耳(音の世界)

2回目の 「科学の不思議」

今回のタイトルは「耳(音の不思議)」

動物には殆ど2つの耳があり 音を左右の耳で聞いてます
左右に存在するには それなりの意味があり
 方向、遠近感がわかります

さて動物は耳で何を感じているのでしょう
 一般の動物は
  敵が近づいたことを 足音などで感じ取ります
  さらに敵の種類(泣き声でわかります)

このように音は 識別能力、方向性、遠近感がわかるすばらしい器官です

では音とは 何でしょう
 音とは、振動です
 その振動が 耳の器官に伝わり 音の種類、強さを判別します
 これを左右の音の情報を調べることで 方向性、遠近感がわかります

昔でしたら ステレオ
今なら   サラウンド(5.1チャンネルが一般的)
これは再現方式ですが、臨場感が広がる音作りが出来ます

音の振動で人間の聞こえる範囲は 20~20kHzと言われています
 つまりこれより低かったり、高かったりした音は聞こえない
 (目が見える光の範囲と同様です)
 この性質を利用して
  FMラジオでは20kHz以上の音をカットして放送しています

 この違いは 昔ですが
  オーケストラを 生で レコードで FMラジオで聞き分けるとはっきりわかります

 さらに現代では MP3のように音声圧縮して情報を少なくするために高音カットを行っています(範囲は知らない)

音も波なんですが 光と全く違う性質を持っています
 それは 伝わること
 伝わらないと 音にならないってことです

空気中の話を主体にしますが
空気の振動が音となります
 では・・どのように発生するか?と言えば
 これも光と全く発生の原理が違い(別の意味では同じかも知れない)
 振動した物質の波が空気を伝わって 耳まで届くことです

 音の性質として
  近いほど大きく、遠いほど小さい(これが遠近感となる)
  障害物があると 小さくなる(全く吸収されることは普通は無い)
  障害物を避けて進んでいく(小さな障害物の場合)
  障害物を経由して進んでいく

  これらの性質から 左右の耳で方向がわかる

光と全く違うことがあり 無音の部屋は作れない・・ことがあります
光の場合でしたら 光をさえぎる壁などで全て覆ってしまえば暗室は簡単に出来ます

目はつぶれば 光をさえぎり 光のストレスはなくなりますが
耳は一日中、一年中、一生 音のストレスにさらされることになります
(耳はタフな器官といえます)



人間の耳に関しては 言葉を聞き分ける能力も持っています

 人の言葉には
  高い声、低い声
  綺麗な声、だみ声
  男性の声、女性の声、ロボットの声?
  など・・区別が出来ます
 さらに動物一般ですが
  母親の声は どんな状態でも聞き分けれる特技も持っています
  (固体認識と言います)

音の認識ですが まずは基本から
音は波ですので
 基本波があり 一般的には正弦波を使います
 周期と大きさで表します(Hzとdb)

 正弦波が思い浮かばない人のために 解説を
  数学のときに習った XY軸を思い浮かべます
  このときX軸には音の大きさ、Y軸には時間とします
  X軸に反復する点を仮定し 反復させます(大きさは上下同じとしてください)
  それを時間とともに進めて描けば 正弦波らしくなります
  (普通で描くと 三角波となります)
  さて・・問題の正弦波の書き方ですが
  先ほど X軸を反復する点としたところを
   軸の中心に円を書き その円の周りを同じ速度で進む点と変えます
  はい・・正弦波の出来上がりです

  (等速円運動をX軸に投射し、さらに時間軸へ移行したものです)

  簡単に言えば、円運動の投射が上下運動となるわけです
  ゆえに 波を表す場合 角度(θ:シーター)が使われるのはその意味です
  さらに円運動の速さを表すのに 角速度(ω:オメガ)を使います
  音としての高さを表す場合は周波数f(エフ)を使います
  (単位は各自で勉強ください)


さて音色として音を見た場合
 楽器を思い出しましょう(電子楽器は・・とりあえず除きましょう)
 一番素直で わかりやすいのが
  弦楽器(ギター、ピアノなど)
   シンプルな音です
    楽器の大きさ、形状により 細かな音色が違うのはわかると思います
 
 弦楽器は 文字のままですが 弦が振動し音の元を作ります
  さらに ボディで共鳴させ 音を大きくして 耳まで伝わります
  この共鳴させるボディの形などにより 音色が変わる仕組みとなっています
  単純に 大きなボディは低い音が強く
      小さなボディは高い音が強いです

ここで楽譜と音色の関係を・・・
 音合わせ時に使う 音叉 一般的に440Hzの音が使われます
 (ちなみに 時報で使われる音は 440Hzです)
 この音は ドレミで言えば ラ となります
 高さで言えば ト音記号の5線譜の一番したの ミ より下の ラ です
 (ドレミファソラの ラ では無く、ドシラの ラ となります)
 
 次の高いほうの同じ音は(今回は ラ)、倍の周波数となり 880Hzです
 (これをオクターブと言います)

 音階は文字だけで言えばドレミファソラシドと言い 7つしかないと思われガチですが
 実際には半音がその間に入り さらに二つ足りません
 結局12個の音階があります
 よって 音階が13個上がると 周波数が倍になる
  このような等級数列となっています
  (単純に440を12で割って足しているのではなく、掛け算で求めています)

 これを見た目で表したのが グランドピアノの形状です
 一直線の形ではなく 曲線を取っているのがわかると思います
  (鍵盤と逆の位置です)
 または、ギターのフレーズの間隔がひとつひとつ違うのもそのためです


さて・・基本波(正弦波)のイメージはわいたと思いますが
 実際の音は 正弦波なんでしょうか??  違います
 言葉では表せない波形となっています

 では、何故・・楽器の音程がわかるのでしょうか?
 それは 基本波の音が一番大きいからです
  (逆に 一番大きな音を 基本波と呼ぶ)
 その他の音は 小さいながらも存在し 基本波と合成されます

 この合成された音が 一般の音であり 耳に聞こえる音となります

さてさて 耳ではどのように音を聞いているのか
 細かい構造は さておいて耳で音の高さを判別する原理は
 共振です

 共振とは 自分の固有振動と外部の振動が一致することを言います
 つまり440Hzの音を聞く場合
  440Hzの固有振動を持った器官が一番大きく反応します
  それ以外の周波数では反応しません(反応が弱い)
 耳はデジタルに周波数を分解し さらに合成しています

 この特性があるからこそ 音色が聞き分けれるのです
 (合成した音を 耳で分解し 聞いています)

 レコード聞くだけで ああ、これはピアノの音だ・・とわかるのです
 さらに言えば オーケストラの音も、全員聞き分けられます
 (これが出来ないと 多分指揮者は勤まらないんじゃないのかな??)

 
じゃあ・・レコードなどはどうやって音を録音して再生しているのか??
 これは耳の原理と全く違い、音の大きさだけを時系列的に録音しているだけです
 つまり録音された情報の中には 周波数と言うものが全く存在していない状態となります
 
 ここで・・おや??と思いませんか
 デジタル録音も全く一緒であり 音の性質は、何も録音していないのです

 それもそのはずです
  耳と言う器官を通るため 音色などの音の性質がわかりますが
 録音とは 自然界で マイクに伝わる振動を素直に強弱として記録しているからです

 ですから そのまま再生できれば 同じ音として耳に聞こえるわけです







音質に関しては 2,30年前は 音響会社が技術の粋を集めて
 音質の追求をしていましたが
 最近は そのような技術をあまり聞かなくなったと思います
 さらに最近は MP3を代表するように
 殆どの人が 圧縮された音を聞くのが当たり前となっています
 携帯電話の声の音が 本人と違っても、本人と識別できてしまうレベルに達したからだと思いますが 音質のことをとやかく言う若者はほとんどいません

 音質の話も少ししますと
  生の音にかなうものはありません
  次に録音と、再生技術
   録音は 先ほど述べたように 意外と自然界に忠実に記録しています
   再生は 殆ど電気の力(アンプ)を使います
    昔は 真空管アンプが一般的で、これも原理的には記録された音を忠実に再現していました
    
  しかし トランジスタアンプが出た頃は 真空管を使っていた人から見たら、邪道と批難されていました
   その理由のひとつに
    プラスマイナス同時に、同じ特性で再現できないことを挙げています

 何を言うかといえば
  トランジスタアンプの場合は、プラス側とマイナス側を別々のトランジスタで増幅しているからです
  それを最後にプラスマイナスをあわせて スピーカーに送っているからです
   どんなデメリットがあるかと言えば
    クロスオーバー歪が出ること
    (波形の上と下が ゼロで一致しないことです)
    この歪が出ることによって高調波が発生し 
     雑に表現すると キンキンした高い音が混じってしまう・・と云う物です

    これに対し 音響会社は 技術開発を進め 全く気にならなくなるまで改善をいたしました
    (ちなみにこの技術は、パワエレの世界でも使われています)


  次に録音技術の進歩により デジタル録音(CD)が生まれたこと
   (当然 再生器にもいえることだが)
  当時は2つの問題を掲げていました
   1つはダイナミックレンジのこと
   1つはデジタル化そのものの品質のこと

  ダイナミックレンジは レンジを変えれば対応できるので無視しますが
  デジタル化することの 恐怖感を・・アナログ人間は心配していました

  デジタル化することとは、区切ること、そして区切った中身は1つしか存在しないこと
  例えばダイナミックレンジが 0から10の広さとして
   区分を1単位とします
   そうすると10個の分割しか出来なくなります

   ここでアナログ人間は反論した
    例えば0.5=1 0.7=1 0.8も1
    これじゃあ 音の繊細さが伝わらない・・と言い出した
    (時間分割に関しても同じことなので省略します)

 さてここでのCDの分割単位を示します
  時間分割のことをサンプリング周期と呼び
   CDでは44,100Hzとなっています
   (1秒間に44100回の音を拾っていることとなる)
  音の大きさの分割は ダイナミックレンジと呼び
   CDでは16ビットとなっている(96db相当)
    (分解能は65536です)

   ちなみにオリジナル録音は20ビット もしくは24ビットらしいです

  この数字達をどのように判断するかは さておいて
  現状のCDは・・不満ですか??

  旅は所詮録音と思い 特に不満はありません
  現在は 殆ど圧縮音楽と圧縮映像で満足しています




波の性質でもうひとつ言わないといけないことは
 ドップラー効果
 音の場合は身近に感じることが出来る
  救急車の音 通り過ぎると 音色が変わる

 これは音の発信源が音速近く移動する場合におきます
 音速は 海面上で約343m/S
     または時速1225Km
 救急車が音速の5%ほどの速度で ドップラー効果が現れる
  救急車が60Kmで走るとすれば
  効果は 約105%~95%へと変化します(10%)

  ちなみに救急車のサイレン音は,770Hz と 960Hzです






さらに速度を早くして 音速を超えると
 音の壁を破ると言い いろいろと現象が発生します
 通常音は、四方八方に伝わるものだが
  その伝わる速度より早く 移動するため 音による空気の境界を破ることになり
  超える付近で、抵抗が大きくなり 衝撃が発生する

  さらに 飛行機のジェット音がソニックブームとなり地上に襲い掛かる
   いくつもの音が同時に凝縮されるため 爆音となる

  実際に聞いたことが無いので 凄さはわからない
  関連のビデオをたくさん見たが それほどでも・・って感じ
  でも一般では 窓ガラスを割って行ったと記録もある


その他 音に関する豆知識
 
 エオルス音:細い棒を振り回すと、ビュッ、ビュッという音が出る
 
 1/fゆらぎ:人体に心地よい揺らぎと言われている(歌にも現れる)

 山彦(やまびこ):音速が有限であるために起こる反響の一種である



 


 




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