カテゴリ:観念重視から事実重視への転換
学校の黒板を作っているSAKAWAという会社があります。
この会社がここ8年間で急成長しました。 従来の黒板を作っている限りここまでの成長は望めなかったと思われます。 この急成長の原因は学校用プロジェクター「ワイード」の開発にあります。 この製品は黒板との相性がとても良い。すでに5000教室に導入している。 これからもどんどん拡大が望めます。 日本の黒板を大きく変えていく可能性があります。 これは天井にあるプロジェクターから黒板に自由に画像が投影できます。 先生はあらかじめ必要なことをパソコンなどで作っておいてすぐに投影できます。 最初から黒板に書く必要ありません。図形などもあらかじめ作成します。 メリットとしては、時間の使い方が格段に効率的になります。 空き時間が無くなるので生徒が授業に集中しやすい。 また写真などの映像を取り入れることで生徒の興味を引くこともできます。 一番の特徴は、黒板に投影された映像上に自由に手書きができることです。 映像と手書きのコラボが簡単にできるようになったのです。 取り扱い方も簡単にできる。これを導入している先生の評判がよい。 この会社は100年以上続いている会社だそうですが、従来の黒板だけを作っている限り成長は望めませんでした。 売り上げが伸びない会社では情熱がなくなり、ますます悲観的な気持ちになっていたと思います。 最悪廃業せざるを得ない状況に追い込まれていたと思われます。 この会社が成功したのは現状を価値批判しないで素直に受け入れたことにあります。森田でいえば「かくあるべし」を押し付けないで、事実をあるがままに認めることができたということです。 事実を認めることができるようになると、今の黒板の問題点が見えてきました。 2009年以降教育業界では、電子黒板という製品が出回っていました。 SAKAWAでも販売していましたが、たいして普及はしませんでした。 学校現場では「使い方が難しい」「機材を置くスペースがない」「黒板との相性が悪い」「画面が小さい」等の問題があり、積極的な導入には至りませんでした。 SAKAWAでは使い勝手のよい新たなプロジェクターの開発に取り組んだ。 プロジェクターは天井に取り付けるものを開発した。 つぎに教室では先生や生徒が自由に動き回ります。 そのためスペースをとらない、影が映らない、配線ケーブルが邪魔にならない、1M以内で投影できる超短焦点機材の開発が不可欠であった。 さらに縦1200㎜、横3000㎜のウルトラワイド16:6というアスペクト比に対応するプロジェクターを作る必要がありました。 試作品を教育現場で見てもらったところ、決まったところにしか投影できないのは不便だという意見があった。 自由自在に投影場所を移動できるものが欲しいということだった。 例えば国語では右から縦に板書するので、投影は左にしてほしい。 英語や算数は左から横に板書するので画像投影は右にしてほしい。 これらの問題点を改善して2016年ワイードが完成した。 この商品は画期的なもので教育現場で歓迎された。 そのおかげで傾けかけていた会社が息を吹き返してきた。 従業員の仕事に対するモチュベーションが上がってきた。 働くことが楽しくなった。社内の人間関係がよくなってきた。 さらに世の中で役立つ商品を開発してゆきたいということでした。 この話は欠点や弱点を非難・否定するのではなく、そのまま受け入れて、課題や目標を持って生きることがいかに大切であるかを教えてくれています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.05.01 06:37:37
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