不動産価格の下落
景気の陰りと、市場引き締め策、不動産投資の制限など、バブル的な不動産市場を安定化させるため政府が色々と手を打っており、その影響が大都市の不動産価格に大きく影響を与えつつあります。 特に最近新聞やネットで取り上げられているのが上海の大手不動産開発業者が、販売中のマンション価格を20%以上も一気に下げた為、既に購入済みの客が不動産価値が下落したことから激怒し、展示場へ押しかけ抗議し、値下げ撤回しない場合は返品するから金返せと騒ぎ、業者側が一切取り合わなかった為、一部の客がマンション模型を壊したり、ガラスを割るなど暴力行為を行いました。 一方では業者は、ネット販売の会社と提携し、団購で1000棟を販売すると出した為、深夜にもかかわらず客がつめ掛け、講義する人たちと、購入者達で混雑しました。 まあ、1平方メートル26万円ほどのマンションを一気に20万円以下に値下げしたわけですから、100平方メートルのマンションですと、最低でも500万円ほど価値が下がったことになります。 団購とは日本でいうとグルーポンなどの団体一括購入のことで、中国では非常にこの手の商売が発展しています。 まあ、幸い広州ではここまで下落はしていませんが、投資目的の購入が多い為、日と家庭あたりの購入を制限しています。 銀行も住宅ローンの新規募集を停止したり、二軒目以降は貸さないとか、利子を異常に高めたりしています。 不動産業者は住宅が売れなくなって来ている為、資金的にも苦しんでおり、倒産するより安値販売を行ったようです。 現状不動産業者への銀行からの貸し出しは厳しく制限され銀行の貸し渋りもひどくなっています。 まあ、銀行は今までいい加減に貸し出しを行ってきた為、不良債権にならないようあせっているかも。 それにしてもマンション価格は異常ですね。 上出のマンションで100平米の部屋を買うとすると2600万円ほどになります。 一般的なサラリーマンの収入が7,8万円ですから買える値段ではありません。買える人は小金持ちか、親から出してもらったか、立ち退きで大金を手に入れたか位でしょう。 しかも、銀行の住宅ローン金利は6%ほどしますから、大金借りたら利子を返すだけでも大変です。 ここ広州でも中心部では1平米2万元以上はします。郊外の中級レベルでも1平米8千元以上はしますから100平米を買うと1000万円はします。 これからも普通のサラリーマンは到底買えるものではありません。 因みに同じエリアのマンションで約10年前では1平米3000元ほどでしたので2,3倍に跳ね上がっています。 ですからみな投資目的で購入し、賃貸マンションとして貸し出し、賃貸料と不動産価値の値上がりを狙います。 よって富裕層は3,4軒のマンションを持っています。