教育社会学S0106 科目最終6問解答例
いじめ問題の国際比較を通して、その共通性と異質性について具体的に説明せよ。
今日の日本におけるいじめは、学校間の問題にととまらず、社会問題として深刻な状況にある。このことから、いじめは日本だけに起こっている特有の問題に思えるが、外国のすべての国においても存在する。しかし、それぞれの国によって社会的背景が異なることから、その発生要因や特徴は違ったものになっている。わが国のいじめが陰湿で見えにくいものに対して、「外国におけるいじめは、男子の暴力的色彩が強い」傾向がある一方、どの国においてもいじめが「力の強いものから弱いものへ向かう」という構図は世界共通である。そこで、代表的な例としてアメリカとイギリスにおけるいじめを取り上げ、いじめの国際比較を通して、どのような共通があり、またどのような点が異質であるかを説明していきたい。
アメリカでは、いじめを厳密に定義していないが、あえていうなら、1いじめの行為は長期間にわたり、繰り返し起こり、2加害者と被害者の間には力の不均衡がおこる。とまとめられている。また、いじめの内容も、直接的な身体攻撃と、言葉による脅しのような間接的な行為の両方を含むという解釈はされているが、陰湿なものは含まれていない。このようにアメリカでのいじめは、学校問題の一部に過ぎず、日本のような深刻な状況にはないようにみえる。しかし、いじめによる経験者数は10~24%と、日本とさほど変わらない数値となっている。
注目しなければならないのは、アメリカのいじめが深刻な社会問題と深く関係していることである。つまりいじめは、社会経済的に低位な環境で頻発しており、教師や学校が恵まれた条件にない場合にも多発している。この背景には、人種、民族に対する差別問題、貧困、ドラッグといったアメリカ社会全体が抱える問題が深く関わっている。
イギリスではいじめによる自殺する子どもが現れ始めたことを背景に、その深刻さが、一部の生徒の問題ではなく、学校の存続を含めた社会の問題であるという認識がされており、この点はわが国と共通の傾向を示している。いじめの定義は、身体的、また手段的な「力」の意図的な乱用としている。
ただイギリスの場合、いじめを受ける対象が、とりわけ特別な教育的ニーズをもつ生徒、あるいは障害をもっている生徒(LDやADHD)に多いことが指摘されている。さらに都市部で..

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