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翔太FACTORY倉庫

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超重神グラヴィオンcross大戦 第3話

 モリビト2号機との戦いの最中に蘇った電動のおかげで古代人機を退けることができたが。すぐさま6体のガルファ機獣が上空から現れた。

「そ、そんなまだ敵が!?」

 赤緒は毒づいた。だが迫りくるガルファ機獣はモリビト2号機を無視して蒼き巨人電動にむけ攻撃を仕掛けた。電動は二人の子供を守るようにガルファ機獣の攻撃を受け止め。

「えっ!?守ってくれた」

「な、なんでだよ」

 電動は胸のハッチを開閉させ二人の子供を収容した。二人の子供が電動に入ると同時GERA本部と通信がつながり。

 最初は驚きのあまり戸惑っていた二人だがベガという仮面を被った女性に電動の操縦方法などを教えてもらい。

「(さっきみたいに光が見えない……どうして?)」

 赤緒はどうにかぎこちないながらもモリビト2号機を操りながら星見町への攻撃を身を持って防いでいた。

「駄目っ。このままじゃいつかやられる」

 銀河と北斗がお互いのギアコマンダーを所定の位置に差し込むと。電動のフェイスガードが上に上がり。電動が真の姿を現した。

「やばいぞ北斗!!あのままじゃあのロボットが……」

「銀河君さっき使っていた拳法を使おうよ!!あれならあのロボットを助けられるかも」

「お、おう」

 電動は足のタービンを使い。ガルファ機獣との間合いを詰め。

「旋風回転脚!!」

 電動が銀河の動きをトレースしたかのようにガルファ機獣に旋風回転脚をガルファ機獣に喰らわし破壊した。

「た、助かった……」

「やったよ銀河君」

「けど敵がまだうじゃうじゃいるぜ」

 電動が倒したのは6体いた内の1体を倒したにしか過ぎなかった。電動のコックピットにベガと名乗る女性から通信が入り。

「SP1コマンドをインストールするのよ!!銀河君!北斗……君」

「SP1コマンド?」

「さっきの説明聞いていなかったの」

「だってよ難しくてわかんなかったんだからしょうがないだろ」

「だったら僕の言う通りコマンドを入力して」

「わ、わかった」

「「SP1コマンドインストール」」

 北斗に促され。銀河は言われた通りギアコマンダーにコマンドを打ち込みインストールした。すると電動は上空に舞い上がり。タービンを高速回転しながら電動自体も回転し。

「「閃光雷神撃!!」」

 二人の声はハモった。

 閃光雷神撃は残りのガルファ機獣をすべて殲滅し。跡に残ったのは古代人機とガルファ機獣の破片だけであった。だがほっとしたのもつかの間であった。

「……貴様は誰だ」

 赤緒が声のするほうを振り向くと空を浮遊している人機がモリビト2号機に構えをとっていた。

「あ、あれはシュナイガートウジャ!?なんでよりによってこんな時に…!!」

 ベガは1人聞こえないように呟いた。

「だ……誰って……あなたの方こそ誰なの!?」

「(やはり八将陣のバーゴイル。どういうことだ何故機能が停止している!?)」

「(また見える!!さっきの敵には見えなかったのに……)」

「これは貴様がやったのか!?」

「そ、そうよあなたもそいつらの仲間なの?」
 赤緒がシュナイガートウジャを指差すと。シュナイガートウジャの操主の声に殺気がこみ上げ。

「今……なんて言った……?もう一度言ってみろ誰がこいつらの仲間だって…!?八将陣は私の獲物だ一匹たりとも逃さない……邪魔する奴もな!!」

 シュナイガートウジャは背中を翼を震わモリビト2号機との間合いを一瞬で詰めた。武装しいるライフルでモリビト2号機に向け攻撃した。シュナイガートウジャが何発も撃っている間。モリビト2号機はどうに右手に装備されているシールドで防ごうとしたが。シールドで防いだ弾丸が星見町に降り注いでしまった。

「(しまった)」

「北斗!!」

「わかっているよ銀河君!!」

 電動はタービンを震わせ。降り注ぐ弾丸との間合いを詰め。ギアコマンダーにコマンドを入力した。

「「閃光雷神撃」」

 ガルファ機獣を破壊した技をぶつけ弾丸を破壊した。電動がシュナイガートウジャに振り向き。

「テメェーふざけんなよ!!」

「僕たちの街を壊させたりなんかさせない」

「お前たちも私の邪魔をするのか」

 シュナイガートウジャの操主は先程と変わらない口調で電動にも言い放った。銀河はシュナイガートウジャから放たれる異様な殺気を肌でビンビン感じていた。

「(こ、こいつはやばいぞ)」

「銀河君!!さっきの旋風回転脚を」

「お、おう!任せろ!!」

 電動が足のタービンを使い。シュナイガートウジャとの間合いを詰めようとしたが。電動は音もなくその場に倒れこみ。フェイスガードが電動の顔を覆った。

「くそー!!何で動かねぇんだよ」

 銀河は毒づきながらも。コンソールパネルを叩いた。

「ごめんなさい。銀河君!北斗……君。電動にはただ動くだけのエネルギーし
か入っていなかったのよ」

「そんな……」

「どうしたこないのか……ならばこちらから行くぞ!!」

 シャナイガートウジャの操主の殺気……いや憎悪が膨れ上がり。シュナイガートウジャは翼を震わせ上空に舞い上がった。シュナイガートウジャは全火力をモリビト2号機と電動に放った。

「受けよ我が洗礼……アルベリッヒレイン」

「うわああっぁ」「ああぁぁぁぁあ」

「きゃあぁぁぁぁ」

「止めだ!!受けよ銀翼のUNSEELIE COURT」

 さらにシュナイガートウジャは全火力を放出した反動を利用し一点に絞ったエネルギーをモリビト2号機と電動に直撃させた。UNSEELIE COURTの破壊力はは両機とも完全に破壊するまでには至らなかったが。機能の大半が使い物にならなくなった。

「あっあ、あ、あ、あ、あああぅぅあ」

 北斗と銀河はUNSEELIE COURTの衝撃で気を失い。赤緒は薄れゆく意識の中。

「今日は見逃してやる……だが次に会った時は容赦はしない覚えとけ」

 そう言うと謎の操主とシュナイガートウジャは空の彼方に消えていった。そこで赤緒の意識は完全に途切れた。




 あの後。ガイがファントムガオーで駆けつけたがすでに戦いが終わっていたため。ガイはGGG万能力作驚愕艦のカナヤゴで星見町の修復を行うと同時に。電動とモリビト2号機のパイロットをGERAの基地に運んだ。3人は幸い軽い軽症ですんだのが奇跡的であった。
 
 オービットベースに待機していたグラヴィゴラスも地球に帰還し。グラヴィゴラスモードからサンジェルマン城モードに移行した。1年振りに、実質は1ヶ月だが時間の流れが違うため1年振り元の位置に戻った。
 
 そしてアースガルツが地球に帰還してから1週間が経っていた。この1週間の間、黒き電動・オウガの襲来、グリムズ協会の暗躍、秘密犯罪組織バイオネットによるQパーツの奪取などがあったが。新たに得て電動の力やGGGのお陰でどうにか切り抜けていた。だがグラヴィオンは出撃していなかった……。

 サンドマンはこの世界が混ざり合った状況を打開するため。それぞれの代表をサンジェルマン城に招待し。会合と言う口実でちょっとしたパーティーを開いた。

「もう大丈夫だ。エイジは形相情報を元に完全に再生させた」

 青い髪に紫のリボンを付けた少女ゼフィリスが呟いた。これでもゼフィリスは『終わりの魔獣』と言われたドラグーンである。

「ありがとうゼフィリス」

 疲れた口調でアヤカがゼフィリスに会釈した。会釈したアヤカの眼の下にはうっすらと隈ができていた。彼女はここ1週間ほどほとんど眠っていないのだ。他のメイド達がアヤカに睡眠をとるよう進めるが彼女の意思が強く今までずっと起きていた。アヤカの傍らには琉菜、斗牙、チビッ子メイド達は疲れたててか壁にもたれながらスヤスヤと寝息をたてていた。

「ほんとうはもう少し早く再生させたかったが、エイジの体内にある何かと私の力が反発したせいか時間がかかってしまった」

「…………」

 アヤカは言葉を返さなかった。アヤカはホットしたのかその場に電池が切れたかのように座り込み寝息を立てていた。

「無理もないか……ほとんど眠っていなかったのだからな」

 ゼフィリスはそう言うと。アヤカ達にシーツをかけその場を後にした。

 サンジェルマン城で開かれた会合にはGGGからは大河長官と獅子王凱、獅子王雷牙、GERAからは渋谷長官とベガ、アルヘンからは黄坂南、ザフト・オーブからはギルバート・デュランダルとカガリ・ユラ・アスハとアスラン・ザラ、ラインヴァン王国からはフォルシス・ラインヴァンとクリストファー・バインラッハとシャノン・カスール、そしてEFAからは大統領が参加した。

 シャノンはめんどくさそうにしながら会合の話を聞いていた。シャノンはゼフィリスがサンジェルマン城に居るということで同行しただけであった。

「シャノンっ」

 シャノンの後方から声と共に空間が揺らぎゼフィリスが現れた。

「終わったのかゼフィ」

 当たり前のようにシャノンがゼフィリスに言葉を返した。その場にいた皆は現れたゼフィリスには差して驚かなかった。むしろ興味津々で質問するぐらいであった。そしてゼフィリスも加わり話は進められた。




 その頃。リィル、エィナ、買出しメイド班は皆に出す料理の材料を買いにラインヴァン王国に来ていた。買出し班は食材を、リィルとエィナは薬草を探しにそれぞれ別行動を始めた。リィルとエィナは薬草を探している途中に人込みに飲み込まれ離れ離れになってしまった。

「エィナさん。どこに行ったのかしら?」

 リィルがエィナを探すように人と人との間をかけ分けて歩いていると。鎌を持った白髪で顔が潰れた男性……カリスとすれ違った。

「見つけた」

 カリスは呟くと。リィルの方に振り返り指をパチンと鳴らした。すると地面からゾール(虚無が作った人造人間)が現れ。街はパニックに陥った。

 王宮ではラクエゥルのアスガルドの結界がゾールを捕らえていた。アスガルドとは一種の警戒用魔法。生物以外の者全てに反応するというシロモノである。

「あら……まぁまぁ」

「どうしたのラクエゥル姉?」

「アスガルドが奇妙な気配を感知したのよ……それもとても嫌な気配を」

 ラクエゥルと呼ばれた艶やかな黒の長髪と潤んだような黒い双眸でどこか童女のような感じが残るシャノンの双子の姉である。ラクエゥルはパシフィカに振り向き。

「ちょっと見てくるわね♪」

 ほわほわとしながらラクエゥルは街に向かおうとしていた。【フィンブルヴェトル】を着込んで。【フィンブルヴェトル】とは一言で言えば魔法用の増幅器。人の持つ魔法の意識要領を極端に増やすことが出来る一種の道具。

「ラクエゥル姉……なんでそれを着ていくの?」

 パシフィカが不思議そうにラクエゥルに聞くと。

「それはもちろん何かあったときにスーピィーくんを呼ぶためよ♪」

「……そうですか……」

 パシフィカは呆れてそれ以上突っ込む気が起きなかった。




 リィルは森の中を逃げていた……持てる力を振り絞り。何故追われているは分からないがとにかく逃げていた。後ろから追いかけてくるゾールから。

「ハァ…ハァ…ハァ…あの人たちはなに…?なんで私を追いかけるの」

 リィルは必死に逃げていたが。エイジに付っきりだったため寝不足ですぐに息が上がり。その場に倒れ込んだ。

「逃げても無駄だぜ……」

 カリスの眼にはもうリィルの体しか映っていなかった。

「なんで……なんで私を追いかけるのですか?」

(「なんだよシバいきなり呼び出しておいて……」)

(「命令を伝えにきた」)

(「なんだよこの写真は?この女がどうかしたのか?」)

(「この女の心を犯せ……心の全てを犯すのだ!!どうするかはお前に任せる女の扱いは得意だろ」)

(「そういうことなら任せろよ」)

「安心しな。別に殺したりはしねェ……ただ死んだ方がマシって思うかもな!!」

「!?」

 カリスはリィルに馬乗り(マウントポジション)し両足でリィルの両腕を押さえ込んだ。カリスは両手でリィルの服を引きちぎった。カリスの眼はもはや狂気に満ちていた。

「いやあぁぁぁぁ~!!」

「そうだ!!もっと泣け……もっと泣けよ!!じゃないとすぐに殺しちまうぞ」

「きゃぁぁぁぁぁぁぁ」

 リィルの声が木霊した。リィルは最初は抵抗していたが強化人間のカリスの力には及ばすしだいに抵抗する気力も失せていった。

「抵抗するのをやめたか……じゃあ……そろそろ」

『壁よ・阻め』

 突如、女性の声と共に不可視奇な壁がリィルとカリスの間に入り込み。カリスはその不可視奇な壁に顔をぶつけた。

「いてっ!!?な、なんだこれは!?」

 木の木陰から【フィンブルヴェトル】を着込んだラクエゥルが現れた。

「なんだテメェは!?」

「そういうあなたはなにをしているのですか?」

「けっ!!テメェには関係ないことだよ!!邪魔するならテメェからやるぞ!!」

「そうですか……あなたはの様な人は女の敵ですね。今すぐその子から離れなさい……さもないと」

 ラクエゥルはほわほわしながらもカリスを見据えていた言い放った。

「さももないと何だよ」

「滅ぼします」

「けっ!!やれるもんならやって…………」

 カリスが言い終わる前に。ラクエゥルはすでに連動式起動呪文を発動させていた。

『雷槌よ・撃て』

 カリスの横に生えていた木がラクエゥルの放った雷で跡形もなく消滅した。カリスはそれを横目で見て。

「テメェ何しやがった?」

「もう一度言います……その子から離れなさい」

「けっ!!ふざけんなゾール!!あの女を殺せ!!」

「引いてくれないのですか……」

 ラクエゥルは嬉しそうに呟くと同時に最凶呪文?を発動させ。

『其は魔獣・終わりの魔獣・炎と雷を統べるもの・パン屋さんの戦いにて決戦の力を示すものよ・我と盟約の元に・いでよ・たくさん』

 ラクエゥルの呪文で現れた半自立型魔法スーピィーくん。外見はデカイ頭部にトサカの鬣左右には申し訳ないほどの角が生え。眼は思わずこじ開けたいほど細く手足はとても短く、右手にはピコピコハンマーを持っていた。

「んごー?」

「んごー!!」

「あぁぁん……可愛い♪スーピィーくん……」

「テメェふざけてんのか」

 カリスはラクエゥルを睨みつけたが。お構いなしに無視というか自分の世界に入っていた。リィルはもはや放心状態でその場にたたずんでいた。

「スーピィーくん♪いきなさい」

 スーピィーくんは手をパタパタさせながらゾールに突撃した。スーピィーくんがゾールに触れたとたんゾールは蒸発したかのようにスーピィーくんと共にその場から消えうせた。

「なんだと!?ゾールが消えた!?」

「さぁどうします♪」

「んごー!!」

「女なんかになめられてたまるかよ」

「じゃあ滅ぶのですか?」

 ラクエゥルがカリスを追い詰めていたとき。カリスの背後の木陰から刀を携えた目つきの悪い男が涙を流しながらがゾールを片手に現れた。

「おいお前がコイツをけしかけたのはどうしてくれるんだコレ!!最後の食料……とても大事にとっておいた限定品なんだぞ!!」

「はっ!?なに言ってやがる今はお前の相手なんかしてる」

「覚悟はできてるんだろうな!!」

 目つきの悪い男……小河原両兵の殺気もとい食べ物の恨みの念が増幅し。……元はといえばラクエゥルのスーピィーくんの性であるのだが両兵の性格からして女性を疑わなかったのである。

「くそーっ。覚えてやがれお前ら女は全員ただじゃおかねぇんだからな」

「逃がしませんよ♪」

 ラクエゥルは逃げるカリスに向け呪文を発動させた。

『天よ・地よ・その狭間にありし全てのものよ・今こそ等しく・終焉を与えん・我が望み・我が願い・ここに具現せん・我らの盟約の下・さらなる力を・与えん・神も・魔も・ここに滅ぶべし!』

 迸る白い閃光は螺旋を描きながら大気を貫きカリスが逃げた方に放たれた。衝撃は天をも貫き。その威力の余波はラインヴァン王国にまで響き渡った。

 エィナと買出しメイド班はを目印に着てみると。そこには服をボロボロ(ほとんど上半身裸)にされ半ば放心状態のリィル、こぼれたカップラーメンを見つめながらイジケテ泣いている両兵、スーピィーくんと戯れているラクエゥルがいた。

 3人の姿を見る限りでは。ここで何があったかは検討がつかなかった。むしろここで何があったかわかるほうが不思議なほうである。エィナと買出しメイド班が困惑していると馬に跨って一人の女性が現れた。鮮やかな金色の髪をきちんと後ろで結い上げ。眼は蒼色。動きやすい服装で野良猫のような仕草をしているがどこか気品が漂っていた。少女の名はパシフィカ・カスール。パシフィカはラクエゥルを見据えながら。

「ラクエゥル姉!!」

「あらパシフィカどうしたの顔にしわをよせて……そんなんじゃおばあちゃんみたいよ」

「おばあちゃんみたいじゃないー!!」

「あらあら」

「ラクエゥル姉!!いくら街中じゃないとはいえあんなもの森の中でぶっ放して……火事が起きたらどうするつもりだったの!!」

「う~ん……その時はあきらめましょう♪」

「あきらめてどうするあきらめて!!」

 すかさずパシフィカはラクエゥルにツッコミを入れた。パシフィカはすぐ横でイジケテ泣いている両兵を指差し。

「そこのあんた!そうよあんたよ!!女の子が裸にされている時になに呑気に泣いているのよこの助平!!」

 両兵は涙を流しならがパシフィカをジト眼で睨み付けた。パシフィカは両兵の眼を見て少し身を引き。

「なによ……」

「……お前に分かるか……最後の食料を楽しみにしていた俺の気持ちを……うっうっうっうっ」

「ちょっとまた泣かなくったって」

 とりあえ両兵はパシフィカに促がされ。着ていたコートをリィルにかけてあげた。リィルは襲われたショックで気を失っていたが。エィナがやさしく看病しながら要請したグランフォートレスの到着を待っていた。




 リィルがカリスに襲われている頃。サンジェルマン城で会合中に警報音が鳴り響いた。星見町に古代人機が現れ街々を破壊しているという一報だった。

「ガイっ!出動だ!!」

「わかったぜ!!」

「大河長官。ここはアースガルツに任せてもらおう!!アヤカ、グランカイザーの修理は?」
 
 サンドマンの声と共にモニターが現れ。司令室が映し出された。警報音で目を覚ましたアヤカがいつもの所定位置についていた。顔を冷たい水で洗い眠気を一応取り払っていた。

「グランカイザーの修理は完了しているけど。グランディーバはもう少しかかるわ」

「くっ……」

「サンドマンっ!!」

 サンドマンが呻いていると。斗牙がモニターに映り。

「斗牙」

「僕なら大丈夫。グランカイザーで出るよ」

 斗牙は言うと振り返り。棺桶シューターに消えていった。




 星見町を守護する電動はオーバーホール中だったため、赤緒がモリビト2号機で古代人機に応戦した。モリビト2号機が古代人機を相手していると、轟音と共にコレまでとは大きさが違う新たな古代人機が現れた。現れた新たな人機はモリビト2号機を見据え。

「モリビトあの方と同じ機体か……相手にとって不足なし」

「また……新しい人機……!」

 新たに現れた人機の圧倒的な力と……街を破壊させないという思いがモリビト2号機の動きを鈍らせ。あっというまに地に伏せられた。

「……この程度かモリビト2号!!あの方と互角に渡り合った力を見せてみろ!!!」

「…………」

「そういうことか」

「!?」

「失うことを恐れる者に操主などつとまらん!!バーゴイル街を破壊しろ!!」

「ま……待って!」

「ならば私を倒すことだ。そうすればバーゴイルの命令は撤回される」

「ダメー!!」

 赤緒の叫び。バーゴイルが星見町に持っているライフルを向けた。引き金が引かれる寸前。蒼い物体が空を飛行しているバーゴイルを破壊しモリビト2号機の目の前に降立った。

「これも……人機?」

「大丈夫ですか?あとは僕に任せてください」

 蒼い物体……グランカイザーはモリビト2号機を振り返り。

「今度は僕が相手だ」

「ふっ!!モリビト2号よりは楽しましてくれるのだろうな……」

 その言葉が勝負を始める合図となった。グランカイザーが繰り出す拳はことごとく相手の人機に読まれ交わされた。

「貴様の力はその程度か……ならばあの方には遠く及ばん!!」

「くっ……」

 斗牙は悪態をついた。いくらエイジにつきっきりだったたため体調が完全ではないとはいえこうも簡単に攻撃が交わさせるとわ。

「エルゴ・フォォォォォム」

 斗牙は敵の人機と渡り合うためエルゴ・フォームを唱えグランカイザーの真の力を発動させた。

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」

 斗牙は吼え。敵の人機に突撃した。グランカイザーの繰り出した拳は相手の予想を上回り殴り飛ばした。

「はやい!?……ふっははははははははは!!それが貴様の真の力か……ならばこちらも奥義をもって答えねばならん!」

 敵の人機は右手に装備している棍棒のタービンを回転させ。地面に突き立て、突き立てた棍棒ごと相手に振りかざした。

『ゆくぞ我が奥義……地竜陣!!』

 地竜陣は地面を砕き。砕いた破片がグランカイザーを襲った。

「グラヴトンアーク」

 敵の人機の地竜陣をグランカイザーはグラヴィトンアークで相殺した。グランカイザーは背面ブースターで敵人機との間合いを詰め拳を繰り出した。敵人機はグランカイザーの拳に合わせるように拳をぶつけた。ぶつかり合った拳同士は迸る光を生み出した。

「貴様なかなかやるな……だがこれは交わせまい『棍竜旋』」

 タービンで回転させた棍棒をグランカイザーにぶつけそのまま振り切った。グランカイザーは吹き飛ばされビルに激突させると思われたが。モリビト2号機が下敷きになり。ビルは破壊させずにすんだ。

「邪魔をするなモリビトの操主よ我は今楽しんでいるのだ……」

 グランカイザーはモリビト2号機を押しのけ敵人機にさらに攻撃を開始した。

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 グランカイザーが繰り出す拳、蹴りは敵人機を的確に捉えていたが。時間が経つにつれ繰り出す拳と蹴りのスピードが徐々に落ちていった。諸刃の剣であるエルゴ・フォームの多様は斗牙の体力を急速に奪い。立っていられるのがやっとなぐらいまで低下していた。

「ハァ!ハァ!ハァ!ハァ!」

 グランカイザーはその場に膝を突き。

「未熟者が!!自分の力を見余るとは……期待はずれだ!!」

 そう言うと敵人機は体制を低く構え。右手の棍棒を前に構えた。

「見せてやろう!!これが我が力『ファントム!!』」

 人機特有のシステムのもつ早さを最大限に引き出す技の一つ。加速と踏み込みを同時に行うことで音速を超えるスピードを得ることが出来る。グランカイザーは敵人機の『ファントム』と棍棒による高速連撃により叩き伏せられた。

「やめてぇぇぇぇー!!」

「自分の力が分からん者や戦う意思のないものが戦場になのもってのほかだ!!!」

「(つ……強すぎる……私はこんなのを相手しようとしていたの……これが……本当の敵……!!)」

 ここで斗牙と赤緒の意識は途切れた。




 続く



☆次回予告☆
 虚無に連れ去られた斗牙と赤緒
 ついに目覚めるエイジ
 虚無の本拠地への斗牙と赤緒を助けるために潜入したエイジと両兵
 マモルとガイ2大勇者王の大激突

次回 超重神グラヴィオンcross大戦第4話『さらわれた者!!破壊された勇者王』に続く

  






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