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自由、平等、博愛
経済・国際問題評論家 吉永俊朗 10月末から始まったフランスでの移民の若者達の暴動は、11月に入りフランス全土に拡大し、非常事態法が発動される由々しき事態までに拡大した。この事件を巡り、「フランスが掲げる自由・平等・博愛は幻想なのか」とか、「自由・平等・博愛のフランス精神はどこに行ったのか」などの論評が目に付いた。しかし、残念ながら「自由・平等・博愛」の意味まで掘り下げた評論にはお目にかからなかった。 そもそも、「自由・平等・博愛」という標語が欺瞞だらけなのである。第一に、日本語訳が誤っているため、日本人は「博愛」の意味を取り違えているのである。「自由・平等・博愛」はフランス語の「liberteリベルテ・egaliteエガリテ・fraterniteフラテルニテ」の訳だが、「fraternite」(英語ではfraternity)の意味するところは「兄弟愛、同志愛、友愛」である。「フラテルニテ」は博愛ではなく、「兄弟愛、同志愛、友愛」なのである。本来の意味は博愛ではなく仲間愛であるから、暴動が起きても当然と解釈されよう。 第二に、自由と平等は両立しないのである。人間の自由を尊重すれば、個人の能力や努力の結果、必ず不平等が発生する。結果としての平等を重視すれば、個人の自由は束縛される。自由主義と平等を志向する社会主義は相容れないのである。 第三に、「リベルテ・エガリテ・フラテルニテ」という標語は、フランス革命を指導した政治家ラファイエットにより作られたが、ラファイエットはフリーメーソンのメンバーだった。だからこそ「仲間愛、友愛」なのである。ラファイエットに限らず、フランス革命を指導した中心人物の多くがフリーメーソンだった。フランス革命は、ロシア革命やアメリカ独立同様、フリーメーソン主導なのである。フランス革命がフリーメーソン革命であったことが一目でわかる証拠が残っている。有名な「人権宣言」である。人権宣言の一番上に、天使が指し示す「三角形の中の光る目」が描かれている。この目はオール・シーイング・アイ(万物を見通す目)と言われ、有名なフリーメーソンのシンボルマークである。このマークはいろんなところに登場する。よく知られているのはアメリカの1ドル紙幣だ。紙幣に描かれたピラミッドの上に、人権宣言同様「三角形の光る目」が睥睨している。驚いたことに愛知万博の開会式でも、この目が空中を舞ったそうだ。 東京商工リサーチ「TSR情報」(平成17年12月22日号) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005.12.29 08:47:42
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