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2012.04.05
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カテゴリ:歴史
ちょっと中断があったけど、あいかわらず『中国化する日本』を読み進めています。
すでに中国脅威論に染まった大使にとって、この本の読み方が、どうしても「敵の本質とは何か?」という読み方になってしまうのです。

それにしても、中国が嫌いなはずの与那覇先生は、そういう感情を表に出さず、中国を客観視して述べるところが、さすが歴史学者という感じで・・・・歯がゆいのです。

・真説「大東亜戦争」p206~209
・真説田中角栄p223~225
・人権は封建遺制であるp267~271
*********************************************************************
『中国化する日本』5 >目次
・真説日中戦争1p197~200
・真説日中戦争2p203~205
*********************************************************************
『中国化する日本』4 >目次
・真説明治維新p120~123
・真説自由民権p138~140
・工業化された封建制p167~169
*********************************************************************
『中国化する日本』3 >目次
・明朝は中国版江戸時代?p61~63
・窓際族武士の悲哀>p103~105
*********************************************************************
『中国化する日本』2 >目次
・「中国化」とは本当は何かp15~17
・真説源平合戦p43~45
『中国化する日本』1

*********************************************************************

<真説「大東亜戦争」>p206~209より
 中国戦線が行き詰まるにつれて、「東亜共同体」や「大東亜共栄圏」といった、グローバルとまではいかずともリージョナル(地域統合的)な政治理念が語られ始め、最後は「近代の超克」という形で、西洋近代をも超えた真の世界文明を東洋から築くのだという、普段ならどっちかというと中国人がいいそうなことを口にする日本人まで現れたのは、その証左でしょう。
 むろん、尾崎秀美のように本気で中国革命に共感していたごく少数の例外を除くと、その多くは単なる跳ね上がりだったかもしれませんが、どうも中華文明型に「国のかたち」を変えないとこの戦争は勝てないのではないか、という直感を抱いた日本人は、必ずしも少なくなかったように思います。
 こうなると、当の中国人を殴りながら「東亜共同体」の看板を掲げるという状態は、日本の侵略非難の一点に特化した国民政府の大義名分に比べて「中華」としてのアピール力の点で随分劣ることがいやでも目についてきますから、コンプレックスが溜まって鬱々としてくる。「どう考えても日本人の方が、中国人より道徳的で高邁な理想を追求しているんだ!」という自信が持てるような、憂さ晴らしがやりたくなってくる。
 結果、日中戦争までの「暗い昭和」になんとなく悶々としたものを感じていた人々も、対米英開戦という「大東亜開放」への決断をみて大いに溜飲を下げるということか、「ここまで壮大な大儀に賭けるわけだから、もうこの戦争の遂行にウジウジすることはない」とばかりに気持ちがスカっとして、いかなる破滅が待とうとも勇んで戦線へまっしぐら―真珠湾攻撃(1941)に際して日本人の表情の曇りが晴れて、奇妙な爽快感が吹き抜けたとは、多くの文筆家や一般庶民が回顧するところです(加藤陽子『それでも日本人は「戦争」を選んだ』)。
 こうして、戦国時代以来の無思想で内向きな日本人が、めずらしく外向けで華々しい、世界で普遍的に通用することをめざした政治理念を掲げていくという流れのなかで、日本社会の一部に「中国化」の流れが甦ります。
 (中略)

 加えて、江戸時代以上に分権的(ゴネ得的)な明治憲法体制では、とてもじゃないですが国家一丸になった戦争はできないので、集権的でトップダウンの政治体制を模索する動きが出てきます。東条英機が組閣当時に首相・内相・陸相をひとりで兼務し、後には「統帥権の独立」を自ら侵して参謀総長まで兼ねたのは、閣内不一致と「首相押込」のメカニズムに対抗するためで、傘下の特高警察や陸軍憲兵を思うままに操って、自身に反対する勢力を脅迫し、力で抑え込む恐怖政治を展開します―まさに「皇帝専制」ですね。
 東条はこのほか、ヒトラーに倣ってオープンカー・パレードや映像メディアへの露出を繰り返す一方、「将軍様」ばりのお忍びで国民生活を観察し庶民派ぶりを演出するなど、彼なりに工夫しながら絶対権力の確立に力を注いでいます。戦争動員のための総力戦体制の下、経済社会の構造が「再江戸時代化」していったのに対して、政治権力の面では「中国化」が進展していたのです。

 もっとも、ここからがブロン社会・日本の難しいところで、独裁者東条といえども完全な中国皇帝にはなれませんでした。第一に、日本には権力者である将軍様のほかに権威者としての天皇陛下が常にいますから、いくら東条でも昭和天皇の意向だけは無視できない。第二に、さすがに一人で全大臣の兼任はできないので、「首相押込」の構造を全廃することは叶わない。
 そんなこんなで結局、宮中の内意を受けたかっての腹心・岸信介に閣内不一致の引き金を引かれて、戦争半ばで東条内閣は総辞職します。かように無謀な戦争の遠因となった「」の制度や思考様式が、一方で確かに独裁政治に対する歯止めとしても機能していたところに、近世以降の日本社会の功罪を論ずる際の難しさがあるのです。

 中途半端な「中国化」が悪かったのか、茶坊主がしゃしゃり出る明治憲法体制が悪かったのか?・・・・再江戸時代化は独裁政治への歯止めとして機能していたそうです。



<真説田中角栄>p223~225より
 もっとも、徳川の平和が250年も続くと関が原の合戦時に予想した人が(たぶん)いなかったのと同様、自民党が40年近くも武士階級のごとく政権を独占すると、最初から決まっていたわけではありません。実際、1950年代後半は三井三池闘争(1960年終結)に至るまでの労働攻勢と、やはり60年安保で絶頂をつけた、岸伸介の親米再軍備路線に対する国民の反感を追い風にして、年々革新政党の支持率は増加傾向にありました。
 かような状況下で1960年代、池田勇人政権が打ち上げた高度成長路線とは、安全保障を争点から外し、かつ地方のムラの人々を会社という「都市のムラ」へと引越しさせる政策でした。いわば、都市化と経済成長を通じて「新しい江戸時代」への満足度を大幅に高めることで、保守政権の延命に成功したわけです。
 しかし、そもそも農地改革によって江戸時代冒頭の状態に戻してもらって以来、零細農家は農協という新しい村請性に組織されて、地方農村は保守政党の強力な集票基盤になっていますから、よく考えるとこれは、自民党にしてみれば自分で自分の地盤を切り崩すことで支持率を上げるというタコが自分の脚を食って生きながらえるような話だったのですね。実際、戦国時代と並ぶ日本人の生活の激変期と称する歴史家も多い高度成長期を通じて、自民党の衆院占有議席数は、当初の3分の2ラインから徐々に過半数ライン近辺へ、ジリジリと低下していきます。
(中略)
 この窮地を「より徹底した再江戸時代化」によって救った人物こそ、当時今太閤と持て囃された、かの田中角栄でした。「国土の均衡ある発展」を唱えた角栄は、種々の規制政策によって都市部大企業との競争から地方中小企業を保護する一方、公共事業を通じて経済成長の成果を農村地域へ一方的に還流させることで、よくいえば「わざわざ都会へ出稼ぎに来なくてもお百姓さんが田舎で暮らしていける社会」、悪くいえば「保守政治家が地元を補助金漬けにして永遠に支配し続ける社会」を築くことをめざしします。
 結果、実際に田中が首相となった1972年の前後から、都市部への人口流入が止まり、都道府県間での所得格差が縮まってかわりに、経済成長率も鈍化するという現象が出現します。実は、これは鎖国という貿易規制によって沿海大都市の発展に歯止めがかかる一方、内陸諸藩の地方都市が中途から繁栄した江戸時代の経済史を、文字通りそのままなぞりなおすものでした。
 かくして「地方は自民党、都市部は野党ないし無党派層」という、今日の選挙でもおなじみの勢力地図がいよいよ確定するのですが、これは選挙で自民党が、これは選挙で自民党が負ければ負けるほど、農村基盤のプチ角栄のような自民党議員の比率が党内で高まることを意味するので、田中流の再江戸時代化政策を転換することは、ますます困難になります。

「地方は自民党、都市部は野党ないし無党派層」という再江戸時代化を推進した角栄さんではあるが・・・中国化を推進した小泉さんよりは罪が軽いのではないかと思うのです。


<人権は封建遺制である>p267~271より
 中国社会の怖さ、とはなんでしょうか(しつこいですが、中国という国家の軍事力の怖さ、とは無関係です)。おそらくそれは、法の支配や基本的人権や議会制民主主義の欠如でしょう。
 私たち日本人は、少なくとも日本国憲法ができて以来、これらの制度をそれなりにきちんとした形で持っているので、それがまるで欠けているように見える中国を、軍事的・経済的には超大国になったとされる今でも、どこか「怖い国」「遅れた国」「野蛮な国」とみてしまう癖がついています―こと中国関連となると、チベット/ウイグル地域での民族問題や、高速鉄道事故など「いかにも」なネガティブ・ニュースにばかり飛びついてしまう人が多いのは、その証左でしょう。
 しかし歴史的に考えれば、これは逆なのです。
 中国というのは本来、人類史上最初に身分制を廃止し、前近代には世界の富のほとんどを独占する「進んだ」国だったわけですから、むしろ、「なぜ遅れた野蛮な地域であるはずのヨーロッパの近代の方に、法の支配や基本的人権や議会制民主主義があるのか」を考えないといけないのです。中国近世の方がより「普通」の社会なのであり、西洋近代の方が「特殊」なんだと思わないといけない。
 実は、その理由は簡単に説明できます。西洋型の近代社会を支えるインフラであり、また他の社会と比べてその最大の魅力となっている法の支配や基本的人権や議会制民主主義とは、もとはといえば、どれも中世貴族の既得権益なのです。
 俺様は貴族だから、公平な裁判なしに、王様の恣意で処刑されたりしない(法の支配)。俺様は貴族だから、不当に自分の財産を没収されたり、令状なしに逮捕されたりしない(基本的人権)。俺様は貴族だから、自分たちが代表を送った議会で合意しない限り、王様の増税や戦争には従わない(議会制民主主義)―そう。身分制という「遅れた」時代に生まれた特権が、実は現在の人権概要の基礎をなしている。 

この章には与那覇先生の本音(中国嫌い)が現れていると、大使は思うのですが・・・・
先生は、立場上なかなか、嫌いという感情的な言葉を使いませんね。(学者として当然です)





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Last updated  2012.04.05 23:22:15
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