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2007年04月27日
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カテゴリ:外国映画 か行
人はやはり、畏怖するものをもとめているのだろうか。

物語は、ブレアがイギリスの首相として、就任し、エリザベス女王と謁見するところから始まる。その後すぐにチャールズと離婚した元プリンセスのダイアナの事故。イギリスは国中が彼女の死を悲しみ、政府と王室は彼女の死と、葬儀に対しての意見統一を決められずに、国を挙げての騒動となっていく。

   クイーン

長い専制君主時代を乗り越えて、民主主義になった現在でも、王室を残す国は多い。「あんなものは税金の無駄遣いで要らないのじゃないか」と、そんな声がある中で、それでも、王家の人たちへの憧れをもつ人々は多い。

プリンセスダイアナは世界でも、特に有名で人気の高かった女性だけれど、もし、彼女がチャールズ皇太子と結婚するわけでなく、ただの普通の貴族の娘のままだったら、世界の人々はあれほどダイアナに注目しただろうか。

紀子様も、雅子様も、プリンセスダイアナもプリンセスであるからこその存在であり、人々の憧れ、畏怖するものなのだ。それは、クイーン・エリザベスもまた、しかりである。

民主主義と合理化が言われる中で直、存在し続けるもの。それがロイヤル・ファミリーというものであるからこそ、クイーンエリザベスは、政治の実権をなくして直、英国を統べる存在として、あり続けるのだろう。

開かれた王室、今までのしきたりにとらわれない自由な生き方をもとめて、「庶民のプリンセス」として、あり続けたダイアナの死を、イギリス国民が嘆き悲しんだのも、また、プリンセスであったればこそ。王室の威厳を守ろうとして、対立した、エリザベスとダイアナなのだけれど、やはりダイアナもまた、イギリス国民にとって畏怖すべきものだったのだろう。

ダイアナの死後、ロンドンに帰らずに、女王領で、二人の孫のためにい続けるエリザベス。周りのひとびとから、「マム」とよばれ、自ら、ランチの支度をして皿を並べたり、自分で自分の車を運転して出かける女王は、ごくごく普通の人間だ。けれど、国民はダイアナのためにエリザベスがロンドンに戻ることを望み、それをしない女王に失望し始める。王室なんていらないのじゃないかと。

そんな中で、森に出かけたある日、エリザベスは一匹の鹿に出会う。まるで森の主のような神々しい美しさにエリザベスは、神のような畏怖を感じる。けれど、数日後、その鹿は隣の領地で狩られてしまう。彼女は、隣の領地の屋敷まで、撃たれた鹿の死体を見に行く。自分が畏怖するものを失う心の痛みと、つらさ、喪失感を味わった時、彼女は、自分はやはり、イギリスにとっての畏怖する存在、クイーンであらねばならないのだと、感じたのではないのだろうか。

ロンドンに戻ったエリザベスが見たもの。それは、プリンセスダイアナを慕う国民がささげた公園いっぱいの花束だった。王室を開き、庶民のものとして、権威と威厳を失わせようとしたはずのダイアナもまた、イギリス国民にとっての畏怖するものだったのだ。

そして、そこで、女王としての彼女に渡される少女からの花束。クイーンへの、愛と尊敬と、畏怖と。

エリザベスは、女王として、ダイアナへの弔辞の言葉をささげ、元王室の女性として、未来のイギリス国王の母として、葬儀を行う。

英国首相ブレアもまた、エリザベスの威厳に心を打たれ、畏怖と、尊敬の念をいだく。

イギリスという国の国民の心を王室という存在への憧れと尊敬と畏怖によって統一するもの、統べるものとしての女王である自分。エリザベスは不本意なまま、50年という長い歳月、女王としてあり続けたのだ。

水曜なので、混んでました。満席でした。何しろ、都内は二館くらいしか、上映してないのですもの。日比谷シャンテで見ました。ぜひ、お早目の来場または、予約をどうぞ。


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最終更新日  2010年12月23日 15時56分08秒
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