カテゴリ:人間関係、不即不離
多くの評論家は、今年の広島カープを最下位に予想していた。
実はカープファンもそう思っていた。監督が代わったばかりで未知数だ。 他のチームと比べて小粒な選手ばかりだ。ホームランバッターがいない。 軸になるピッチャーがいない。盗塁数が断トツの最下位だった。 予想家泣かせの結果になった。 広島カープは最終的にセリーグの2位になった。 その原因はいろいろあった。 7回8回を任せているセットアッパーが頑張ってくれた。 盗塁数が78で首位の阪神と1つ差のセリーグ2位になった。 鬼門の交流戦を9勝9敗の5分で乗り切った。 ホームランは少ないが、相手が嫌がる粘り強いバッターが多い。 最初に相手チームに4点5点とられても、簡単にあきらめない。 チームとしての仲間意識が強い。チーム為に自分の役割を果す人が多い。 新井貴浩監督が選手をやる気にさせている。 私は新井監督の選手のやる気を高めている点を一番に取り上げたい。 新井監督は、「今までの監督はベンチの奥で眉間に皴を寄せて采配を振るっていたが、私はそんな態度はとりたくない」という。 選手の輪の中に入り一緒に闘っていきたい。 勝つと先頭に立ってベンチを飛び出していく。 新井監督は、その日結果が出た選手に対して、日頃の練習態度や生活態度をたたえる。 8月26日のヤクルト戦後の新井語録から紹介したい。 デビットソンのホームランに対して、「彼はずっと頑張っていますから。本当にホームランはベンチでも助かりますし、これも彼の日頃の努力と打撃コーチのサポートのたまものと思います」 猛打賞の野間選手に対しては、「打ってよし、守ってよし、走ってよし。何も言うことはありませんよ。本当に頼りになる選手です」 「序盤4点差がありましたけど、まだこれからいくぞ。ベンチではそうい雰囲気がありました」 新井監督は選手が努力して成長し、結果を出してくれた点を最大限に評価している。 逆に結果が出なかった選手を叱りつけることはしない。 反省して次に活かしてほしいというコメントばかりです。 3回の守備のミスとけん制死については、「攻めていった結果のミスだと思います。積極的に攻めていく中でのミスは問題ない。野球にミスはつきものだし、取り返すチャンスはたくさんある。トライしてエラーして、それを繰り返して経験して、力を付けていくものです」 4回5失点の森下投手に対しては、「(4回の打席で代打を送ったのは)追いかけないといけなかったので。森下もいつもいつも、いい投球ができるわけじゃない。前回は素晴らしいピッチングだったし、そういう日もありますから。彼ぐらいになったら、自分で客観的に見て、反省して修正できる。次の登板に期待します」 佐々岡前監督のチーム成績は5位と低迷していました。 新井監督は佐々岡監督が若手投手を育ててくれたことに最大限の賛辞を送っています。 今年の躍進は佐々岡前監督が種を蒔いてくれたおかげと言っているのです。 新井監督はドラフト6位の入団で、あまり期待はされていませんでした。 その後の努力で名球会入りを果たした人です。 そういう人は挫折の経験が数多い。 これが人間としての包容力をもたらしているのではないか。 これは私達にも参考になります。 相手をよく観察して努力しているところを評価してあげる。 ミスや失敗は批判や叱責をしないで見守ってあげる。許容する。 ミスや失敗を次の挑戦の糧にしてほしいという気持ちを伝えて激励する。 選手それぞれの飛躍や成長する姿を自分のことのように喜ぶ。 これは意識しないとできるものではありません。 逆になると、人間関係は簡単に壊れてしまいます。 一旦壊れたものは、修復は不可能と心得たいものです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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