カテゴリ:治るとはどうゆうことか
生活の発見誌6月号より森田先生のお話です。
子供を持った28歳になる会社員の妻がありました。 ある日、突然悪寒がして動悸が激しくなり、めまいがして倒れてしまいました。 1年前に叔父さんと甥を亡くしていたため、今度は自分が死ぬ番ではないかとひどく恐怖した。 突然自分が狂いはしないかと感じたり、刃物を見るとぞっと恐ろしくなって包丁に手を出すことができなくなってしまいました。 新聞の死亡記事が気になり、それを読むまいと苦しんだりした。 そのうちに不眠症に悩まされるようになりました。 頭がぼんやりとし、時々めまいがしたりするので、外出はほとんどせず、新聞を読むことさえ堪えられなくなりました。 身体は疲労しやすく根気は無くなり、何事も冷ややかに感じられ、いつも世を厭う気持ちで憂欝で、子供の面倒を見たり顔を見るのさえ嫌になり、自分の死を願うようになりました。 その人はドクターショッピングを繰り返しました。 内科、婦人科、漢方医と、しかしどこでも神経衰弱だと診断されたのです。 どの治療も効き目がなかったので、今度は方向を変えて眼科医の診断をうけたのです。 眼科医の見立てに従って、普段はサングラスをかけるようになりました。 普段は粥を食べ、ほとんど毎日臥床しておりましたので、診察の際直立しても、めまいと体の動揺が強くて不動の姿勢がとれないほどでした。 全く憔悴して、途切れ途切れに病気の苦痛を訴えるのです。 この容態は多くの医師が指摘した強度の神経衰弱にあたるのです。 森田先生の見立ては、典型的な神経症という診断でした。 本人はなんだか分からないうちに、アリ地獄に突き落された感じです。 地上に這い出ようと砂を搔きむしると、ますますアリ地獄の底に突き落されてしまうような悪循環に陥っています。こういう人は森田療法に取り組むことがベストです。 この方の場合は、入院森田療法から入ることをお勧めします。 現在は慈恵医科大学に、森田療法センターがありますので、そこへの入院を検討されることをお勧めしたいです。次善の策としては、外来森田療法もあります。 最初は薬物療法を主体にする。 精神状態が上向いてくれば、本格的に入院森田療法に取り組む。 慈恵医大には森田療法に詳しい先生が多数いらっしゃいますので一安心です。 そこを退院できるまでに回復されても安心するのは早すぎます。 ここではマラソンの出発点に立てただけのことです。 ここで気を抜くと再発は免れないでしょう。 さらに神経質者特有の生きづらさが解消されていないので、生きることは針の筵に座っているようなものです。 この時点に到達された人は、森田理論学習に本格的に取り組むことをお勧めします。 学習に当たっては自分一人ではなく、仲間と一緒になって取り組むことをお勧めします。 そうしないと学習が進みません。途中でやめてしまうことにもなります。 また誤った独りよがりの理解や表面的な理解で留まってしまうことにもなります。 これでは自分の生き方を変革することは難しいと思います。 NPO法人生活の発見会の会員になり集談会に参加することです。 現在は停滞気味ですが、全国的な規模で見ると、優れた先輩が多数在籍しておられます。 そういう人の力を借りてレベルアップを図ることが理になっています。 森田理論学習によって、神経質者としての人生を切り開いて、実り多い悔いのない人生を築き上げていただきたいと切に願っております。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2021.07.29 06:20:05
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