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カテゴリ:実践!企業価値評価
JFEホールディングスの決算・財務分析 1日1分!企業分析 本日の日経注目企業の分析
■注目した記事(6/26 9面) 鉄鋼、海外大手と提携強化 連合作り、中国勢に対抗 新日鉄 ブラジル社に追加出資 JFE 独社と技術協力を拡大 ■記事への素朴な疑問 鉄鋼大手各社が、海外鉄鋼大手との提携を強化するようです。 落ち込んだ鉄の需要が中長期的には伸びると予想されること、 中国での新たな業界再編の圧力があることから、 将来の経営力確保のために連合作りを行っているようです。 JFEは独鉄鋼大手ティッセン・クルップと自動車の外板に使う 高付加価値の亜鉛めっき技術で提携します。 また、同子会社と缶の材料に使うブリキでの技術協力も決め、 アルミ・ペットボトルなど容器素材の多様化が進む中、 ブリキを薄く加工する技術などを持ち寄り競争力を高め、 市場開拓に繋げる考えです。 本日は、鉄鋼大手のJFEスティールを傘下に持つ JFEホールディングスを取り上げます。 これまでの同社の経営状況はどうだったのでしょうか? それでは、直近期08年(平成19年4月1日~平成20年3月31日)まで 5年間の財務状況を基に分析を行います。 JFEホールディングスの決算・財務分析はこちらから ※無料会員登録をすると全上場銘柄の分析が閲覧できます。 ■JFEホールディングスの損益計算書P/Lの視点 売上は順調に増加、利益は06年より横ばい又は下降傾向です。 08年の各指標と伸び率は以下の通りです。 売上高 3.5兆円 (9%増) 営業利益 5100億円 (1%増) 純利益 2600億円 (13%減) 08年の純利益の減少について有報でさっと確認すると、 廃棄物処理施設に係る特損を計上したことが、減益の主な要因のようです。 JFEホールディングスの決算・財務分析はこちらから ※無料会員登録をすると全上場銘柄の分析が閲覧できます。 次に、実際のキャッシュの流れを見てみましょう。 ■JFEホールディングスのキャッシュフロー計算書C/Sの視点 常にFCF(フリーキャッシュフロー)プラスですが、 営業CFは例年4000億円の横ばいになる一方で、投資額は増大しています。 財務CFは常にマイナスで、配当金、返済を続けています。 08年の営業CFは4400億、投資CFはマイナス3000億円、 財務CFはマイナス1300億でした。 投資額は積極的に増加していますが、営業CFが横ばいのため、 FCFが減少してきています。今後の投資・回収のバランスに注意が必要です。 JFEホールディングスの決算・財務分析はこちらから ※無料会員登録をすると全上場銘柄の分析が閲覧できます。 それでは、JFEホールディングスの貸借対照表B/Sを見てみましょう。 ■JFEホールディングスの貸借対照表B/Sの視点 総資産は07年の3.9兆円から8%増の3000億円増加し、08年は4.2兆円でした。 変化の内訳としては、たな卸し資産が1400億増加し、 短期借入金が800億減少、長期借入金が1800億増加したことが目立ちます。 資産の大勢を占める有形固定資産は、 総資産の44%、株主資本は36%となっています。 JFEホールディングスの決算・財務分析はこちらから ※無料会員登録をすると全上場銘柄の分析が閲覧できます。 ■JFEホールディングスの分析まとめ 売上は順調に増収、利益は06年より横ばい・減少傾向です。 (損益計算書P/Lの視点) 常にFCFプラスですが、営業CF横ばいになり、 投資額が増大しているため、FCFが減少してきています。 (キャッシュフロー計算書C/Sの視点) 総資産が8%増加し、在庫が積み上がり、借入が増加しています。 (貸借対照表B/Sの視点) セグメント別の業績を見ると、同社の鉄鋼事業は順調に売上が拡大し、 08年売上3.2兆円、営業利益率16%と他事業を圧倒しています。 本日の記事にもあったように、 独大手と手を組み高付加価値技術で競争力を高め、 今後の中国勢の業界再編に備えているとありますが、 中国では政府主導の再編が進展し、今春、 年産能力5000万トン以上の鉄鋼会社を複数育成する方針を決めています。 すでに新日鉄並みの規模を持つ宝鋼集団(3500万トン)や、 武漢鋼鉄集団(2700万トン)などに、中小鉄鋼会社を束ねていく計画です。 規模拡大による生産コスト減少だけでなく、 研究開発による高品質も目指しています。 一方、2007年まで積極買収で規模拡大していた 欧アルセロール・ミタルについては、 年1兆円規模で負債削減し、減産・資産売却を進めています。 同社が筋肉質の経営に復活して欧による圧力が戻り、 そして上述の中国の攻勢も重なれば、 資金力に欠ける日本企業にとっては脅威となるため、 今後の技術提携等を踏まえた鉄鋼大手の将来戦略にますます注目ですね。 JFEホールディングスの決算・財務分析はこちらから ※無料会員登録をすると全上場銘柄の分析が閲覧できます。 以上の分析でご不明な点等ございましたら、 是非シェアーズまでご連絡ください。 感想もお待ちしております! support@shares.ne.jp お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年07月02日 10時00分20秒
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