3年に渡る期間と、莫大な労力、最新技術のCGをぶち込んで、まさにNHKの本気の映像を魅せつけてくれた「坂の上の雲」が終わりました。
いや・・・これはすごかった。特に203高地の激戦と、最後の艦隊戦の描写は原作が描かれた当時には表現不可能な、生々しさをCGで作る、という矛盾したことを再現し、本当に今の時代だからこそ出来た時代劇だと思います。
で、多くのことを語れるこの作品ですが、私は最後に取り上げられていた「日比谷焼き討ち事件」が印象に残りました。
ロシアに勝ったものの賠償金が取れず、不満のたまる民衆を新聞各社が煽り、デモがきっかけで暴動がおきるという・・・
戦争というのは必ずしも国家が求めるものじゃない、内地で情報だけ見聞きし、英雄物語を聞くだけの人間が勢いに乗じて「もっと戦争を継続しろ!」と騒ぎ立てる。当時の政府の方が「これ以上の戦争は無理!」と冷静に判断していても、身近に戦禍が感じられない人間にとってはそんなものなのだろうと。今でもネットで見る好戦論者などはこれなんだろうな・・・こういう映像で「戦争って(兵器って)カッコイイ!」というリアリティーのみで自分の腕や足が吹っ飛ばされる想像には結び付けられないというか。
もっとも、太平洋戦争でその鼻っ柱を徹底的に叩き潰され、ボロボロになるまでこの状態は続いたのですが。
戦争を求める声は民衆の中にもある。そういう機運を巧みに操り、戦意を高揚させ、指導者になって国家を悲惨な方向に導いた政治家はたくさんいますから。
とにかく、坂の上の雲、という作品で、原作者の司馬遼太郎先生が膨大な資料と記述から何を語りたかったのか?もう一度わたしも原作を読み直そうかと。