今度映画にもなるトラウママンガ「闇金ウシジマくん」。闇金のえげつない取立てと、借金を負ったものが落ちていく容赦ない描写に読んだ後にどっと疲れる社会勉強マンガ(?)なのですが。
この作品で、私が一番怖いと思ったエピソードは拷問のような取立てでも、金を貸した側が人の命をおもちゃのように弄ぶ描写でもなく・・・
ウシジマから金を借りた男が、返す金がないからという理由でウシジマの指図で住んでいたアパートの隣の住人に借金を懇願するシーンでした。その人とは何の関係もない、赤の他人なんです。が、玄関先で土下座や狂気に近い哀願で数千円を無理やり借りようとする。アパート住人も怖くなって逃れるために貸してしまうのですが、その様子をウシジマは冷静に見ているという・・・
これって何が怖いって、自分が借金とか闇金というものにまったく縁が無くても、また、その人物がまったくの他人であっても借金の影響がはみ出してくるという(このタイプの取立ては実際にあるそうで)。そこがすごくリアルで怖かったです。
確かに私も、いきなり自宅のドアを叩かれて、何事かと思ったら目の血走った見ず知らずの男が「お金貸して」と狂気の哀願をしつこくされたら・・・貸す、貸さないは別に怖くて仕方ないだろうなあと。
これ以外にもこの作品では、まったく非のない一般人が他人の借金の影響を理不尽に受ける描写があり、そこが怖い作品です。
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