テーマ:社会のあり方を考える(116)
カテゴリ:社会系エッセイ
フランス料理のフルコースを食べた後にはお茶漬けが食べたくなる。 海外旅行から帰ってきた日に回転寿司屋に入りたくなる。海外で日本人に会うとほっとする。無理にしゃべらず、笑顔も作らず、それでも、日本人同士の共通意識にほっとする。 まあ、そんなことはいいとして。 かつて、高校三年生の時、授業が選択制になり、世界史の後半が取れなくて悔しい思いをした。前半は二年生でやったので。 そして、我が子が高校生になってみたら、やっぱり世界史が取れない。特に理系を選ぶと日本史はとれても、世界史はとれない。どうしてですかときいたら、世界史は覚えることが多すぎて無理だからということでした。結局国立大学を目指そうとすれば、七科目。勉強することが多すぎて、世界史は断念せざるを得ない。 学生に、主要三教科にとどまらずなるべく広く勉強させるための国立大学の受験システムがあだとなってイマドキの高校生もまた、世界史を勉強することができない。 愛国心だ、祖国愛だと最近なにやら世間が騒がしい。しかし、世界史の後半も勉強できず、近代史も現代史も学校でろくすっぽ教えていない今の学校の教育システムを棚に上げて、悪いのは国民だ、若者だ、学生だといっているような今の風潮に私はひたすら腹立たしいばかりである。 総合の時間に株取引なんかやってる暇があるのなら、なんで、今現在の世界情勢や近代史や現代史を教えないのだろう。結局学校で勉強できるのはせいぜい明治までか、第二次世界大戦までがいいところである。 近代史や現代史をきっちり学ばなければ今の世界のことも、経済のこともわからない。そんな薄識の状況で株取引を勉強してみたところで、所詮損をするのが関の山だと思う。グローバルなつながりをもつ現在の世界の経済状況を理解する上で、現代史は欠かせないはずなのである。 だから勉強していないわが身ではテレビのニュースを見ていてもよくわからない。 たとえば、現在の朝鮮半島の現状に至る経緯や、朝鮮戦争のことも、イラクとクエートが戦争にいたるまでにイギリスがかつて植民地時代に行ってきたことが絡んでいることも、インド、パキスタン、バグラデッシュがもめるにいたった経緯も、わずか、この二十年の間にも世界の変化は激しい。私もそのあたりはよっぽど勉強しなければわからない。 私の場合はもう学校を卒業してしまったあとの歴史なので、自力で勉強するしかないけれど、テレビのニュースをみているだけではわからない。 このあたりの世界的な経緯を学ばずに愛国心を持てといわれても、ちょっと無理なんじゃないと思うわけですね。 今の高校にも政治経済や、現代社会という科目はあるのだけれど、子供に聞いてみても、この科目で、現代史を教えているわけでもない。 近代史、現代史はどうしても、思想がからむので学校で教えるのはむずかしいのだろう。 それでも、それらを学ばずして、日本の今も世界の今も理解せずして、国を愛する真意も世界のあり方を考える基盤も育てようがない。 日本に住んで、日本人として国を愛するのは当たり前なことであって、その上で更に自国を愛するのと同じ愛と敬意をもって他国のことを考え、思い、関わっていかずして、どうするのだろう。 自分が自分の国を愛するように相手も相手の国を愛している。お互いの立場を思い、相手の国への愛を理解し、敬意を持って接することのその先にはじめて、見えるものがあるのではないのだろうか。 まあ、それはそれとして。ですね。 私は日本が好きですよ。 ローズヒップの妖精 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年01月07日 08時52分38秒
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