神生み神生み伊耶那岐神と伊耶那美神は次々と神々をお生みになりました。 しかし、ここで悲しい出来事がありました。 火の神である火之迦具土神(ひのかぐつちのかみ)が生まれる時に、伊耶那美神は御陰(みほど)[女性器]に深刻な火傷を負わせられました。 伊耶那美神が病床でお苦しみになりながらも「神生み」は続きます。 伊耶那美神は病床で、嘔吐し、糞尿を垂れ流します。ところが、吐いたゲロからは鉱山の神二柱、大便からは土の神二柱、そして尿からは水の神、生成の神が成りました。 ★ 伊耶那美神のゲロから成った二柱の神とは、金山毘古神(鉱山の神)金山毘売神(鉱山の女神)です。 ※ この神様は、以前紹介しました、宮城県石巻市金華山の黄金山神社の御祭神です。 http://plaza.rakuten.co.jp/genkinaokome/diary/201010100000/ さらに伊耶那美神の尿から成った和久産巣日神(わくむすひにかみ)の子が、穀物の神である豊宇気毘売神(とようけびめのかみ)です。この豊宇気毘売神は、天照大御神の食事を司る神として、伊勢の神宮の外宮に祭られます。 そして、伊耶那岐神の懸命な看病の甲斐もなく、伊耶那美神はついに神避(かむさ)りあそばされました。(「神避る」とは神が亡くなること)およそ、伊耶那岐神と伊耶那美神が共のお生みになった島は、十四の島です。またお生みになった神は三十五柱です。ただし、蛭子と淡島は子の数には入れません。 伊耶那岐神は「愛しい我が妻の命を、子一人の命とかえることになるとは思いもしなかった」とお嘆きになり、伊耶那美神の枕元で腹ばいになり泣きました。 伊耶那岐神は、伊耶那美神の亡骸を、出雲の国(島根県)と伯伎国(ははきのくに)の境にある比婆之山に葬りました。 伊耶那岐神の悲しみは募るばかりでした。 ついに腰に帯びていた十拳の剣(とつかのつるぎ)を抜いて、生まれたばかりの、火之迦具土神の首を切りました。 すると、首を刎ねられた火之迦具土神の体から、炎がほとばしり、辺り一面に真っ赤な血液が吹き出し、そこからまた新たな神が成りました。 剣の根本に付いた血が岩に飛び散り、建御雷之男神(たけみかずちのおのかみ)などの神が生まれました。 ★ 建御雷之男神は、白河市鹿島神社の御祭神です。 http://plaza.rakuten.co.jp/genkinaokome/diary/201205280000/ 伊耶那美神がお亡くなりになったことで、国作りは半ばにして中断する事になります。 続きを読む |