長谷川 由貴 個展 HASEGAWA Yuki Exhibition「Veil of Species」 2016.11.1(火)-6(日)
●長谷川 由貴 個展 HASEGAWA Yuki Exhibition「Veil of Species」 2016.11.1(火)-6(日)(絵画) 12:00-19:00,最終日は17:00http://gallerymorningkyoto.com/2016exhibition/hasegawayuki2016.html目に見えないものたちの姿が知りたくて、絵を描いてきた。いろいろな文化の中で神と呼ばれるものたちの形、その場所だけがもつ特有の空気、人が知らずに導かれる道筋、はたまた電子顕微鏡で覗いて初めてわかる小さな粒子たち。どれもはっきりした姿を、いつでも確認できるわけではない。だけど存在していることを知りたくて、絵を描いてきた。 描くということは、そのものに近づくことだ。描いている間は、相手の中に入れてもらえるのである。ゆるやかに自分と相手が混ざり合う。そして、通り抜けていく。同じになることはできない。でも、少しだけ、その正体を知ることができる。 今回の展示では、私が今までに訪れたことのある景色を、過去に遡って描いている。一度私が通り抜けてきたものたちである。そこには確かに、目に見えないくらいの小さな粒で出来た世界があったし、人が神様と呼んだものが満ちていたし、その地点まで辿り着くことになった自分の道筋があった。それらを振り返って、もう一度、彼らに近づきたいと思った。 この世界の中で、あらゆるものが循環している。山に雨が降り、川になって海へ流れ込み、海水が蒸発して雲になり、また雨が降るというのは想像しやすい。それは至る所で発生している。人の肉体も、人になる前は何であったのだろう。魚だったのか、小麦だったのか、豚だったのか。光が射す山頂の梢、帰り道に生えていたあの花、冬の気温で冷えた石、土星の輪っか。夕暮れの南の海、紫に染まる砂浜、ゆっくり姿を消していく太陽。どれも私であったかもしれないし、これから私になるかもしれない。全ての延長線上に、あなたもいる。私はあなただったかもしれない。かつてあなたが、私であったかもしれないのと同じように。だけど、それもまた、目には見えないのだ。 何度も何度も通り抜けながら、そんな世界が本当に存在していることを、私は確かめている。 長谷川由貴 1989年大阪府生まれ、2014年京都市立芸術大学大学院修士課程美術研究科絵画専攻油画 修了。「VOCA展2015 現代美術の展望-新しい平面の作家たち」(上野の森美術館/東京)、「ART OSAKA 2014 京都市立芸術大学 アートで目覚めるvol.2」(ホテルグランヴィア大阪)などに出展。個展は昨年の「Children Repeat Dawn」(ギャラリーモーニング/京都)につづき2回目。聖地とよばれる場所に立ち「描く」ことを通して対象に近づこうとしています。完全に同化することはできなくても神秘のベールを一枚いちまいそっとめくるように描いた作品です。ご高覧ください。/gallery morning・・・次回の展覧会ISHII Makoto 11.8(火〕- 13(日) 石井誠個展 "A Herald of Atlas"http://gallerymorningkyoto.com/2016exhibition/ishiimakoto2016.html