ナイフ入門者が読んでおくとよい古典〜『韓非子』
韓非子(第4冊) 金谷 治 著 岩波文庫 http://books.rakuten.co.jp/rb/item/680765/ 『韓非子』を読み、日本ナイフ業者界の舞台裏を知るかつて日本語によって書かれたナイフ入門書が何冊か発行されましたが、今となっては内容の改変を必要とするものしかありません。また、これらのナイフ本をすべて通読したとしても、国内ナイフ業者たちの場当たり的な言動を予想することはできません。自分は、1990年代半ばの打算と奸計が渦巻く国内カスタムナイフメーカたちの巷を目の当たりにして一旦田舎に隠遁して1997年秋頃から岩波文庫「青」を読みあさりました。その中で、自分が目撃したあの世界のからくりを解明した本こそがこの『韓非子』でした。いかに悪辣な人間たちが、要領と技巧を使って処罰から免れ、一方、まともな人間が思わぬとばっちりを受けるかを的確に指摘しています。かの対人用ナイフ煽動者、コード名 “しめじの文さん”(以後、しめじカッコウ)や、“プロスペック文さん”(以後、プロスペックカッコウ)らがナイフユーザ、コレクタ(※)たちに全責任をおっかぶせて、まんまと逃げおうせ平気な顔をしている精神構造を(理解し許容することは無理にせよ)知ることはできます。これからナイフ趣味に深入りするつもりの奇特な人がいるのであれば、ぜひ『韓非子』を何度も繰り返し読むことをお勧めします。 ※つい先日知りましたが、「コレクション」を 「コレクチオン」と表記する動きがあるそうです。 皮肉とか、揶揄的な意味をこめて、 「これはこれは、素晴らしいカスタムナイフ・コレクチオンですね」、 あるいは「タクティカル系ジャップ・カスタムナイフはコレクチオンに最高だ」 などと、慇懃無礼な感じで使うとものすごく楽しそうです。