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クリスタルのかけらに眠る勇者の心

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Oct 30, 2006
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「ストームブリンガー」マイケル・ムアコック

最愛の妻を何者かに拉致されたエルリック。魔剣ストームブリンガーを手に探索の旅に出るが、“新王国”の地は、“混沌”と手を結んだパン・タン=ダリジョール連合軍に侵略されつつあった。戦乱の渦中に否応なく巻きこまれるエルリック。だがこれらは、迫り来る“混沌”と“法”の怖るべき戦いの前哨戦にすぎなかったのだ!「魂の盗人」「闇の三王」「忘れられた夢の隊商」の3中篇と、表題長篇『ストームブリンガー』収録。

『魂の盗人』
 これでようやくパン・タンとの因縁の対決に決着。シンプルな世界観の中でのエルリックの活躍の方が、私好みなのかも知れない。
 でも、相変わらず「親しき者・愛する者」が失われるというエルリック・ルールは遵守?されていて、何だかやりきれないが、エルリックに話を持ちかけた商品達の狼狽する様は、滑稽で面白い。 

『闇の三王』
 美女ザロジニアとの出会い。一瞬で恋仲になってしまうのが憎たらしい。悪名高いエルリックのどこがそんなによいのか?なんて憤ってみてもしょうがない。何故か女性に人気あるんだよね。
 このストーリーも割とシンプルなオーソドックスなスタイルのヒロイックファンタジーなので、内容を深く考えずに楽しめる。映画の「ゾンビ」を彷彿させるようなシーンもあるから、映画では見たくないけど、、、

『忘れられた夢の隊商』
 このストーリーの主役はエルリックとストームブリンガーだ。蛮族の行う虐殺を見て、キレてしまうエルリックが妙に人間っぽい。捨てたはずのストームブリンガーが勝手に戻ってきてしまうとは、切っても切れない仲ということか。

『ストームブリンガー』
 エルリックの悲劇的なサーガの終章。北欧神話の影響なのか、このシリーズ全体に破滅的ムードが漂っているので、ラストは予測できた。
 混沌と法の争いに終止符が打たれる。なんか「ナルニア国」シリーズにも似た雰囲気があるなあ。ここまで徹底して悲劇的なファンタジーは類がないのでは?
 今後、発刊されるのは、以前のエピソードなのか、新世界の新たな冒険なのか、待ち遠しい。 

ストームブリンガー





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最終更新日  Oct 30, 2006 08:28:44 AM
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