◆中国4大銀行のアナリストが語る・中国経済の実態
●高速鉄道で争っている中国と日本だが、このたび紆余曲折の末、インドネシアが中国に発注するということにしたようだ。ところが不思議なことに、この報道、中国政府筋からあまり国内に流されてない様子で、中国メディアは、日本のメディアの報道を引用して、中国が商談に勝ったらしい?と報道している。普通なら勝った勝ったと喜んで報道するのではないかと思うのだが・・・●どうも何か裏のある話だな~と言う感じがするね。ウェブサイト・レコードチャイナの読者の感想も、あまり勝ち誇ったような感じではない。それどころか、インドネシアの政府保証や資金を使わないで、ほとんど中国の持ち出しではないか?損するだけならやらないほうがましだ・・なんて意見も載ってたね。●それほどにまでして海外受注が欲しかった理由・・のひとつと思われるが、中国農業銀行(4大銀行の一つ)のチーフエコノミストが率直な見解を述べている。海外の外野があれこれ言うのと違い信憑性があるよね>●それによれば、中国経済の困難は、人々の想像を絶する実態だと言うもの。中国経済と金融危機はコインの表裏の関係で、今まさに、刃に3本のロープがかかってる状態だと言う。すなわち、民間の債務、地方政府の債務、不動産や製造業の不良債権であると。●これらが切れたとき、中国経済は危機が顕在化・表面化するのだと。中国において、GDPを伸ばしてきた主なものは、投資であった。インフラ建設、不動産建設、製造業の設備投資がその代表だ。・・が現在、特に製造業の設備は過剰に苦しみ、新規の設備投資どころではない。輸出の落ち込みも激しく、2015年8月は前年比6.1%減で、1-8月でも1.6%減だと言う。●付加価値の低い製品を主に製造していた地区、広州・香港・マカオ等の珠江地区では、人員整理や倒産が増えているとの事。このままだと経済構造が変わらず、一人当たりGDPが今の7000ドル程度から伸びきらず、いわゆる中進国の罠にはまったままになる恐れがあるのだ。●不動産もしかり。幽霊マンションが全国に立ち並び、全体の空家率もきわめて高い。●しからば、消費はどうかと言えば、1~7月で伸びは10%以下となったらしい。日本でも言えることだが、先行きの収入が見込めなければ、人は貯蓄に励み消費しない。株価や不動産価格が不安定で、社会保険も整わない状況で、消費の急成長は望むべくも無い。・・と、率直に語っている。まして高齢化のスピードは速く、生産労働人口は減り始めている。日本の後追いでバブル崩壊・・停滞の同じ道を歩むのか?と言う報道も数多い。●日本や海外から聞こえる、GDP統計のいい加減さ批判や、推計値などから苦難は想像できるが、中国本国の4大銀行のチーフアナリストが、このような見解を出して大丈夫なのか?とも心配してしまうのだ。●今晩も、チワン自治区で爆発テロ事件があり、米国や日本・アセアンなどとも摩擦を抱え、内憂外患の中国だ。日本の新幹線と張り合う高速鉄道は、中国の保有する技術のうちでは、産業構造を変える切り札だ。タイでの受注は日本に負けただけに、どうしても取りたい案件だった。ちなみに国内の全路線が赤字だそうだから、そう言う焦りもあるのかもね。この辺 民間事業者が育ってない中国企業の限界ではないか?●政治にも言えそうだ。オーストラリアの政治家がいみじくも言っていたが、南シナ海の中国の振る舞いはまったく逆効果でしかない・・と。ベトナムはロシア製潜水艦を買い、インドがその乗員の訓練をし、フィリッピンは日本の海上自衛隊に、スービックに来て欲しいと希望を隠さない。日米印の外相会談では中国けん制の包囲網さえ作られそうだ。アジア版ナトーが必要と言う意見さえある。●中国はいったい無謀なのか賢いのか?今後の姿勢が問われそうだね。