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テーマ:携帯電話のこと(2616)
カテゴリ:サティ歌いの音符帳
今ごろ・・・ですが、テレビのコマーシャルでサティの曲が流れていますね。
総演奏時間18時間以上。エリック・サティ作曲「ヴェクサシオン」 あなたの携帯で聴けますか? という話の展開で、連続22時間の音楽再生ができる携帯電話を宣伝しています。 CMを見ていないという方は、こちら(↓)から見られます! ⇒シャープ広告ライブラリー FOMA SH902iS (確かに、シャープだ。「ヴェクサシオン」篇) 初めてこのCMが流れた時、初めの和音ひとつで「サティだ!」と思いました。 キッチンにいた私は、すぐに音のしたテレビに視線を移しました。 「やっぱり、サティのヴェクサシオン・・・。」 奇妙な響きの和音が並びますが、サティらしさを感じられる曲だと思います。 この曲は以前、テレビ番組のトリビアにも出ました。 840回繰り返すようにと書かれたこの曲は、 その指示の通りに演奏すると、膨大に時間がかかります。 どれくらいの速さで演奏するかにもよりますが、18時間~24時間くらい。 それを演奏するという試みがこの番組でされました。 いつもトリビアを見ていたわけではないのですが、 たまたま何気なくテレビをつけていたらサティの名前が登場して、 ヴェクサシオンの演奏会がはじまったのです。 私はつくづく強運ですね^^; 電光掲示板で演奏回数が表示され、 複数のピアニストが50回ずつ(確か・・・)で交代しながら演奏しました。 客席の皆さんは・・・ぐっすり眠っていました。 できることなら、私がこの客席に居たかった。。 840回繰り返されるヴェクサシオンの曲の中で、私はどんなことを考えたでしょう。 ずっとは集中できませんから、おそらくこの音楽の中、 サティについてさまざまな思いをめぐらせるのではないかと思います。 眠ってしまったら・・・サティの夢でも見たのではないでしょうか^^; 番組では、840回の演奏が終了した後、 ハイドンの交響曲「驚愕」(演奏中に居眠りをしている聴衆を起こすために作られた作品)が演奏されたように記憶しています。 そして、ジョン・ケージ作曲の「4分33秒」も演奏されました。 演奏者がステージに出てきて、ピアノの前に座り、 4分33秒の間、一音も発せず・・・退場。 客席の方は、同じモチーフを840回繰り返し聞かされ(「ヴェクサシオン」)、 眠りに落ちたところをたたき起こされて(「驚愕」の演奏)、 無音の音楽(ジョン・ケージの「4分33秒」)に目をパチパチさせていました^^; なんともひどい演奏会でしたが・・・、 トリビアの編集者たちは知っていたでしょうか? この無音の音楽をつくったジョン・ケージが 1963年に世界で初めてサティのヴェクサシオンを演奏していたことを。 眠っていたサティの音楽を世に広めたのがジョン・ケージで、 サティの音楽から影響を受けつつ到達したのが「無音の音楽」。 「4分33秒」・・・この時間に聞こえた全ての音が音楽だ、と言ったわけです。 これにはいろんな議論が巻き起こったようですが、 私はこうした自由な発想がすごく好きです。 自分がまじめ一筋で、型にはまったことしかできないための憧れかもしれません。 「840回繰り返し」と楽譜の中にいたずらっ子のように書き込んでしまう、 こんなユーモアがあって、洒落たところのあるサティも・・・私は好きです^^ ↓クリックお願いします! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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