カテゴリ:生の欲望の発揮
早期緩和ケアの医師、大津秀一氏のお話です。
緩和ケアは誤解されています。 死の病を抱えた末期症状の人に対して、苦痛を緩和して楽にしてあげるというような消極的なとらえ方をされている人が多いと思います。 現代の医療は、ほとんど完治しない慢性病や、以前の状態に戻すことが難しい老いの問題と向き合っています。 その過程で、「治す」とはまた別のもう一つの重要な考え方である「苦痛を和らげ、心身をより良く保ち、元気に生活できる」ことを支える医療が育ってきたのです。それが緩和ケアなのです。 緩和ケアが目指すものは末期に限りません。 緩和ケアとは、本質的には生活の質を上げるアプローチであり、不安やストレスを抱える方、生きづらさを抱える方々に安心や前向きな心を与えるための手法なのです。 苦痛や不安を放置せずに早く対処し、医療を通じて生活の質を向上させ、元気で長生きするために、早くから行う緩和ケア=「早期緩和ケア」の役割は重要です。 「病気は治す」ではなく、「病気とともに生きる」 「病気を根絶するために闘い続ける」のではなく、「病気を受け止め、残された人生を悔いなく生きるためのサポートをする」 (人生を豊かにする「早期緩和ケア」 大津秀一 講談社現代新書) 難病を抱えてしまうと、食欲がなくなり、痩せてきます。 身体の痛みも発生します。体を自由に動かせなくなります。 イライラして精神的に不安定になります。将来に希望が見いだせなくなります。 自暴自棄になります。グチを言って家族を困らせるようになります。 緩和ケアはそれらの問題に対して、患者に寄り添い、希望を見出して、いつまでも人間らしく生きることを支援します。 私はこの話を聞いて、森田理論学習の考え方と同じだと思いました。 森田理論学習は、神経質性格を持ち、不安にとらわれやすい人が、よりよく生きるための方法を自分で見つけ出すものです。 神経症は器質的な病気ではありません。 しかし、器質的な病気以上に心身を痛めつけ、生きがい喪失状態に陥ります。 でもそれはきちんと森田理論の学習をすることで解消できます。 生活の発見会の集談会に参加すれば、森田理論の基礎や応用が学習できます。 そして先輩会員から森田理論の活用や応用方法が学べます。 この学習が神経質性格者にどんなに福音をもたらしていることか。 森田理論の学習と応用・活用がセットになると、積極的、建設的、生産的、創造的な人生に切り替えることが可能になります。 誰でもその気になれば身につけることができますが、習得期間は様々です。 私は森田理論をものにするのに約15年かかりました。 今では3年くらいで自分のものにできると思っております。 それは多くの先輩方が森田理論学習の方法や応用方法を整備されてきたからです。 この期間が長いと見るのか、短いとみるのか人それぞれだろうと思います。 私は神経質性格者で適応不安を抱えている方は、森田理論を人生の必須科目と捉えて、一通り学習することをお勧めします。 そして実践は先輩会員から学んでいくのです。 私たち先輩会員は、森田理論学習によってよみがえることができました。 その体験を今現在神経症で苦しんでいる人たちに還元していく役割があると考えています。森田先生は自分の神経症体験を包み隠さず、今現在神経症で苦しんでいる人たちのために赤裸々に開示していく取り組みは、森田的な生き方をさらに強固にするといわれています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022.11.19 07:49:52
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