行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。
よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。
世の中にある人とすみかと、またかくの如し。
川の水は絶えないけれど、といって、同じ水があるわけじゃない。
のんびり漂う泡ぶくだって、割れたり他とくっついたりして、延々と現状維持を続けたりしない。
人間といい、その人間の住み処といい、世の中だいたいそんな感じだろう。
(「方丈記」現代語訳ブログより)
TwitterだのFacebookだの世の中の動きは五月蝿く、そして目まぐるしく変化する。
携帯もスマホ全盛の時代が目前だ。
この「楽天ブログ」も、BBS機能が廃止されるなど、一歩後退の感は否めない。
ここ数ヶ月、更新もままならないが、ともあれ、苦節3年、100,000ヒットは一つの節目とも言える。
220件のリポートとあわせ、誰も褒めてくれないので、我ながら上出来と、褒めてあげよう。
いい歳こいて、又新たな一歩を踏み出したいところだが、思案中・・・。
住友化学の「i-農力マガジン」というのを購読している。
自社の農薬の登録情報や適用拡大情報が主で、コマーシャル的要素が強いのだが、合わせて全国の病害虫発生予察情報というものが知らせられるので重宝している。
病害虫発生予察情報とは、水稲や果樹などの農産物に被害を与える、病害や害虫などの発生状況に関して、状況報告や注意喚起のために発表される情報で、各都道府県の病害虫防除所にあたる担当部局の長が、農業改良普及センターや農業協同組合等に対して発表するものだ。
都道府県によって異なるが、深刻さが低い順に予報、注意報、警報、特殊報の4種類があり、少なくとも1ヶ月に1回発表され、ほかに発生の予兆や報告などがあれば随時発表される。
そこに隣の熊本県で「トマト黄化病」という特殊報が発令されたとの情報があった。
特殊報ということは、最も深刻なレベルということになる。
(原子力事故で言うならまさかレベル7ではないだろうが・・・。)
長年トマト農家に打撃を与え続けている例の「トマト黄化葉巻病」と見紛って、心中穏やかではなくなっていたのだが、よくよく見ると、「トマト黄化病」で聞いたことのない病気のようだ。
新しい農薬が次々に開発される事と、新しい病害虫が次々に発生する事、又同じ病害虫でも、耐性や抵抗性が出来て農薬が効かない、あるいは効きにくくなる事はいたちごっこという現実がある。
(農学の分野では、害虫の場合は抵抗性といい、耐性とは言わない。病原菌の場合は主に耐性が使われるが、実際は抵抗性と両方の語を用いるようだ。)
新しい病害虫をいくつか拾い上げてみると、
メロン退緑黄化病(仮称)、キュウリ退緑黄化病(仮称)、キク茎えそ病、トマトすすかび病
、ヤシオオオサゾウムシ、スイカ果実汚斑細菌病、トルコギキョウ葉巻病(仮称)等
いくらでも発見され発生しているのがわかる。
ここで「トマト黄化病」の詳細をみておこう。
1 病害虫名 トマト黄化病
2 病原ウイルス トマトクロロシスウイルス Tomato chlorosis virus (ToCV)
3 発生作物 トマト
4 発生確認の経過
平成23年5月に熊本県内の平成22年産冬春作トマトほ場において、下位葉より黄化症状を呈する株が確認され、新規ウイルスによる病害が疑われた。
そこで、生産環境研究所および宇都宮大学で遺伝子診断を実施したところToCVが検出され、トマト黄化病であることが確認された。
5 国内の発生状況
本ウイルスによるトマト黄化病の国内での発生は、平成20年に栃木県、平成22年に群馬県で確認されており、本事例は3例目となる。
6 病徴
1) 発病の初期には、葉の一部の葉脈間が退緑黄化し、斑状の黄化葉となる。
2)症状が進展すると葉脈に沿った部分を残して葉全体が黄化し、えそ症状や葉巻症状が現れ、下位葉で比較的症状が重い傾向がある。
3)症状は生理障害(苦土欠乏症)に良く似ている。
4)発病株は、生育が抑制され収量が減少する傾向が見られる。
7 伝染方法
本ウイルスはクリニウイルス属のウイルスで、タバココナジラミ(バイオタイプBとバイオタイプQ)および、オンシツコナジラミが媒介(半永続伝搬:ウイルス媒介能力が数時間から数日間持続される)することが確認されている。
クリニウイルス属のウイルスでは、経卵伝染、汁液伝染、土壌伝染及び種子伝染しないことが知られている。
ここで最大の問題は、媒介害虫が、タバココナジラミバイオタイプQ(およびB)ということだ。
トマト農家の間では常識なのだが、このバイオタイプQというタバココナジラミは、曰く因縁つきの害虫で、農薬極強の虫といわれ、農薬の効かないウイルス病(トマト黄化葉巻病)を媒介する。
いわば「超」がつくほど防除困難の「虫+ウイルス」コンビなので、バイオタイプQとこの新たな「トマト黄化病」コンビは途方もなく脅威なのだ。
病害虫の防除や予防については、いくつか問題提起もあるので、次回以降に見ていきたいと思う。
今はただただ伝播侵入がないことを祈るばかりだ。

ファーマータナカのトマト栽培は、ハイポニカというプラントの、水平放任栽培という特殊な養液栽培だ。
その上、養液栽培では、高糖度栽培の場合、土耕栽培でいわゆる「水切り」と呼ばれる極力水分を与えない方法で糖度を高める手法がとれない。
そこで、肥料濃度(=EC※1)を極端に高くすることによって浸透圧ストレス(※2)を与え、結果的に水分の供給を抑えるのと同じ結果を作り出すのだ。
※1 EC(Electronic Conductivity)とは電気伝導率あるいは電気伝導度とよばれる水質指標で、水の中に様々な物質が入っている場合、水中のイオンが移動することで電気が流れ、その電気量を計測することで水の中に含まれる物質の量が分かり、農学、特に植物の栽培において電気伝導率は、土壌溶液または培養液中のイオン総量を示す指針としても扱われる。
単位はデシジーメンス毎メートル [dS/m] やミリジーメンス毎センチメートル [mS/cm] が多く用いられる。
※2 植物に水分を余り与えないで育てる事を、「水分ストレス」を与えるという。
一般にいわれているのは、水分ストレスを与えると、果実の中の水分が減って、糖が濃縮されるということだ。
果汁の中の糖濃度が高くなるため、当然甘くなるわけだ。
そのため、市場関係者では「濃縮トマト」とよばれたりする。
又、植物は環境の変化に応じて、自分の体を一定の状態に調節しようとする機能があり、 この機能を「ホメオスタシス」と呼んでいる。
水がなくなると植物は死んでしまうから、水を吸おうと努力する。
水を吸うには、細胞内に溶けている糖などの物質を増やし、細胞内の液の濃度を高くする必要があるのだ。
これが「浸透圧」(※3)の原理で、植物細胞が水を吸おうとする。
ホメオスタシスが働いて細胞内部の成分を変えているわけだ。
それで糖などが増えると考られている。
実際には浸透圧を高めるために糖を増やすだけでなく、糖の質も換えているという。
例えば同じ手法を用いるみかんではショ糖、ブドウ糖、果糖が主な糖だが、成熟するにしたがって果実の中には普通、ショ糖が蓄積されていく。
ところが水分ストレスを与えたみかんは、ブドウ糖や果糖が増えることが分かっている。
2つの糖の分子が結びついているショ糖が分解して、1つの糖分子でできているブドウ糖、果糖に変化するわけだ。
つまり糖含量は同じでも、2糖類が割れて単糖類になることで、糖の濃度が高まり、浸透性も高くなる仕組みが働いていることになる。
糖だけでなくプロリンというアミノ酸の一種が増えることも分かっている。
これも浸透圧を高めるのに役立っているようだという。
しかし、研究者によると、水分ストレスによって果実が甘くなるメカニズムについては、さまざまな要因が絡み合い、まだよく分からない部分も多いといわれる。
これまで挙げた理由以外にも、
1) 水分ストレスが葉や枝の伸長を抑えるため、糖などの光合成産物が果実に多く分配される。
2) 呼吸が抑えられ、光合成産物の消費が少なくなる。
などが考えられている。
前置きが長くなったが、上記の手法により、ファーマータナカのトマトは相当のストレスを受けて育てられていることになる。
又、1株に6000個程の実を付けるため、これも相当の負担がかかることになる。
このことは反面美味しいトマトづくりに寄与することにもなる。
何故なら、例えばみかん等でも小さい方がおいしい傾向があると言われるが、トマトも一般的には同じだ。
これも水分ストレスと同じ原理だと考えられる。
1本の木にたくさんの実が成ると実が大きくならない。
しかも多い果実が限られた水を奪い合うため、個々の果実が少しでも水を多く吸おうとして、同じ現象を引き起こすと推察される。
※3 ここで中学生レベル(?)の物理の浸透圧についても復習しておこう。
濃度の低い水(真水)と濃度の高い水(ここでは肥料をとかした養液)を半透膜で仕切った容器に入れると、濃度の低い水から濃度の高い方に移動が始まり、水位が変化する。
このように濃度の異なる2種類の水が、低い(薄い)方から高い(濃い)方に染み込む現象を浸透といい、染み込んでいく強さを浸透圧という。
2種類の水が、同じ濃度になろうとして移動することだ。
さらに、高濃度の養液栽培では、トマトの株元において、昼間は高温乾燥で、地際部の養液中の水分が蒸発して高濃度の肥料の結晶が付着し、夜間は反対に多湿で湿潤となり、
その繰り返しで株元が傷んでしまうのだ。
そこに、分析してもなかなか特定の菌は検出されないのだが、いわゆる灰色カビ病のボトリチスシネレア菌や、小粒菌核病の菌等が侵入してしまう。

ということで、以前はたくさんの仲間がハイポニカの水平放任栽培で高糖度トマトの栽培にチャレンジしてきたのだが、今では殆どの方がその栽培をあきらめ、いわゆる高糖度トマト栽培を続けている方は、たぶん数える程になってしまったのではないだろうか。
ファーマータナカのトマトも、上記の理由等で、栽培途中でこれからやっと美味しいトマトが穫れるという時に、バタバタと株が萎え、枯死し、立ち上がれない程のダメージを受けてきたのであった。
そんな中、とても頑張ってくれたトマトの木があったのだ。


播種日は平成22年3月27日、種を蒔かれて何と18ヶ月(通常は1年持たすのが標準的だ)、おそらく9,000~10,000個位の実を付けてくれただろうと思われる。
本当にご苦労様でした。
現代ビジネス>食の研究所>特集>食の安全によれば、
妙な「産地名」表示が急増中「太平洋産鮮魚」っていったいどこでとれたのか、
風評隠し?放射能隠し?
という記事が出ている。

生鮮食品はJAS(日本農林規格)法で産地表示が義務づけられている。
産地がわかれば今回の放射能汚染も汚染地域のものかどうか判断できると思われるが、その産地表示にも落とし穴があるので、ここで見ておこう。
まず野菜について。
「生鮮食品品質表示基準」(PDF)という規格があり、これに農産物の項目がある。
ア 農産物
国産品にあっては都道府県名を、輸入品にあっては原産国名を記載すること。
ただし、国産品にあっては市町村名その他一般に知られている地名を、輸入品にあっては一般に知られている地名を原産地として記載することができる。
この場合においては、都道府県名又は原産国名の記載を省略することができる。
ということで、野菜は基本的には県単位の表示をしなければならないと決められているのだ。
ただし、汚染地域で穫れた種や育てた苗であっても、最終的に穫れたところが産地になるという点は押さえておく必要がある。
畜産物の表示も問題有りだ。
イ 畜産物
国産品にあっては国産である旨を、輸入品にあっては原産国名を記載すること。
ただし・・・。
とある。
都道府県単位で表示する義務がないので、日本中どこで飼育しても「国産牛」で、どこの産地か具体的にはわからないということだ。
個体識別番号で調べれば、その牛がどこで生まれどこでは育ったか確認できるが、どんな飼料を食べたかはもちろんわからない。
特に紛らわしいのだ上記の水産物だ。
ウ 水産物
(ア) 国産品にあっては生産した水域の名称(以下「水域名」という。)又は地域名(主たる養殖場が属する都道府県名をいう。)を、輸入品にあっては原産国名を記載すること。
ただし、水域名の記載が困難な場合にあっては、水揚げした港名又は水揚げした港が属する都道府県名をもって水域名の記載に代えることができる。
(イ) (ア)の規定にかかわらず、国産品にあっては水域名に水揚げした港名又は水揚げした港が属する都道府県名を、輸入品にあっては原産国名に水域名を併記することができる。
となっている。
水産物の産地名は、原則「漁獲した水域名」となっていて、「マグロのように広範囲に回遊する魚は、太平洋、インド洋など、サンマであれば釧路沖、三陸沖」という指針はあるものの、福島県沖で穫れたカツオに太平洋産と表示しても問題はないという。
そもそも「沖」の定義もなく、太平洋ともなれば水域名表示そのものが非常にあいまいといえる。
さらに、水域名の表示が困難な場合は、「水揚げした港名又は水揚げした港が属する都道府県名」を表示してもかまわないとしている。
「茨城県の漁船が銚子港に水揚げするのを拒否された」というニュースがあったが、このような産地表示ではどこで穫れた魚かわからないのが実態というわけだ。
さらに加工食品になると、原材料に使われる生鮮食品の産地表示はごく一部だけが義務付けられていたり、例えば刺身は一点盛りは産地が表示されるが、盛り合わせは産地表示義務がなかったり、カツオのたたきは、タレをつけると表示の対象外になる等、消費者が的確に産地を判断する表示には程遠いアバウトな表示及び表示規格規定になっているのだった。
全く、消費者は何を頼りに食品の選択を行っていけばいいのだろうか?
参考文献:週刊金曜日7/29号 放射能とお魚 他
有限会社ウインキューブインターナショナルの代表者で田所宜己という方がいる。
以前縁あって当社に来られたことがあり、彼のメールマガジンも読ませていただいている。
販売流通業者が数多存在する中で、彼の視点や行動は勉強になることも多い。
そこが運営する「お取り寄せ倶楽部」(皆さんの食の「あったらいいな」をカタチにします)というサイトに、ファーマータナカも匠(一生かかってもその領域には到達できないことは断言できるが)としてご紹介いただいているので、あわせてお知らせしておこう。

そこの「はじめてこられた方に」にというところに、
本サイトは、地方で商品のことを想い一生懸命に作っている生産者のポリシー、歴史を紹介して納得した上で商品をお買い求めになる事を目的としています。
少し長いですが生産者の歴史、ポリシーをじっくり読んでいただきたいのです。
「そうかこの様な人が日本にもいるのか」と思っていただくだけでも結構です。
日本には、まだまだ素晴らしい生産者が隠れています。
中々宣伝も出来ない為に世の中に知れ渡らない、旨くアピールできない等々悩んでいます。
これは非常にもったいない事だと思いませんか?
商品も限定数しかない場合もあります。しかし自然を相手にしているのだから当たり前なのです。
スーパーのように「絶対に用意せよ」と言うことの方がおかしいのです。
このサイトは、セールも行いませんし送料無料キャンペーンも行いません。しかし商品は自信をもってお勧めいたします。
生産者のポリシー、商品に対する想いを読んでいただき判断していただければ思います。日本もまだまだ良い商品が眠っています。
その様な商品を掘り起こしていく事これがこのサイトの進む方向です。
このサイトに来ていただいた皆様も良い商品があればぜひご紹介下さい。
皆で日本を盛り上げていきましょう。
とある。
何とか歯を食いしばって頑張っているファーマータナカのような弱小生産者と、その生産する農産物を認知し食していただける貴方とのベストマッチングを期待したい。
知られざる生産者紹介 トマトの名人
ニューファーマーズファクトリー Tさん 大分県日田市
時々お客様や様々な業者等から問い合わせがあり、当社を訪ねたいと連絡が入ることがある。
カーナビを頼りに訪れてもらう事が多いのだが、何故か山中を彷徨ってしまわれる方も多い。
そこで、例えば「Google Mapで、事前に検索されてきて下さい。」等とお願いするのだが、念のためファーマータナカも自分自身で試しに検索して、正しく表示されるか確かめてみたりする。
その流れで、あれこれ自社のこと等を検索していると、思わぬ紹介記事等にヒットすることもある。
今回は「好きなトマト(ゆぅのブログ)」というブログがあったので紹介する。

昨日は、森のトマト姫というフルーツトマトと、マイクロトマトを買いました。
トマト姫は前々からショコラままと美味しいよね~って、買うならトマト姫って感じで(^O^)
ショコラままの近くのショッピングセンターと、うちの近くのショッピングセンターに、毎朝入荷します☆
ショコラままとは車で20分くらいの距離なので、エリアが違ってお買い物の場所も違うのですが、なぜだか同じトマトが好きだったんですよ~(^w^)
でもこちらのエリアは、コンテナが来た途端に無くなっちゃう位の人気です♪
珍しく昨日は夕方に一つだけ発見できてgetするとが出来ました。
生産者も、はる子さんのが一番美味です☆
(ゆぅのブログ>好きなトマトから引用)
量販店内にある、いわゆるインショップの直売所に出荷している袋入り(210円/250g)についてのお客様の紹介記事だ。
ありがたいことに、「森のトマト姫」という名前はもちろん、お知り合いも同じトマトが好きだということ、入荷後すぐに無くなるほどの人気であることなど、画像とともに、女性らしい軽やかなタッチでご紹介いただいている。
感謝、感謝!!
これからもよろしくお願いします。
ついでに購入可能な販売店(直売所)をご紹介しておきます。
・ 大分県大山農協の農産物直売所「木の花ガルテン」
トキワ(わさだタウン・明野店・別府鶴見園店)
木の花ガルテン(百道店・野間店・大山店)
・ 大分県農協日田事業本部の直売所
サンリブ(わさだ店・東大道店・やまなみ店・高城店・羽屋店・日田店・餅が浜店・
鶴崎店)
福岡ヒラノ(福岡店・春日店)
・ 道の駅「水辺の郷おおやま」の直売所
Fコープ(新宮店・舞松原店)
香椎店
・ 津江の森
・ 道の駅「せせらぎ郷上津江」
・ フレイン(ゆめおぐに店)
・ 日田生活領事館
数に限りがあるので、店舗によっては常時出荷できなかったり、出荷していても爆発的人気のため在庫切れの場合がありますので、その節はご了承下さい。
(「どうしても欲しい」と店舗の係の方に頼べば、getできるかも・・・)
ハダニは英語ではスパイダーマイト(Spider Mite)、Miteはダニのことで、直訳するとクモダニとなる。
多くの殺ダニ剤の商品名に「マイト・・・」と付いている(サンマイト・コロマイト・マイトコーネetc・・・マイトコーネは「撒(ま)いとこーね!!」という意味とも聞いたことがあるが)のは、これに由来してるそうだ。
齢を重ね、コマーシャルではないが、目肩腰にその兆候は顕著に現れ、ハダニを肉眼で観察することなどもはや遠い昔の話だ。
やむなく100円ショップで買っておいた拡大鏡で葉裏を覗いてみる。
いてほしくないのだが、現実は非情だ。

ダニは分類上昆虫ではなくむしろクモに近く、昆虫綱とは別の分類学上は、節足動物門、くも形網、ダニ目に属している。
農作物を加害するダニには、ハダニ類、サビダニ類、コナダニ類などがある。
トマトにつくハダニは主にカンザワハダニやナミハダニといわれている。
ダニと昆虫との大きな違いは、昆虫の成虫が頭部、胸部、腹部の3つに分かれ、脚は3あるのに対し、ダニの成虫はクモと同様、頭と胸が一緒になった頭胸部と腹部の2つに分かれ、脚が4対あることである。
ハダニ類の繁殖は極めて旺盛で年間10数世代を繰り返し、特にハウスのような高温乾燥下では極めて旺盛に繁殖し、25~28℃の乾燥下で卵期間2~3日、幼虫~若虫期間6~7日で成虫になるとされる。
卵から孵化した個体は幼虫、脱皮をして第1若虫、第2若虫を経て成虫となる。
メス1頭あたりの産卵数も平均100卵に及ぶものがあり、短期問のうちに温室全体に拡散し著しい被害を与えることとなるのだ。
ハダニには色々と変わった習性があり、当然雌と雄がいるのだが、雌は交尾しなくても産卵することができ、この場合はすべて雄が生まれ、交尾するとすべて雌が生まれるという。
アブラムシ等もそうなのだが、どうして交尾をしないでどんどん卵を産むことが許されるのか。
遠い昔、神が造った創世記の偉大で普遍であるべき真理原理原則をハダニも少しは謙虚の考えて欲しいものだ。
ともあれ、そのため、雌が一匹いればどんどん増えていき、クモの仲間なので、クモと同様に糸を出し、一つの場所での寄生数が多くなり過ぎると、自分の糸を風にのせて移動するというのだ。
ハダニ類が抵抗性を殺ダニ剤に対して速く獲得する原因として以下のようにその生態的特性があげられる。
まず年間の世代数が多く、薬剤による淘汰を受ける回数が多い。
体」が小さいため,移動性が小さく,近親交配により,同質の集団になりやすい。
他の動物に比べ突然変異の起こる確率が高い等である。
コナジラミの増殖と被害がここ数年やっと抑えられていたというのに、一難去ってまた一難どころか百難、千難、いやテラ難、追っ手を防げば搦め手へ回る、虎口を逃れて竜穴に入る、前虎後狼、火を避けて水に陥る、禍去って禍また至る・・・、
全く農業とはゴールの見えない孤独なサバイバルレース(ほとんど死に体だけど・・・)だ。
コナジラミの増殖とそれによる被害がここ数年何とか抑えられているのだが、油断もあってか、久々にハダニの発生を見てしまい、被害も拡大傾向だ。
ハダニ類が植物の葉に寄生して加害すると、葉緑粒が吸収され、加害された部分は白っぽい「カスリ状」となる。
さらに被害が葉全体に進むと野菜などの一年作物では、葉の表面がカスリ状に抜けて白くなり、さらに被害が進むとクモが巣を張ったように株全体が白くなり、新葉の展開も止まり、衰弱して最後には枯れてしまうこととなる。

早期防除を心がけて対応したのだが、ハダニは薬剤抵抗性がつきやすいことをうっかり失念していて、「サンマイトフロアブル」という殺虫殺ダニ剤を散布したのに、ほとんど効果がなかったのだ。
この農薬は、結構高価なのだが、厄介な黄化葉巻病のウイルスを媒介するタバココナジラミバイオタイプQにも顕著な効果があり(このタイプに薬効のある農薬は非常に限られている)、おまけにマルハナバチへの影響日数(2~4日程度とされる)が短く(この期間が長いと、マルハナバチによる交配が出来ない期間は、人力によるホルモン処理をしなければならず、労力もさることながら、ファーマータナカの水平放任栽培では物理的にこの作業がかなり困難なのだ)、年に1~2度お世話になっている農薬だ。
通常殺ダニ剤は薬剤抵抗性がつきやすいので1種類につき年1回散布が推奨されている。
長い間ハダニの防除には使用しなかったのだが、結果的にはハダニの予防防除的使用にもなっていたわけで、抵抗性を持ったハダニが出現していて、それに対して薬効がなかったと推理されるのだ。
ファーマータナカの農産物は慣行栽培に比して農薬散布回数はかなり少ない。
消費者への安全安心は当然として、一方で散布当事者である農業者への安全も重要な問題だ。
農薬中毒事故の原因は使用者の油断によるものが少なくなく、マスクなど保護具をきちんと装備していなかったり、風下での散布、長時間や疲労時の散布、誤飲等正しく使用すれば散布中の事故の多くを防ぐことができると言われるが、風向きや時間や過労等ばかりを優先考慮していられないのも農業現場の現実で、従って毎年の事故発生もこれまた事実だ。
参考までに、農薬による事故件数の資料を掲げておく。

ここでハダニについて自分のためにもまとめておこう。
この項次回に続く。
暫定基準値を下回る食品は「ただちに健康に影響を及ぼさない」とされ、今日も私たちの食卓に運ばれている。
しかし、食べ物から人体に入った放射線は、長年にわたりDNA情報を傷つけて、10年後、20年後の将来にがんや白血病、不妊、先天性異常などの発症リスクを高めることが確認されている。
そもそもこの暫定基準値は、IAEA(国際原子力機関)がヒロシマ、ナガサキの被爆者に対する健康被害を調査して作ったリスクモデルを参考にして作成したものだという。
しかし、IAEAのモデルは原爆の外部被曝で肌に直接浴びた放射線量に焦点を当てた研究の結果であり、食品などを通じて体内に放射性物質を取り込む「内部被曝」には、単純に応用できないというのが専門家の共通認識なのだ。
したがって、政府は基準値以上なら危険だから出荷停止、基準値以下なら安全としているが、3.11以降は危険があることを消費者が十分に認識したうえで、自分が口に入れる食品を選ぶべきであり、政府はそのための情報をこそ国民に提供するべきで、暫定基準値を上回るか、下回るかの二元論ではなく、より危険度の少ない食品を選ぶ「柔軟な取捨選択」こそが今私たちに必要なことだという考え方が妥当と思える。
食卓を脅かす放射性物質は主に、ヨウ素、セシウム、ストロンチウム、プルトニウムの4つがあるが、特に懸念されるのが、爆発によって大量に飛散し、または汚染水によって海に大量に流出したと思われるセシウムとストロンチウムだ。
セシウムは、農作物にとって必要なカリウムという養分と原子配列が似ているため、ある種の植物はセシウムをカリウムと勘違いして吸収してしまう性質がある。
一般的にカリウムを多く吸収するのが、大豆などのマメ科の植物、ホウレンソウなどのアカザ科の植物で、菜の花やヒマワリ、お茶なども吸収率が高い。
カラシナやレタスなどの葉物野菜もセシウムを多く取り込みやすいとされているという。 放射線医学総合研究所の調査結果によると、大豆はリンゴの160倍の吸収率であり、大麦も52倍に上るということだ。
一方ストロンチウムはカルシウムと原子配列が似ており、海に流れ出したストロンチウムは植物プランクトンから小型魚、中型魚、大型魚と食物連鎖で生体濃縮される。
セシウムは体内に入ると100日ほどで代謝によって半分に減るのに対し、ストロンチウムはそれまでに10年を要し、長きにわたって骨に直接沈着、放射線を放出し続けるので、微量の被曝でも白血病や骨髄がんなどに冒されるリスクが高まるのだという。
因みにストロンチウムがこれほど危険な放射性物質であるにもかかわらず、政府は現在に至るまで海産物を対象としたストロンチウムの検査をまったくしていない。
又これを逆手にとって、ヒマワリや菜の花を植えて、放射性物質を吸収させる、「ファイトレメディエーション(植物を用いた地盤の浄化)」がある。
「ヒマワリがセシウム137を根に、ストロンチウム90を花に蓄積することが判明し、危険性が失われるまで30年以上かかる放射性物質を20日間で95% 以上も除去できる能力を有する結果が得られている。」ということだが、これは、ヒマワリが根から水分と共に金属を吸収し、根と花に放射性物質を含む金属が蓄積することを意味しており、当然ではあるが生物が放射性物質を分解することは出来ないので、汚染された大量の瓦礫や除染のため除かれた校庭の土、あるいは使用済み核燃料と同じように、これをどう処分するかという問題は解決されていない。
(このことが人類は原子力に手を出すべきではないという考え方の基本にある)
放射性セシウムの移行倍率票を掲げておく。

参考URL: 徹底調査 放射能汚染食「食べてはいけない」
(現代ビジネス 「経済の死角」)
【静岡知事、「報道で風評被害」と主張】
製茶から国の暫定規制値を超える放射性セシウムが検出された問題で、静岡県の川勝知事は14日の記者会見で、「報道が風評被害をあおっている」とNHKを名指しで厳しく批判した。
川勝知事は「風評被害の最たるものは、一部のここにいる人たちです。
9日の9時台の全国ニュースは、『静岡県で暫定規制値を上回るものが出た』。
なんというふらちなことだ。
一局所を全体であるかのごとく報道する、本当に道義的に問われるべきだ」と激しい口調で批判した。
さらに、「公器であることをわきまえなさい。1面トップや、NHKを見た人が、見出しと報道で、静岡茶は全部やられたと思っています。一部をもって、全体にした反省をしていただきたい。責任重大ですよ、君たち」と批判を続けた。
(2011年6月15日08時58分 読売新聞)
【静岡茶、県の検査でも基準値超 仏で廃棄処分の静岡茶】
静岡県御前崎市の業者がフランスに輸出した茶葉から基準値(1キログラム当たり500ベクレル)を超す放射性セシウムが検出された問題で、静岡県は22日、業者が保管していた製茶を再検査した結果、1キログラム当たり981ベクレルのセシウムを検出したと発表。
県は同日、茶葉を生産した静岡市清水区庵原地区の農家に、出荷自粛と自主回収を要請。
業者にも、この農家の茶葉を含む製品の販売自粛と回収を求めた。
フランス政府が17日、静岡県から輸入した茶葉から基準値を超す1キログラム当たり1038ベクレルのセシウムを検出したとして廃棄処分を決めたのを受け、県が再検査していた。
(2011年06月22日 17時58分 共同通信)
「風評被害」とは、存在しない原因・結果による噂被害のこと。
多くの例では災害、事故での不適切又は誤報により、生産物の品質低下やまったく存在しない汚染などを懸念して消費が減退し、まったく原因と関係のないほかの業者・従事者が損害を受けることだ。
災害、事故による直接の被害や顧客の危機回避のための判断や安全確認のための出荷停止は風評被害には該当しないとされる。
ということで、今回の原発事故による一連の被害は「風評被害」ではなく、明らかに「実害」だと言える。
農業者の立場からすれば、全く理不尽な理由により、農産物や水産物や牛乳が売れなかったり廃棄せざるを得ないことや、家畜の処分や廃業は痛恨の極みだ。
しかし反面生産者は、できるだけ安全な農畜産物を子供を含む消費者に提供するのが、最大最低の役割のはずだ。
その社会的使命が果たせない(果たせない可能性が大)のならば、生産者は売ってはならないし、売るべきではないのも道理であろう。
一方子供を持つ母親が、選択能力や選択権のない子供を守るために、与える食品の安全を考え選択することに、いかなる押しつけや強制ができないことも自明であろう。
ここでは小出氏の論評を中心にまず大前提を確認しよう。
3.11を境に世の中は変わってしまったという事実を受け入れる必要がある。
小出氏によるまでもなく、様々なデータより、今回の原発事故は、チェルノブイリと同じように、言わば「地球被爆」だ。
地球上のすべて、陸も海も、すべての生き物が放射性物質で多かれ少なかれ汚染されてしまったという事実だ。
又、被爆に関するかぎり、どんなに微量でも危険ということだ。(いわゆるしき値がないといわれる。)
作為的な測定や検査や基準値によって、「安全」とされるものが「安全」ではないということをまずもって確認する必要がある。
この事実を踏まえてどうするかということになるのだが、最悪の選択は、「検査しているし、流通しているものは安全だから、いわゆる風評危害を受けている産地の生産物を、自分はもちろん積極的に子供に食べさせる。」というものだと考えられる。
小出氏は、「大人は福島県産の農産物を食べるべき。」と言っているので、あれだけ原発や放射能の危険性を主張しているのに、「なんで?」と思ったら、
「大人は危険だと知った上で、子供を守るため、そして福島の、いや日本の農林水産業を守るため敢えて悲痛な覚悟をもって、食べるべきだ。」と主張しているのであった。
言わば安全だとだまされて、被災地の農産物を食べるのではなく、危険だと解って食べるしかないということだ。
我々大人は、原発を容認し、その恩恵にあずかり、又大量のエネルギーを使うことで、工業を発展させ、反面一次産業を崩壊させてきた責任がある。
大人の3~10倍あると言われる次世代を担う子供の被爆リスク(感受性)だけは、極力避ける努力が必要だということだ。
具体的には疎開等の行動も早急に必要だと思われる。
恣意的でない客観的な、及び広範囲で、多地点の連続的なデータの測定と蓄積と分析と公表が何にも増して重要となる。
ついでだが、最近の小出氏は、例えば海洋の汚染について正確な放射能汚染の測定と公表をやれば、日本の漁業は壊滅的打撃を受けてしまうので、その行為が正しいかは何とも言えないとトーンダウンとも取れる発言をしている。
彼にそこまで言わしめる程、事態は深刻だということだろう。
参考文献:週刊金曜日6/10号「放射能と農」 他