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2006.09.30
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ようやくホテルへたどり着くと、ポールは、ツチ族、フツ族の入り乱れた
従業員の前に立ち、改めてこう切り出した。

「このホテル内ではツチ族もフツ族も平等だ」

この通達を受けて安堵する者。怒りをあらわにする者。反応は様々だ。
これまで何事も穏健に取り計らってきた彼だったが、家族を守るためには
仕方のない宣言だった。
そうしているうちにも、ホテルには生き残ったツチ族が次々と逃げ延びてくる。

時間が経つにつれ犠牲者は膨れ上がった。
その中には平和維持軍の兵士たちも含まれていた。
部下の死を受け、オリバー大佐は事態の沈静化を担うべく本部へと掛け合う意欲を見せる。
しかしこれに対して本部が下したのは、予想もしない大部分の撤退命令だった。
同時に、現地のジャーナリスト、ボランティアにも退避勧告が下る。
世界がルワンダに背を向けた瞬間だった。

別れの朝、肩を落とした数十人の外国人たちが護送用のバスに乗り込んでいく。
ホテルの入り口には多くの避難民たちが集まり、去り行く彼らにすがるような
視線を投げかける。
目の前の彼らを救うことの出来ないやりきれなさでただ呆然とする乗客たち。
バスの出発は、その瞬間からホテルにいっさいの後ろ盾が消滅することを意味していた。

しかしこの絶望的な時でさえ、ポールはホテルの支配人らしく
きちんとシャツにネクタイを締めて気丈に振る舞い、生き残るための術を探していた。
迫り来る暴徒の群れ。次々に打ち込まれるロケット弾。

いつしかホテル内にいるツチ族の数は、1200人にまで膨れ上がっていた・・・。





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Last updated  2006.09.30 13:40:06
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