与えられた仕事を、不平たらたらこなしている人は多い。そんな人は、ほとんどの場合、上司や会社がダメだからといっている。自分はもっと高度な仕事ができる。くだんの人は、そう本気で思っている。
有能だと思っていた社員を、引き抜いたことがある。失敗だった。自分が目立つ仕事だけがしたくて、支える仕事を軽んじていた。
他部門の垣根の向こうにいた人だったので、だまされてしまったのだ。変だなと感じたら、だれもほめてくれないようなことでも、自ら進んで実施すべきである。思い切って、改善を進言すべきである。
進言が受け入れられたら、プロジェクトの裏方に徹する。以前「強いチーム」について書いたことがある。強いチームは成功するプロジェクトに通ずる。必要な人材は、引っ張る人、まとめる人、いやす人の存在である。
組織の厚い壁にはばまれて、何もできないと思っている人は愚かだ。筆者はそういっている。久し振りに爽やかな読後感の本にであった。出る杭になろうよ。辞める社員のほとんどは上司や組織がその理由。辞めて転職した人のほとんどは同じことをくり返している。つまり成功していない。まったく同感である。
読んでみてもらいたい。野村恭彦『裏方ほどおいしい仕事はない』(プレジデント社)は、辛口ですっきりとした後味の本だ。甘いのも、甘えるのもダメ。実践するには、ちょっと勇気がいるけれど、ぶつぶつだらだらの毎日よりも、張り詰めた仕事への扉をあけてみないか。お勧め。