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天満天神繁昌亭:「余命数カ月」がんの女性が高座に 闘病、「楽」忘れぬ
がんと闘いながら初高座に上がった街道徳尾さん=大阪市北区の天満天神繁昌亭で17日午前10時9分、森園道子撮影
十二指腸がんで「余命数カ月」と宣告された女性が、「天満天神繁昌亭」(大阪市北区)で開かれている6カ月コースの一般向け落語講座「繁昌亭落語家入門講座」の門をたたき、17日午前、修了記念の初高座に臨んだ。福井県鯖江市の元会社員、街道徳尾(かいどうのりお)さん(37)。前日に倒れるなど体調が危ぶまれたが、小話「くちなし」を披露して温かい拍手を受け、桂三枝さん命名の「天神亭楽々」の芸名を授かった。【幸長由子】
街道さんは昨年6月、名古屋市の大学病院でがん宣告を受けた。既に転移していた。 余命を問いただすと、医師は「数カ月単位と考えてください」と告げた。 激しい痛みやだるさだけでなく、「いつまで生きられるのか」と不安に襲われ、通院以外は自宅に引きこもった。
そんな闘病生活の中、今年4月、「気晴らしに」と天満天神繁昌亭に出かけた。 それまで落語を聞いたことはなかったが、告知以来初めて涙が出るほど笑った。 目に焼き付いたのは、舞台正面に掲げてある「楽」の額だった。「楽しいことは楽(らく)なこと。 楽なことは楽しいこと。私もおもしろおかしく生きたい」
その日の演目が終わるころには、入門講座への参加を決意していた。
けいこは2週間に一度。家からは電車を乗り継いで約3時間かかるが、苦にはならなかった。 腹痛がひどい日も、着物を着ると痛みが消えた。ただ、病状は進み、先月には、リンパ節や肝臓、肺に新たな転移が見つかった。 今月10日まで富山県内の病院に入院していたが、練習には外出許可を得て通った。「楽しむこと、楽しませることをあきらめたくない」という一心だった。 高座前日の16日には、アスベスト(石綿)公害患者団体の招きで兵庫県尼崎市を訪れ、落語を初披露する予定だった。しかし、急に嘔吐(おうと)するなど体調を崩し、救急車で病院に。この日は体調も落ち着き、何とか高座にこぎ着けた。
小話「くちなし」は植木職人と客との軽妙なやりとりで笑わせる話。街道さんは「いただいた『楽々』という名は、笑顔を忘れずに生きて、とのメッセージだと思う。名前に恥じないように、これからも落語を続けたい」と話した。
~~~~~~~~~~ (毎日新聞 2008年9月17日 大阪夕刊より) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
福井県鯖江市の街道徳尾様(37歳・女性・落語家)について教えて下さい。
(2008.12.12 17:42:09)
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