テーマ:映画館で観た映画(8348)
カテゴリ:日本映画
見てきました。 行ったのは水曜日のレディースデーなので混んでました。 おばさんたちがいっぱいでした。 昔、数学の方程式を、イコールをきちんとそろえて、ノートに少しづつ式を展開させて解いていくと、最後にきれいに正解が出て、頭の悪い私でもルールどおりに問いていくときちんときれいな展開式が出来上がって、確実に絶対の正解がでてくる。 その式を眺めながら、数学って美しいなって思ったものだ。 その後、数学を好きな人たちはみんな数学は美しいって思っていることを知った。数学の問題を解きながらノートにきれいに並んでいく数字と数式。 きれいにきちんと書こうとすればするほど数式の美しさは際立ってくる。 私が見た数学者の数学への愛と悲しみを描いた映画はこれで二作目。 一作目はなんといってもあの『ビューティフル・マインド』です。 『博士の愛した数式』は、『ビューティフル・マインド』ほどの悲壮さはなくて、深津絵里演じる家政婦さんの存在によって、彼女の目を通した博士は寂しそうでありながら、数学への愛で満ちているぶん逆にとても幸福に見える。 博士が主人公やルートに数学を教える時、あまりにもやさしくて。 博士の問いかけに対しての相手のどんな答えに対しても、博士はこの上なくうれしそうに驚き、感動する。 そのこの上もないうれしそうな対応に、私は日ごろの自分を恥ずかしく思った。娘がわからないといって私に数学の問題を聞いてくるたびに、どうしてこんな問題解けないのと、声には出さなくても私の体から発せられる怒りモードに、彼女はすくみ上がって、解き方を教える私の問いにもなかなか答えず、あるいは自信なさげに小さな声でそっと答える。そして、こんなことで高校受験は大丈夫なのかと母としては当然な不安で頭がいっぱいになり、最後は娘を泣かせてしまうことが何度もある。 負けてるよね。絶対まけてるよね。数学への愛が。当たり前だけどさ。 博士の数学への愛の深さと量に、私はぜーんぜーん届いてないなー。 博士の数学への愛は、まわりの人たちに数字の美しさやすばらしさやどんなに自分が数学を愛しているかを切々と語る。 数学が得意なんて私の思いこみは見事に撃破された感じだ。 うーん。 もっと素直にストレートに数学を愛して、きちんと数学の美しさを伝えないといけない。私は博士に負けないくらい数学を好きになって、娘にちゃんと伝えなくっちゃ。 てんこ盛りの反省です。 映画の中で博士の家はすごいガラス張りなのです。 深津絵里がキッチンで料理を作る時、後ろはぜーんぶガラス窓。 だから部屋の中がすごく明るい。 しかも、夜になると外から、家の中で博士と深津絵里とルートが三人で食事をとるシーンが見える。 夜暗い中、外から明かりのついた室内を撮ることで、とても明るい暖かい雰囲気を伝えることができる。 物語は桜の咲く春の前後で、しかも地方のことなので少し寒い。 深津絵里は劇中たいていセーターかトレーナーを着ていたので寒いんだろうな。あんなにガラス貼りの家は実際には寒くてたまらないんじゃないだろうかと映画を見ながら考えてたんだけどさ。 原作を三分の一くらい読んだところで、映画を見に行ったんだけど、その上小説読む前から深津絵里のポスターを見てたので、原作と映画の違和感ゼロでした。両方が微妙に絡み合って。 階乗も、完全数も友愛数も初めて知りました。 数学の世界はかぎりなく深い。 数字は人間の生まれる前からこの世界にあって、発見したのは人間。 だけど、人間は自然の中に会った数字を自分の中に取り込んだあとで、自然の中には存在しない数字を見つける。 数字は人間の中に入り込んで本来のじぶんとは違う新しい自分にであう。 自然の世界の中から発見したものから、現実の世界にはないものを新たに自分の中で創造しうることができるなんて人間てすごい。 このあたりの詳しい解説は映画で見てください。 ルートマイナス1の存在を問う話です。 数字にかかわらず人間は世界の中にあるものから、世界には存在しない、人間のなかにしか存在しないものをどれくらい見つけたり、作り出したりしているのかな。 この記事を評価する
映画の感想その2もありです。 原作の感想もありです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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