カテゴリ:実技・不動産
独学 3級FP技能士 合格講座 中野克彦 なかじまともみ
《問12》 定期建物賃貸借契約について,ファイナンシャル・プランナーが 説明した以下の文章の空欄A~Cに入る語句の組合せとして最も適 切なものは,次のうちどれか。 定期建物賃貸借契約を締結する場合には,(A)によらなければなら ない。この場合,賃貸人は,賃借人に対し,あらかじめ定期建物賃貸借 契約であることを記載した書面を交付して説明しなければならないが, 賃貸人がこの説明をしなかったときは,(B)が無効となる。 また,契約期間が1年以上である場合には,賃貸人は,期間の満了の 1年前から(C)前までの間(通知期間)に賃借人に対し,期間の満了 により賃貸借が終了する旨の通知をしなければ,その終了を賃借人に対 抗することができない。ただし,賃貸人が通知期間の経過後,賃借人に 対しその旨の通知をした場合においては,その通知の日から(C)を経 過した後は,この限りではない。 1) A公正証書等の書面 B契約の更新がない旨の定め C6ヵ月 2) A公正証書等の書面 B定期建物賃貸借契約 C3ヵ月 3) A口頭 B契約の更新がない旨の定め C3ヵ月 解説者:三沢 恭子 (宅地建物取引主任者、CFP(R)、1級FP技能士) 《問12》正解:1 【定期借家権】 定期借家権は、「一定期間だけ建物を貸して、期間が終了したらすんなりと明け渡してもらえる」という契約更新のない借家契約になります。 【過去の出題】 2010年1月3級学科試験(25)不動産「借地借家法」 2009年9月3級学科試験(24)不動産「借地借家法」 2007年5月3級学科試験(21)不動産「借地借家法」 1.契約は、公正証書などの書面によって行う。────── 契約を書面化 2.貸主は契約前に「期間の終了によって更新しない定期借家契約である」旨を 書面を交付して説明する。──────事前の説明 期間が確定している。(3ヶ月間・10年間など) 更新がない(期間満了をもって契約終了) 3.契約満了の1年前から6ヶ月前には契約終了の通知を行う。 (事前の説明をしなかったときは契約更新がない旨の定めは無効となる) 定期建物賃貸借契約の成立要件として、書面化と事前説明があります。 契約は口頭でも成立しますが、定期借家契約では特に「公正証書等の書面」でと明記し、なおかつ「更新のない契約である」ことを明確にするため、賃貸借契約書とは別に書類を交付し説明することを義務づけています。 事前説明をしなかったときは、定期建物賃貸借契約の「更新をしない」という特約が無効となり、普通借家権扱いで契約成立となります。 定期借家権は、借主に不利な内容(更新をしない)が無効にならない特約が認められた借家契約です。 ですから、賃借人に納得して借りてもらうために事前説明がとても重要な意味をもち、また、1年以上の契約では賃借人が満期を忘れていないように終了通知(1年前から6ヵ月前)をすることも義務付けています。通知期間を過ぎてしまったら、通知をしたときから6ヵ月後に契約終了となります。 なお、200平方メートル未満の居住用建物の場合には、一定の理由(転勤・療養・親族の介護など)があれば賃借人から中途解約の申し入れをすることもできます。 最後に普通借家権とのちがいを確認しておきましょう。 ┌──────┬─────┬─────┬─────┬──────┐ │ │存続期間 │契約更新 │契約方法 │ その他 │ ├──────┼─────┼─────┼─────┼──────┤ │ │1年以上 │あり │制限なし │1年未満は期│ │普通借家権 │ │拒絶には │ │間の定めのな│ │ │ │正当事由が│ │い契約となる│ │ │ │必要 │ │ │ ├──────┼─────┼─────┼─────┼──────┤ │ │期間を確定│なし │書面で契約│更新しない旨│ │定期借家権 │長短は自由│ │(公正証書│の書面を交付│ │ │1年未満可│ │でなくても│事前説明 │ │ │ │ │可能) │契約終了の事│ │ │ │ │ │前通知を行う│ └──────┴─────┴─────┴─────┴──────┘ 各論点の基本が押さえてあれば必ず回答できます。 まずは基本!そして特約です。 ────── COPYRIGHT (C) 2011 Kyoko Misawa All Rights Reserved. ───── お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.05.10 12:54:24
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