山頭火 みちのくまで その6
秋山巌の小さな美術館 ギャラリー馬美の町田珠実です。山頭火のみちのくの旅もいよいよ終わりです。~山頭火の日記~(昭和11年)六月廿九日 曇り。沈静、いよいよ帰ることにする、どこへ。とにかく小郡まで、そこにはさびしいけれどやすらかな寝床がある・・・・・七時、さよなら、ありがたう、ごきげんよう、青衣子よ、坊ちゃんよ。十時の汽車で逆戻り、二時、鳴子下車、多賀の湯といふ湯宿に泊まる、質実なのが何よりうれしい。いつでもどこでも、帰家穏座の心でありたい。どしゃぶりになって旅愁しきり。六月三十日 雨ー曇。眼ざめるとすぐ熱い熱い湯の中へ、それから酒、酒、そして女、女だった。普通の湯治客には何でもないほどの酒と女とが私を痛ましいものにする。七月一日 腫れ。心身頽廃。四時出立、酒田泊。アルコールがなければ生きてゐられないのだ、むりにアルコールなしになれば狂ひさうになるのだ。・・・・・七月二日 曇。天地暗く私も暗い。十時の汽車で南へ南へ。ーーーー雨、風、時化日和となった。夜一時福井着、駅で夜の明けるのを待つ。明けてから歩いて、永平寺へ、途中引返して市中彷徨。~みちのくの日記ここまで~山頭火が鳴子で泊まったのは「東多賀の湯」という所です。 「湯上りのつつじ真っ赤に咲いて」 「あてもない懐草こんなにたまり」と詠んでいるそうです。私も一度訪ねてみたい宿です。鳴子温泉 東多賀の湯 女将のブログ山頭火が其中庵に帰着したのは、7月22日、前年末に其中庵を出立してから、約7ヶ月半の長旅でした。※秋山先生は9日に来相予定ですが、台風の影響がありそうですね。皆様も台風被害に備えてご注意下さい。◆~俳人・種田山頭火 70回忌によせて~◆平成21年10月9日(金)~13日(火)10時~18時 会場:秋山巌の小さな美術館 ギャラリー馬美秋山巌の山頭火の世界を、お楽しみに!