<三菱商事が菱食など食品卸4社を統合>
三菱商事は29日、食品卸子会社の菱食、明治屋商事、フードサービスネットワーク、サンエスの4社の経営統合に向け協議を開始することで合意したと発表した。
今後、統合準備委員会を設置し、持ち株会社方式など経営統合の条件を詰め、2011年3月の合意を目指す。
4社の売上高の単純合算は2兆2000億円となり、現在首位の国分を抜いてトップとなる。食品卸は、少子高齢化やデフレ経済が長期化する中で効率経営を迫られている。
経営統合によって物流効率化や重複投資を解消する。
菱食が総合食品卸、明治屋商事が輸入食品卸、フードサービスネットワークはチルド系、サンエスは菓子卸と4社は補完関係にあり、総合食品卸として機能や品揃え強化につなげ、小売りのニーズにも迅速に対応する。
総合商社では、伊藤忠商事も3月に食品卸大手で子会社の日本アクセスにTOB(株式公開買い付け)を実施し、持ち株比率を引き上げており、大手商社による業界再編が加速する可能性もある。
(MSN産経ニュース 2010.7.29 18:18)
ちょっと古いが、食品卸売上ランキング(08年版)を見ておこう。
1位 国分 1兆4275億円
2位 菱食 1兆3993億円
3位 日本アクセス 1兆3425億円
4位 加藤産業 6010億円
5位 伊藤忠食品 5828億円
6位 三井食品 5179億円
7位 日本酒類販売 4589億円
8位 旭食品 3673億円
9位 明治屋商事 3585億円
10位 ヤマエ久野 2572億円
農業者のファーマータナカと何の関係があるのかと思われるかもしれないが、実は大いに関係があるのだ。
実は加工品(=フルーツトマトジュース「森のトマト姫」)の取引先で、(先方は余りに取引高が少なく、実際商品もほとんど動かず、取引先と認識していないだろうが)、この中で、菱食、明治屋商事、ヤマエ久野と取引があるのは、一介の百姓としては一面的には、自画自賛していいだろう。
というのも、例えば、量販店等が地方のマイナーな商品の取扱に興味があっても、なかなか商談が進まないという現実があるのだ。
その最大の原因は新規口座を開くのが至難の業といわれ、口座が開けないのだ。
一説には年間の取扱高が大体500万円ないと口座を開く意味が無いという考え方があるそうだ。
肥大化し、効率化の方向に進めば、地方の微々たる商品より、既存や海外のの同等同様な商品の方が効率的というわけだ。
そんな中で、幾ばくかの取引ルートを構築したファーマータナカは、営業マンの風上に置いておかねばならない殊勝な存在といえよう。
そうではあるが、統合の目的はすなわち、規模拡大で調達力を強化し、海外進出を加速すると共に、海外から競争力のある商品を国内の小売業に供給する体制をととのえることだから、大手との取引がステータスだとおだてられて、上記のような事情と将来への方向性があるのに、ほとんど不毛な商談会をはじめとする営業に半端でない時間と労力を費やすのも、再考の時期にきているのではないかと思うのだ。
ファーマータナカの数少ない経験からいっても、サンプルの要求は限りなく、そのワリには無の礫(つぶて)、自社の利益率は絶対確保、言葉は悪いが態度はエラソーな方が少なからずいらっしゃったような気がする。(語気は弱めです)
資本主義社会の本質とはいえ、市場での相場形成力を握り、加えてメーカー、ベンダーをもコントロールして、大幅な淘汰を進めることで川上の効率化に対して強いプレッシャーを与え、そこで得られた利益のごく一部を消費者に還元するポーズを見せながら自らの利益を極大化する様は、ファーマータナカがこのブログでも何度か指摘してきた、流通のガリバー達の所業とオーバーラップするのは、ファーマータナカのヒガミ根性だけが原因だけではないだろうと思うのであるが・・・。