カテゴリ:認識の誤り
腸の研究をされている藤田紘一郎氏のお話です。
美肌のカギは「細菌」が握っています。 私たちの肌に棲んでいる「皮膚常在菌」が、肌のコンディションキープのために欠かせない働きをしています。 皮膚常在菌には、表皮ブドウ球菌、黄色ブドウ球菌、アクネ菌など、約10種類の細菌があります。これらの菌たちは、皮膚表面の脂肪を食べて脂肪酸の膜(皮脂膜)をつくり、皮膚を弱酸性に保っています。 これにより、皮膚にとりつこうとする病原菌をシャットアウトしてくれているわけです。 この皮膚常在菌がつくり出す皮脂膜は、いってみれば「天然のクリーム」のようなものなのです。皮脂膜は、肌を乾燥から防ぎ、肌のうるおいや柔軟性を保つ働きをしています。 ところが、清潔好きの女性の多くは、このクリームを洗い流してしまっているのです。石鹸で洗ってしまうと皮膚常在菌の90%が失われてしまいます。 石鹸でごしごし洗いでもすれば、皮脂膜も簡単に壊れてしまいます。 しかも、いったん壊れてしまうと、なかなか元に戻りません。 皮膚常在菌が元の状態に戻るには、若い人でも12時間、年をとってくれば20時間もかかるとされています。 つまり、いつも洗顔石鹼やボディーソープなどで顔や体を丹念に洗っている人は、かえって肌のコンディションを悪くしてしまっている可能性大です。 皮膚常在菌の力を落とすほど洗ってしまってはいけません。 お風呂で体を洗う場合、石鹸で洗うのは2日か3日に1回にするといいでしょう。しかも、軽く泡立てて、サッと流してしまうくらいで十分。 ごしごし洗うのは禁物と心得るようにしてください。 (腸にいいことだけをやりなさい 藤田紘一郎 毎日新聞社 151ページ) コロナ感染防止のためにどこに行ってもアルコール消毒を徹底しています。 藤田氏の話ですと、皮膚常在菌を殺菌すると、自分の皮膚を守ってくれている皮脂膜が破壊されるという。 その結果様々な弊害が出てくると警鐘を鳴らしておられます。 神経症の人では手洗いが止められない。 トイレでトイレットペーパーのワンロールを全部使う人がいます。 お風呂から何時間も出てこない人もいます。 その他電車の吊革が握れない。 他人の使ったものを触ることができない。 「ついてくる娘の手にはファブリーズ」という川柳があります。 まさにこんな状態です。 これらは、ばい菌が自分の体に取りついて、命に係わる病気になることを恐れているわけです。藤田氏の話によると、皮膚常在菌は悪い細菌から守ってくれていると言われています。 不安に振り回されて、すっきり晴れ渡った青空のような状態を追い求める態度は、自分の身体と精神状態を窮地に追い込んでいくのではないでしょうか。 これから抜け出るには、第一には藤田氏が指摘されている皮膚常在菌の働きを知る。次に、森田理論学習によって不安と欲望の折り合いのつけ方を学ぶことが必要になると思います。 ここでの要点は、神経症的な不安は欲望の裏返しとして発生しているものですから、不安だけを問題にしていると心身ともに痛めつけることになるのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.02.23 06:20:07
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