カテゴリ:森田理論の基本的な考え方
清水克衛氏のお話です。
同じことを継続すると、何が変わってくるか。 それは、脳の直感力が鍛えられるという事ことなんです。 「直観」と「ひらめき」って違うんですよ。 脳科学者に言わせると、ひらめきはなぜ起きるのか説明できるらしいんですけど、直観や第六感というのは説明できないそうなんです。 なぜ「これだ!」と思ったのかが説明できない。 でもそれをやると成功する。 実は、直観というのは、「脳が活性化すると出てくる」ものなんです。 そして、直観が出てくる場所と、人が自転車を乗っている時に使う脳は同じらしいんです。自転車って、最初からいきなり乗れるわけではないですよね。 何度も練習をしているうちにバッとれるようになる。 直観もそれと同じなんです。日々の積み重ねの中で、磨かれてくる。 だから、「はきものをそろえる」や「落ちているゴミを見逃さない」といった、そういう小さなことの積み重ねによって、まっすぐな情報が入ってくる人間になれるんです。 他人を変えることはできないけれど、自分を変えることはできる。 その積み重ねが大事なんです。 (はきものをそろえる 清水克衛 総合法令出版 105ページ) 直感力というのは、森田理論の中の「純な心」の学習の中で出てきます。 森田では素直な感情、第一に湧き上がってくる感情、初一念の感情と説明されています。直感力を磨きあげるとはどういうことか考えてみました。 私が社会保険労務士試験を受けたときのことです。 5択のうちから最も正しいもの、あるいは間違っているものを1つ選びなさいという問題がありました。 なんとか2つくらいには絞れるのですが、その先がどうも一つに絞り切れない。 迷いながらも最後は直感力を信じて答えを出しました。 ですから試験が終わった時、合格しているのか、不合格なのか全く分からない。 でもそのときの直感力は比較的よく当たっていました。 不思議なことですが、それが事実だったのです。 社会保険労務士試験は1000時間の勉強が必要だと言われています。 それをクリヤした人は、何か神様のような目には見えない力が加勢してくれたとしか言いようがない。 あなたは十分勉強したので合格させてあげようというような。 直感がよく当たるというのは、そういう努力の積み重ねの後に待っているものではないでしょうか。努力の裏付けのない直感はことごとく外れるように思います。 例えば、競馬や株のデイトレードの場合は、いくら神頼みをしてもなかなか当たりません。闇夜に鉄砲を撃つようなことになります。 清水克衛氏は、「はきものをそろえる」や「落ちているゴミを見逃さない」といった小さなことを継続していると、直感力は磨かれると言われています。 普段やったらよいけれども、見逃しているようなことを習慣化して、毎日真摯に取り組んでいると「これだ!」という直感力が鍛えられる。 私は皿回しの大道芸ができます。 これは最初から難なくできたのではありません。 大道芸のパフォーマンスを見てこれは面白そうだ。 私もできるようになりたいと思いました。 すぐに皿と棒を取りそろえて、日々練習を繰り返しました。 やっては落とし、やっては落としの連続でした。 でも私は執着性と負けず嫌いの強い性格ですから、あきらめませんでした。 すると、偶然ですが、ある日突然できるようになりました。 私はついに皿回しのコツを掴んだのです。 1回できるようになると、つぎからは10回のうち7回くらいは成功するようになりました。 これは身体感覚を通して掴んだものです。 ですからやってみたいという人にいろいろと口でコツの説明をしますが、これがなかなか難しいのです。 たまにできるようになる人は、あきらめないで、何回も練習を積み重ねて、そのコツを自分自身で体得しているのです。 決して人から口で教えてもらってできるようになったわけではないのです。 こうしてみると「純な心」の体得は、何回も失敗をくり返しながらも、あきらめないで取り組んでいると、ある日突然そのノウハウというか、コツがわかってくるというものではないでしょうか。 一度掴んでしまえば、忘れることのない一生の宝物になるように思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.01.12 06:36:28
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