内橋克人さんがインタビューで「『貧困の装置化』に対抗して食料、介護、エネルギーの自給圏を志向すべき」と説いているので、紹介します。内橋さんは橋下さんの「ハシズム現象」を批判しているが、大使はこの点に関しては、もう少し様子を見ようと思っています。
内橋克人さんへのインタビュー
<貧困の多数派 歯止め>
(デジタル朝日ではこの記事が見えないので、1/8朝日から転記しました・・・そのうち朝日からお咎めがあるかも)
Q:現代日本の問題点はどこにありますか。
A:日本社会でも新たな階層が生まれてきている。国民皆年金など基礎的な社会保障からさえも排除された人たちが多数派となる「貧困マジョリティ-」だ。グローバル化やマネー資本主義が進み、非正規雇用が増えて中間層が崩壊する社会の到来は、危険な時代への予兆ではないか。
Q:貧困マジョリティ-の特徴とは。
A:米国はじめ国内外の最強の秩序形成者に抵抗する力もなく、生活に追われて政治的な難題に真正面から対峙するゆとりもない。同時に、精神のバランスを維持するために「うっぷん晴らし政治」を渇望する。政治の混乱を面白がり、自虐的に、極めて反射的に、表面的に評価して、選挙権を行使する。大阪市の「ハシズム現象」も貧困マジョリティ-の心情的瞬発力に支えられている面が大きい。「地方公務員は特別待遇を受けている」とバッシングし、閉塞状況下の要求不満に応えていくやり方だ。
Q:政治に対する閉塞感が国民の方向性を誤らせるということですか。
A:「政治のリーダーシップ不足」と言われるが、民主政治を基盤とする国でのヒーロー待望論ほど異常なものはない。日本古来の「頂点同調主義」に加え、意義を唱える者を排除する「熱狂的等質化現象」が一体となる。「うっぷん晴らし政治」の渇望を満たそうとすれば、1930年代の政治が繰り返される。グローバリズムが生み出した「貧困ファシズム」の培地となりかねない。
Q:政治課題は山積しています。
A:いまの政党政治は一挙に崩れる可能性がある。今年は多くの国で政権交代が起き、政治的に極めて流動化する。グローバル化の流れは変わらず、貧困マジョリティ-を生み出す「貧困の装置化」が進んでいる。消費税増税によって、零細企業や地方経済を支えてきた地場産業は、価格転嫁できずにコスト引き下げを迫られる。所得税なら稼いだ人がたくさん納めるが、日本型消費税は「貧困の装置化」の手段になる。
Q:日本の政治は何を目指せばいいですか。
A:私は新たな基幹産業として「FEC自給圏」を提唱してきた。FはFoods(食料)。日本の穀物自給率は世界で124番目だが、食糧自給は国の自立条件で新たな産業も形成する。EはEnergy(エネルギー)。再生可能エネルギーとしてデンマークでは風力発電、太陽熱発電を推進し、エネルギー自給率が今では200%近い。日本は国策として原発に集中し、ほかの選択肢を排除した。CはCare(介護)。市場に任せるのではなく、社会による介護自給圏を形成すれば北欧諸国のように強力な産業になる。
「うっぷん晴らし政治」ではなく、世界のモデルに目を向け、食料、介護、エネルギーの自給圏を志向すべきだ。地味でもいいから、グローバル化の中で、それに対抗できる「新たな経済」を作ることが本当の政治の役割りだと思う。
(聞き手:園田耕司)
|
京大の佐伯教授は独裁を生み出すものが民主主義であり
橋下現象は必然であると説いています。
このところ、マニフェストの看板を下ろし続けている民主党の体たらくがあり・・・・
つい橋下さんに期待したくなるのだが、内橋さんがこうまで批判すると迷ってしまいます。