TDA2822 を矩形波発振器にする - 65.7kHz ~ 136kHz で発振
TDA2822 を矩形波発振器で動かす。前回の日記はシミュレーションである程度目処を立てた所までだった。回路図再掲ブレットボード上に組み立てて動かす。まずは回路図通りの定数で CR Delay part を構成した場合の波形だ。黄トレース Pin1 出力の立ち上がり、立ち下がり, 緑トレース Pin3 出力の立ち下がり部分に戻りが見られる。Hi Side, Lo Side それぞれのトランジスタがスイッチングする時間差がある様に見える。Hi Side は Common collector (Emitter Follower), Lo Side は Common emitter なので波形の質は初めから気にしない回路だ。それよりも振幅を如何に大きくするかに力を入れた回路が TDA2822 だ。発振周波数はほぼ狙い通り 65.7kHz だった。CR Delay part の抵抗 R2 を 10kΩから 6.8kΩに下げてみる。発振周波数 82.2kHz になり、素直に高くなった。Pin1 の出力に対して Pin3 が遅れる時間が目立ってきたか。ある程度 Pin1, Pin3 とも Lo, Lo あるいは Hi, Hi で重なっていた方が扱いやすい場合もある。R2 の値を 1kΩ ~ 10kΩ の間で変えた場合の発振周波数の変化は次の通りだ。出力から入力に戻す帰還回路に入れた DC cut のための C, R の影響は少なめだ。以下、R2 の値と出力波形を見ていく。R2=4.7kΩR2=3.3kΩR2=2.2kΩR2=1kΩ136kHz で発振させるのはオーディオ帯で使う事を意図したアンプでは無理があるか。Pin1, Pin3 間の遅延(位相ズレ)が目立ってくる。出力中点電位の参照電圧を維持する C3 を減らして、Pin1, Pin3 間の遅延を減らそうとしてみると、リンギングが出てくると言うか、別の周波数で発振しだす。増やしてみると波形が鈍り、始めに気にしていた戻りが減る。昇圧・反転電源回路に使うための発振器に使う目的ならば十分な波形だ。