
シチリア島の地図のお土産
シチリア王国はラテン・カトリック、ビザンチン、イスラムの3つの文化
ところが11世紀になると、今度はノルマン人(1066年にブリテン島=イギリスを征服したあのノルマン人です)がシチリアに進出を始め、やがて1130年にはルッジェーロ2世のもとでシチリア王国が成立します。シチリア王国は13世紀には最盛期を迎え、ラテン・カトリック、ビザンチン、イスラムの3つの文化が競い合う首都パレルモの王宮を中心として、当時のヨーロッパの最先端を行く国際的な文化が開花するのです。
『中世シチリア王国』(講談社現代新書引用)の中で著者の高山博氏は、現在のパレルモの旧市街の様子を次のように述べています──
南国の植物に囲まれたこれらの異国風な建物を見ていると不思議な感覚に襲われる。ここは、本当にヨーロッパなのだろうか。イタリアのどの都市とも違う。むしろ、イスラム文化圏に属する北アフリカのモロッコや、あるいはスペイン南部のグラナダやコルドバを思い浮かべてしまう。しかし、これらの遺跡は、実は、イスラム教徒たちがこの町を支配していた時代のものではない。アラブ人の後シチリアを征服したノルマン人の時代に築かれたものなのである。パレルモを歴史の中心に引っ張り出したアラブ人たちの遺跡はほとんど残っていないが、ノルマン期に作られた数々の建築物がイスラム文化の影響を色濃く漂わせているのである。(p. 13)