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山口小夜の不思議遊戯

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2005年11月30日
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 新聞でさえ郵便として村長(むらおさ)の家に一括して届く相生村では、テレビといえども村中で数台しかなかった。

 持っていたとしても、周囲の山に電波をはばまれて、あまりよく映らないのだ。沢田研二(鳥取県出身)の出場する年末恒例「紅白歌合戦」などは、村長(むらおさ)の家になんと2m四方のスクリーンを持ち込み、そこにテレビ画面を映して、村中総出にてやんやの大騒ぎの上、鑑賞する。

 テレビだけでもこの状態なのだから、ふつうの日でも雨など降ってしまえば、必然的に子供たちの娯楽は限られてくる。
 おのこは木彫りに紙工作、あまっちょはお手玉やあや取り、そして双方に共通する暇つぶしとしては、読書があげられた。里の子たちは、おそらく都会の子供たちの倍数は本を読みこなしていただろう。

 また、虚飾のない自然のただ中で育っているせいか、彼らは本物を見抜く透徹した目と、芸術的感性に長じていた。

 以前、図画の時間に先生が大きな氷を教室の真ん中に置き、「氷の中に見えるものを描きなさい」とだけ指示した。子供たちは氷をまるく囲んでさっそく何やら熱心に描き始め、全員仕上げてみると、誰ひとりとしてそのまま写生をした者はなかった。
 お城、花、飛行機──それも一色の濃淡のみで描いたり、ありもしない色使いをしたり、誰に言われなくとも、氷の中にありありと自分の世界を見るだけの芸術性を、相生村の子供たちはみな自然に具えていた。それだけに、芸術に対する審美眼も発達させていた。

 そんな子供たちの中にあって、豊はとうとう皆の要望に折れて、以前綾一郎が二十世紀梨のダンボールの底から見い出した「名作文学パロディ版」が流出するにまかせていた。

老人とウニ
アンナ、カレー煮な
歯がために金(かね)が要(い)る

 どれもあっけにとられるほどバカバカしいネーミングであったが、それはともかくとして、小夜は里のどの子であっても、題名はもちろん内容のどの部分が名作のパロディであるのか充分に理解している上で笑っている点に驚いた。子供たちは全員、分校の本棚に入っているほどんどの文学全集を読破しているようだった。

 小夜もまた、あれから自作の物語を読ませてくれとせがまれることが多くなったが、そういった‘本物を知る’子供たちの心をとらえる物語を作っていくのは困難を極めた。

 しかし何枚も何枚も書き直させ、幾度の推敲の筆への尽力を惜しまなかったのは、ほかならぬ豊への競争心からだった。そしてこの豊と小夜を競争させるという采配は、結果として綾一郎の名をも持ち上げることになった。彼は一国の平凡な大将の名を返じて、芸術の保護者たりえたのである。

 だが、このところの相生の躍進を快く思わない者もあることを、綾一郎は勘づいていた──。



 本日の日記---------------------------------------------------------

 作品の題名を見て──「本物のアホだこいつ・・・」と思っていただければ小夜は報われます。
 内容も・・・小夜の作品をパロったときのように、豊ワールド炸裂!といった感じのものだったとご説明すれば、そのナンセンスギャグ度がいかばかりであったのか、お察しいただけると思います。

 ですが、これらの数々も、やはり永遠に失われてしまっているのです。(もしかしたら密かに持っているのかもしれないけど)。
 今日、題名だけでも皆さまの目にとまることがあったなら、おかげさまで幻の作品たちも「陽の目を」見せていただけたことになると思います。作者に成り代わって御礼申し上げます。ありがとうございました。

 ええと。
 その本人も今はきちんと研究などしております。
 十二支でしたね。どこまでいったんでしたっけか。

 【十二支考】─年賀状に役立たない知識(その3)─

 【卯】
 卯は扉を開く形、あるいは植物の芽が地表に現われて、双葉として分かれた状態を表わす象形文字です。
 双葉はどこかウサギの長い耳にも見えますが、すばしこく動くウサギのように、その状態はあっという間に終わってしまいます。また卯は「茂」という文字にも通じ、卯の月(三月)に植物が地上に繁茂していく様を、繁殖力の強いウサギの姿に重ねています。

 【辰】
 辰の由来は、「震」という字です。辰の月(4月)には、地面を震わすように陽の気が大きく動き、一気に春爛漫の季節が到来します。そのなかで地上のすべての生物が大きく奮い立ち、成長してダイナミックに変貌をとげるときです。その様子を架空の動物であるタツ、すなわち大きな龍がうねり、動いて世界を覆いながら一変させるイメージにたとえたのです。また、春は雷が多い季節でもあり、震は「雷」に通じる文字でもあります。

 【巳】
 巳の文字は「起」に通じます。巳の月(5月)は陽の気が立ち上がって天まで届き、最盛期へ向かっていく季節。世界は陽の気一色となり、陰の気がまったく隠れてしまうときです。そんな陽の気に誘われて、万物が身を起こして地表に出現するときであり、普段はひっそりと生きているヘビまでが地上に出てくるのです。巳という文字は、現われたヘビが屈曲して、尾を垂れた姿を象っているとされています。

 【午】【未】【申】はまた明日に!

 明日は●豊、綾一郎に忠告す●です。
 相生に危険が迫っているというに・・・・・あくまでもマイペースな奴です。
 タイムスリップして、綾一郎を怒らせた、彼らしい言葉を聞きにきなんせ。


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最終更新日  2005年11月30日 07時06分55秒
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