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第1の扉@佐藤研

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2008.02.09 楽天プロフィール Add to Google XML

 藤戸
[ 軍記 ]    

 定時に職場を出て(珍しい!奇跡!!)千駄ヶ谷の能楽堂へ。もちろん、最初の解説はいうまでもなく、狂言にも間に合わないけれども。
 今日は金春流本田光洋さんシテの『藤戸』。ということで、イヤなものを思い出してしまう『ヘイケ』がらみの曲である。自分のスケジュール予定としては、すっきりした気持ちで観られるはずだったのだが、やや重い気分での鑑賞となってしまった。

 珍しいことに本田さんが台詞でつまずいた。自分が観ている中では初めてである。すかさず、後見の櫻間金記さんが流れるように付けて問題なく進行した。んー、この絶妙な付けは櫻間金記さんと本田さんの呼吸によるものであろう。

 それはさておき、『平家物語』で語られる藤戸合戦の舞台裏という様相の能「藤戸」。勝者の裏側に悲劇があった、という面白い視点で作られている。能「藤戸」の話は語り本系の『平家』で殺害されたことを伝えるのみ(読み本系には殺害の記事なし)であり、それを深めて家族の愛情にもっていったところが面白い。
 あー、索引やらなきゃå



Last updated  2008.02.10 20:40:35
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2008.02.05

 塩竈巡り

 保育実習の巡回指導で宮城県まで行く。もちろん、勤務校はまだまだ授業が続いているので、その合間をぬって行かなければならない。コーセーロードーショーが「実習の巡回指導は原則必ず」という指導をしているので、全国どこへでも行かなければならない。授業も対面15回を義務付けているので、実習の時期はメチャクチャである。あそこの役所は、揃って頭おかしいんじゃないかと思う。
 しかも遠方の学生は大抵ソフトテニス部の学生。ということは、自分が責任を持たなければいけないってことになり、月曜日夕刻の授業を終えて仙台に赴き、翌朝そこから実習先へ。実習園はきわめて好意的で、学生の評価も良かった。老人介護施設と同じ棟に保育所を作るという新しいタイプの施設で、園全体の雰囲気も明るく、気さくな園長先生(公立の園長を定年後にここに移った)で、実習生もこういうところで実習ができるのは幸せである。

 実習生との面談(これも義務付けられている<実習時間中に迷惑だろうに)も終え、園長先生とあれこれ話しているうちに、比較的近い塩釜の話になった。昔、京都でここに憧れて庭園を作った人(もちろん源融のことである)がいるんですよ、という話をしたところ、「東京から来る人はまず松島の話になるのに塩釜の話なんて珍しい」「そういえば、京都から紅葉を移し植えて松島の浦を眺められる高台が昔作られた」なんて話に発展し、気が付いたら、園長先生の車で塩釜に向かっていた。電車だと仙台まで戻って線を変えなければならないのだが、車だとほんのすぐで、20分ほどでかの地に到着。
080205shiogamaA
▲高台までの斜面がすべて京都の楓と伝えられる。松島四大観の1つ、扇谷。
行政区としては松島町に入ってすぐのところ。
080205shiogamaC
▲少し松島のほうに移動したあたりの国道から。

 このあと松島海岸で降ろされて、一路東京まで戻った。残念ながら、西行ゆかりの地は、冬季封鎖であったが、源融が憧れた地を眺めることができて良かった。



Last updated  2008.02.11 14:50:03
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2008.01.08

 相模原終了

 1月4日に本務校出勤、もちろん5日土曜日、7日月曜日も出勤。さらにこれらの日々が研究に費やされていないことは、言うまでもない(ヤレヤレå)。
 これとは別に、粛々と進めていた皇室関係の事典原稿は最終校正を返却し、清々しい気持ちで相模原に向かう。年明けの授業が1回あって1年が終わるというのは、20年前と変わらないペースである。
 嗚呼!別世界!!
 3限の講義科目は筆記試験。教科書もノートも持ち込み可だが、今年もみんな青ざめている。フフフ(底意地が悪い)。
 4限の演習では、3限との連続受講生が早速前の時間の問題についてひとしきり騒いだ(泣いた?)あと、宗尊親王の和歌(『文応三百首』雑部の歌)の本文批判と解釈。学部2年生にどうかとは思ったのだが(前期は『百人一首』)、むしろ前期以上に発言も活発だったし、解釈であれこれ意見も出て、充実した演習になったと思う。

Last updated  2008.01.31 23:41:04
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2008.01.04

 驚愕の年明け
[ 軍記 ]    

 年明け早々の日直勤務。さすがに4日から挨拶に来る業者も少ないはずなので、静かな大学で研究ができる……ということで、年末年始にまったく進まなかったブツを持参し大学へ。

 だがっ!

 思いもよらない緊急事態が発生し、部屋に置いてあるテニスウェアに着替えるはめに陥った。足元は長靴。詳しいことはここでは書けないが、年明け早々、いきなり肉体労働オヤヂとなってしまった。んー、私にブンゲイ研究者としての未来はあるのか!?



Last updated  2008.01.31 23:25:51
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2007.12.13

 実方の中将
[ 芸能 ]    

 国立能楽堂の特別企画公演は「夢」にまつわる新作狂言「夢てふものは」と復曲能「実方」。昨日12日と連日公演。

 狂言の方は昨日観て「あっ、もういいや」と思ったこともあり、勿論物理的な仕事が終わらないと職場を出られないという環境でもあり、今日は能「実方」だけを鑑賞。
 東北で没した実方の塚を西行が訪れたという設定で、実方の霊(前場は老人)が登場し、美貌を誇った実方が舞いの途中で自身の老残に気付くというように展開する。霊として登場する後ジテは、かつての美しい貴公子として舞を舞い始めるが、やがて老いさらばえた自身に気付き、消えていく。

 まず何が嬉しいって連日のチケットを取っておいたこと。昨日のははっきり言ってつまらなかったが、今日の「実方」はまったく別物であった。昨日ので「こんなものか」と思わずに済んだことが一番の収穫であった。
 貴人もので落涙することの多い佐藤は、本日ラストの序ノ舞で号泣。昨日は、おシテさんのプクプクした手を見ながら「あぁ、あの斜め後ろの方の手と交換してくれたら……」などと思ってばかりいた(もちろん、そういう危惧を回避するために取った席位置。某氏鑑賞用席)。若き貴公子の霊が老醜の霊へと変化しなければならないのに、大儀そうに胸の辺りの装束が波打ったり、尉面とのバランスの悪い体格など、ぐったりすることしばし。
 それに対して、今日のおシテさんは、後ジテ実方の霊で[中将]の面を使い、若い貴人の顔立ちに白髪をつけた姿で登場。1つの空間で若い貴公子(の霊)がたちどころに老いていくという変化をはっきりと提示した。わりと背のあるおシテさんなのだが、急に萎んでいくように変化していくのが巧み。
 自分のように自己修正力のない者には昨日の舞台では何も想像できなかったが、今日の舞台は昨日と同じ作品とさえ思えないできだった。「実方」って面白いと思えたのが、今日の最大の収穫であった。

 新作狂言のほうは50分という長丁場であったが、最初の15分ぶんは、通常の狂言の名告リであっという間に済ませることができる質のもの。登場人物が誰一人として常座で名告ルこともなく、狂言らしい展開がない。古典作品に題材を取った新作劇。ただし演じるのは現代劇の役者ではなく、狂言師の方々、という実にチグハグなものであった。新作狂言で時折あることで、古典作品に題を取ってお笑い要素を加えればそれでいいのか、という部分が目立つ。古典作品に題を採りながら、現代劇の役者が現代としての解釈で提示するというわけでもなく、すべてが中途半端。
 なんといっても、最大の欠陥は大臣になった吉備真備が、商人(その昔、真備が仕えた人の零落した姿)に怒ったりして、徳の高いはずの真備が安っぽいキャラクタとして造型されている。夢違えで入手した幸運を最大限に活かして、本人の努力もあって大臣に上りつめたという設定と矛盾する短気な性格、あれはかなりまずいだろう。他にも矛盾と感じられる部分があった。

 それはさておき、“実方”といえば、佐藤の指導学生で『実方集』に取り組んだ者がいた。自分自身が好きな歌人でもあり、その学生も非常に熱心に作品研究に取り組んだ。まだ勤務先に国文科のあった時代のことで、短大の卒業論文なのに「私家集大成」本文に加えて、「冷泉家時雨亭叢書」を自分で買い、本文の差異を調べる一方で、周辺人物を洗い出すという大作をものした学生だ。4年制大学に編入、そのまま修士へ進んだが、結婚・出産で研究から手を引いた学生であった。あぁ、こういう学生が自分のゼミには毎年いたなぁ……と思うと、わずか数年前のことながら懐古せずにはいられない。



Last updated  2007.12.14 01:57:32
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2007.12.11

 相模原

 火曜日は相模原で非常勤講師。夏頃には暑苦しいだけの昼休みの賛美歌(←罰当たり)も、この時期だとシミジミと聞き入ってしまう。
 授業の方は、宗尊親王の和歌の解釈と茂山家の狂言鑑賞という、無茶なことをやってきた。授業はあと1回で、その次が試験なので、なんとか予定の範囲まで終わらせようと必死。
 この地は母校であって母校でないキャンパス(厚木世代なもので)だが、こんな飾りがあった。
07-12-11_16-48.jpg
この画像を撮り終えたところ、ちょうど大学時代の友人からテニスの誘いのメールが来たので、返事にこの写真も付けた。早速「あぁ、場所が違うのにノリがおんなじ~」という返信が来た。“そうそう、君がボディコン着てた頃だね”なんて、もう20年(ひゃあ~)も前の情景が目に浮かんできた。厚木も青山も、そして相模原も、場所は異なれども、こういう景色が共通認識として残っていくっていうのは、ちょっとスゴイことだと思った。



Last updated  2007.12.16 00:15:43
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2007.12.10

 長門本成立の謎
[ 軍記 ]    

 まことに不勉強で恥ずかしいのだが、毎日新聞11月17日の記事で、火山について研究している方の研究成果よって、長門本の成立が1235年をあまり下らない時期とする発表があったらしい。となるとそれに先行する原『平家物語』は当然それ以前ということになる。
 ……というような問い合わせを受けた。某地方新聞社の文化部の方からであった。多分、私の研究室の隣人さんは席を外していたのだろう。見つけていたらそっちに回したのに。

 『平家物語』としては長門本独自本文になる性空上人の霧島山噴火に関する記事(平安時代のエピソード)が、実際に霧島山の噴火を目にした者でなければ書けないリアルさだそうで、それに該当する噴火は1235年の出来事だという。
 こういう他分野の研究成果が文芸の研究に活かされるのはとても興味深いし、これまでにも日本文学の研究領域はそうした成果の恩恵を受けている。ただし、『平家物語』、狭めて言えば長門本と称される伝本群の元締め的改作者が、長門本すべての独自本文について、完全に本人の創作とするのは無理というもので、たとえ霧島山の噴火が1235年と確定したとしても、長門本がそれに近い時期に成立したと結論づけるのは無茶というものだ。

 この話題は後日改めてここで紹介したいと思うが、何がショックって「あのぉ、私の専門は日記文芸なのですが……」「えっ、そうなんですか?」という短い会話が(絶句)。



Last updated  2007.12.14 01:06:25
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2007.11.30

 伝統芸術振興会
[ 芸能 ]    

 伝統芸術振興会の公演が無事終了した。30周年記念ということで、ここの団体で行ってきた日本伝統文化教室の生徒さんが参加できる「鞍馬天狗」が選ばれた。この会に長らくお出で頂いた方には意外だっただろうが、シテ観世銕之丞さんは、この会で初めてのご出演である。当会の会長であった南部さんが一昨年お頼みしていたのであった。
 稚児愛ということで、「子盗人」あたりを狂言に持ってきたかったが、山伏つながりということで「蝸牛」を山本則孝さんシテで。山本家には随分とご出演いただき、則孝さんシテもこれで2度目となる。南部さんのお気に入りの若手狂言師にご出演いただいた。
 義経(子方)を演じたのは小早川さんのところのご子息康充さん。お母様は学生時代、ここの会のお手伝いをしてくださったことがある、と伺った。不思議なご縁で、会の最後の公演に巡り合わったことになる。
 最後の、義経が鞍馬天狗の袖にすがるところは、南部さんのことを思い出して思わず涙してしまった。

 ※会誌「能と狂言」で誤植がありました。10頁下段11行目、「馬野正基さん」とあるべきところが、「馬場正基さん」となっています。人名の誤りという取り返しのつかないことをしてしまいました。署名原稿の部分は基本的に手を入れないという方針だったのですが、きちんと把握しておくべきでした。
 本当に申し訳ありません。謹んで訂正させていただきます。

 ※もう一つ、私のブログ経由でご注文いただいたかたで、事務局のミスで特典のなかったかたがいらっしゃいました。割引のなかったかたがいらっしゃいましたら、どうぞメールでお知らせ下さい。



Last updated  2007.12.02 21:33:54
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2007.11.25

 実盛×2
[ 軍記 ]    

 宝生会別会は「実盛」「定家」「葵上<梓之出>」の3番。極めて目を引く曲というわけではないが、地味な感じで宝生らしい気もする(意味不明)。
 さて、「実盛」。白髪であることを懸念して、髪を黒く染めて戦に臨んだ老武者である。木曾義仲と平家の闘いという中での出来事で、『平家物語』の展開の本筋ではないのかもしれないが、こういう美意識がある話もなかなか捨てがたい。老いが恥であったという点は、忘れてはいけないな、と思わせられる。人間、美しく年をとりたいものだとわかってはいるけれども、なかなかそうはいかない。
 シテは寺井良雄さん。見事な白髪(本当に輝くばかりの整った白髪である)のシテが演じる「実盛」というのも(もちろん地毛は見えない)、なかなか興味深い。スッキリとした宝生らしい地味な、だが味わいのある「実盛」だったように思う。先日の片山九郎右衛門さんの「実盛」も実際の体格では考えられないスケールを感じさせ、素晴らしい「実盛」が続いた。

 ところで、「定家」シテ三川淳雄さんは、今回で舞い納めらしい。確かに来年の予定表にお名前が挙がっていない。残念である。



Last updated  2007.12.02 22:13:12
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2007.10.17

 外のお仕事
[ 芸能 ]    

 数年間お手伝いしていた伝統芸術振興会の秋の公演も今年で最後。原稿の受け渡しで事務局に寄る。能楽に関しては相変わらずのトーシローだけれども、色々と勉強させていただいた。本当にありがたいことであった。会長の子どもへのまなざしや美意識は大いに共鳴する部分があり、もっと長くここで勉強したかったが、残念である。なお、児童生徒向けの公演は、某研能会(←バレバレ?)が引き継いでくださるようで、良かった。

というわけで、トップでもお知らせしたが、秋の公演は狂言「蝸牛」に能「鞍馬天狗」。狂言は別の曲もリクエストしたのだが、公演時間などの関係でこちらになった。山伏特集である。



Last updated  2007.10.17 23:17:16
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