私はゲーム作りをする際に「他の似たようなゲームとは違うもの」が作りたいと思っています。
これは、単に自己顕示欲が強いのではありません。というか、ゲームに限らず、映画も漫画も小説も、その他エンターテイメント業界において「○○がヒットしたから似たようなものを作る」ことがとてつもなく危険だと思っているからです。
例えば、前例のない奇抜な作品が大ヒットしたとします。すると、他のゲームメーカーが2匹目のどじょうを狙ってだいたい半年後ぐらいに似たような作品が集中する。当然、シェアの食い合いになっている上に、その頃には本家が新しい作品を出そうとする。当然、ユーザーは本家を買う。どんなにうまく作ってもそれは単なるマネで劣化作品としか思われない。ただでさえ少ない余りのパイを残った類似作品が食い合い、ほとんど売れない。
DSの脳トレブームで似たようなことを散々見ましたが、その時に雨後の筍の如く乱発されたソフトのほとんどは、本家脳トレの着眼点のすばらしさとか、入力性能や基本的構成の作りこみ、宣伝の巧みさには目を向けず、単に「安く簡単に作って大もうけできる」という見方でやったからこそ、屍累々の状態になったのは記憶に新しいところです。
これは日本のクリエイターが海外向けにTPSを乱発して軒並み大失敗しているのにもいえるのですが「本家が売れてる場所に類似品を持っていって「こんなにそっくりです」みたいな自慢をして売れるわけがない」と。
やたらに国内メーカーが海外で売れないことを悲観、あるいは閉鎖的だと嘆くクリエイターの言葉をGDCで聞きましたが、あんたら、任天堂が日本のメーカーであることを忘れてないか?海外向けと称して日本で売れない言い訳を探してないか?と思ってしまうのです。
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう