたらと硬い。定評のあるストレートフォークはピーキーなイメージで、コントロールには若干気を使う。しかも車体が7kgを切るのでスカスカと軽く、きちんと回すペダリングを心がけないと、フレームの持つ「ウィップを推進力に変える特性」をうまく使えないどころか、サドルの上で尻が暴れる結果を招く。

ホイールも含めて超軽量に仕上がっているので、とにかく回し続けないとすぐにスピードが落ちる。エンゾーのような脚力も持久力もないユーザーには、明らかにオーバースペックである。せめて40km/hで10分間くらいは維持できる心肺機能を獲得すべく、日夜通勤でもがいている。

P.S.
さすがにコイツにはスタンドは付けてませーん。


  
  落札直後の状態。膝が伸びきってしまうほどピラーが長い…(鬱)

  
  現在。下ハンドルを持たないエンゾーには、こっちのポジションが好み。

  


後で買い足したもの
            ステム(Deda ZERO100 SERVIZIO CORSE31 80mm)
            ハンドル(Deda Newton Super Over 420mm)
            サドル(SPECIALIZED ALIAS 143mm)
            ペダル(SHIMANO PD-A530)
            サイクルコンピュータ(VDO)
            前後ライト(TOPEAK HighLite Combo)
            ボトルケージ(TOPEAK)
            ポーチ(TOPEAK)

              
パーツデータ
 
Frame        LOOK 595 ULTRA
Fork         HSC 6 SL
Main Component SHIMANO Dura Ace
HeadSet      HPC Carbon
HandleBar     Deda Newton Super Over
Stem        Deda ZERO100 SERVIZIO CORSE31
Brakes       SHIMANO Dura Ace
Crankset      SHIMANO Dura Ace
Cassette      SHIMANO Dura Ace
Pedals       SHIMANO PD-A530
Wheels       MAVIC KSYRIUM SSC SL
Tires        MICHELIN PRO2 RACE,700x23C
Derailleurs R/F  SHIMANO Dura Ace
Shifters       SHIMANO Dura Ace
Saddle       SPECIALIZED ALIAS 143mm
Size        51
Color       BLACK

フレームサイズ           510mm
シートチューブ長          470mm
トップチューブ長(水平)      530mm
トップチューブ長(実測)      517mm
ハンガー下がり           58mm
シートチューブ角度         74.5
トップチューブスローピング角度    5







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