1.学校側の対応(1)

 学校側が用意してくるデータは、2学期中のテストの得点と順位、それに内申書の評価です。これらのデータと各自の志望校合格のための必要最低ラインとの間にどれだけのギャップがあるのかが話し合いのテーマになるわけです。

 いい返事はあまり返ってきません。「石橋を叩いて渡る」。ようするに、ちょっとでも危ない要素があると、ランクを下げろというのが一般的な対応です。これは「できるだけ不合格者を出したくない、ツライ思いをさせたくない」という配慮からです。が、それがすべてではありません。次に挙げるようなもう少し複雑な要因がからんできます。

① 学校・教師のメンツ・・・自分の学校から、あるいはクラスから大量の不合格者(浪人生)を出したということになると、学校・教師の面目が丸つぶれになってしまいます。ですから、なるべく手堅い進路指導を展開し、無理を承知で志望校をあきらめない者を除いては、全員合格を目指すような布陣を敷きます。

② 事務的な手間を省く・・・不幸にして1校も合格しなかった生徒に対しては、追加募集校の情報収集、書類作成を行わなくてはなりません。ましてや、中学浪人などだしてしまえば・・・。余計な苦労を背負いたくないと言うのは、人間の本音なのかもしれません。


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