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カテゴリ:サティ歌いの音符帳
このブログのタイトルの元となった
『サティ弾きの安息日』という本。 こちらは今は売られてなく、 かわりに『サティ弾きの休日』という本が売られています。→ 著者も同じだし、内容も同じかと思っていたのですが・・・ このたび『サティ弾きの休日』を手にとって、 内容がちがうということが分かりました(@ @)! 最初の『サティ弾きの安息日』から約10年、 その間も著者の島田璃里さんはサティを探る旅を続けていたのですね。。 10年の歳月を経て、前回よりもさらに内容が充実した『サティ弾きの休日』でした。 左が『安息日』で、右が『休日』。 『休日』のほうがより厚くなっています。 私が高校生の時に初めて『安息日』を手にして、 約10年後にこの『休日』を読んで・・・ 私の10年も、何もしてなかったわけではないんだなと実感しました。 1日、1日はたいしたことをしてないつもりでいましたが、 10年を振り返ると、こんなにも10年の経験はちがうのかと。。 高校生の時の私は、まだフランスを訪れたことがなく、 本の中に登場するサティの故郷オンフルールや、 サティが活動の場所としていたパリのモンマルトル、モンパルナス、 晩年に住んでいたパリ郊外のアルクイユ・カションは想像の世界でした。 でも、今は本を読みながらオンフルールの風や、パリの町並み、サティの暮らしたアパート、歩いた道・・・ を立体的にイメージできます。 モンマルトルにサティが暮らしていた時のアパート。→ (2000年12月撮影) 『休日』によると、今は博物館になっているようです。 『安息日』をはじめに手にしてから、 フランス語を多少なりとも勉強しました。 パリは3回訪れました。 当時サティのピアノ曲しか知りませんでしたが、 その後声楽曲に出会い、楽譜を手に入れ、楽譜がある分は全曲譜読みしました。 映像に残っていた動くエリック・サティを見ました。 サティが生きた時代の他の芸術活動にも感心を持ち、さまざまな芸術に触れてきました。 『安息日』を読んだ頃は、サティの他に登場するさまざまな人物の ほとんどがわかりませんでしたが^^; 知らず知らずのうちに、これらの人物に対する理解も深まっているようでした。 画家の名前が登場すると、その画家の作品が頭に浮んだり・・・。 年中サティのことばかり考えているわけではないけれど、 それでも、10年も経つとこれだけちがっているのかと、驚くばかりです。 もちろん、高校生と社会人のちがいも大きいと思いますが。 私がこうした10年を過ごしている間に、 島田璃里さんはもっともっと経験を広げていたわけです。 残されたサティに関する記述、サティの音楽、サティの生きた場所、 サティに影響を与えた周辺の人を訪ねながら、 あれこれ仮説をたててサティの本質にせまろうとするこの本は 私にとっては『ダ・ヴィンチ・コード』並みのおもしろさです。 結局のところ、サティの心の中は誰にもわかりません。 でも、知りたい・近づきたいと願う私や島田璃里さんやサティ好きの方たちは 永遠に終わらないミステリーの中にいます。 それぞれにさまざまなアプローチを試みながら。。 サティの『音楽』だけに耳を澄ましていた高校生の私と、 サティのこと、その時代の知識を少し持った今では 曲の聞こえ方はだいぶ変わっています。 その時々の、その瞬間にしか味わえないサティに耳を澄まして、 あせらずゆっくり、サティにせまっていきたいと思っています。 ↓サティに興味を持てたという方、クリックお願いします! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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